2008年1月
1.3(木)
・今年最初の開館日。正月休みとあって遠方からお越しになられたお客さまや海外からのお客さまも多くいた。何度か美術館にいらしている方とは新年の挨拶を交わしたりも。
平成になってからもう20年か~早いなぁと思っている方も多いのではないでしょうか?一日を大切にし、楽しみにして来館して下さる方々が笑顔で過ごして頂けるように、スタッフ一同、よりよい美術館を作って行きたいと思います。今年も宜しくお願いいたします!天内。
・カフェでは今年も朝日が昇る前から、開店準備のために多くのスタッフが仕込みやテント設営にと大忙しだった。
<デッキにたまった松葉を掃く堀口さん>
<早朝から仕込に精を出すスタッフ>
・ 新年の挨拶が終わったころ、アトリエでは、紅白を「見た」「見ない」の話で盛り上がっていた。なかでも石迫さんは「ZARDだけは見た」としれっと言ったので、橋田さんは "石迫さんはZARDの隠れファン"といううわさが真実であることを確信したそうだ。
1.4(金)
・年末にアトリエの大家さんから、たくさんのサトイモをいただいた。中にはネズミのようなフォルムのイモがあり、吾朗さんがおもしろがってネズミの顔を作ってくれて、それがなかなかいい味をだしていた。もちろん調理したサトイモの煮っころがしも美味だった。子年、今年もよろしくお願いいたします。
1.5(土)
・今日からアトリエ2Fは、異動してきたスタッフで女の園になっている。今までお昼時はこぢんまりと食べていものの、今日からは女性13人あまりが長テーブルでランチをすることに。それはまるで「最後の晩餐」のような光景だった。一番喜んでいるのは、おこぼれをもらうシャカだったのは言うまでも無い。
・カフェで活躍している、コムハウスさんから麦ストローが届いた。箱を開けてみると、中にはカレンダーとお手紙が入っていた。コムハウスのみなさん、今年も麦のストローを大切に使わせていただきます!
1.6(日)
・家族連れの賑わう週末、ふと店内を見渡すとよちよち歩きの子どもがぽつんと1人。お母さんとはぐれたようだが、泣くこともなく楽しそうにぬいぐるみで遊んでいた。スタッフが駆け寄ると、スタッフが装着している無線を気に入ったみたいで一生懸命触ろうとしていた。その後お母さんが慌ててむかえに来たが、無線から離してしまうと大泣きしてしまった。子どもはいろんなものに興味を示すんだな~とあらためて感じた市来パパであった。
1.7(月)
・美術館の事務所で鏡開きが行われた。天内くん・野村さん・滝口さん・安野くんは木槌を使い、モチを食べやすい大きさにする作業を行った。無病息災。食べると一年間病気にはならないと言われているが、安野くんは新年早々風邪をひき体調が悪そうだ。
1.8(火)
・3月に公開予定の美術館ライブラリー配給作品「パンダコパンダ」の宣伝用の写真選びが行われる。ライブラリースタッフと広報スタッフがテーブルにフィルムを並べて選んでいると、少し遅れて疲れた顔をした館長がやってきた。「どうしたんですか?」と聞かれた館長は「3日から張り切りすぎて仕事をしていたから、息切れが...」と答えていた。そして広報チームから「今年はまだ始まったばかりだから!」と容赦なく突っ込みを受けていた。
1.9(水)
・アトリエでは2月13日からの始まるギャラリー展示「パンダコパンダ展」の作業が佳境に入った。大判の絵を打ち出していると、あまりにもパンちゃんがかわいらしいので周りに人が集まってしまう。ぜひ美術館での展示をお楽しみに!
1.10(木)
・年末の大掃除のおかげで、大分(?)整理整頓された倉庫。スタッフの木村さんは「いっぱい入る~」とニヤニヤしながら商品を並べていた。この気持ちを忘れず、日々整理整頓を心がけようと肝に銘じたショップスタッフ一同であった。
<整理整頓をする木村さん>
1.11(金)
・アトリエでは今日が鏡開きの日。泉さんお手製の善哉がみんなに振る舞われた。これがまた美味で北嶋さんは何杯もおかわりをしたほど。あんこ好きのシャカにもあげようとしたが、お腹をこわしているらしくお母さんからダメ出しがでていた。
1.12(土)
・ある商品企画のサンプルがあがってきた。「天空の城ラピュタ」のスラッグ渓谷を再現したジオラマ?だが細かいところまで、見事に再現されている。近いうちに皆さんのお目にかかる日が来るかもしれない。
1.13(日)
・カフェに新しい仲間が加わった。作家、堀野さんの手による作品だ。堀野さんは、沖縄の『焼きしめ』という素焼きでいつも素敵な作品を作られている方。カフェにお立ち寄りの際にはぜひ探してみてください。
1.14(月)
・先日鏡開きをして乾燥させた餅をカフェの厨房で揚げてもらった。佐藤シェフ監修のもと、カフェの小池さんと総務の野村さんが手馴れた手つきでサクサクの揚げ餅に。休憩室で無病息災を願い、みんなでおいしく食べた。今年も良い1年でありますように。
<揚げたて揚げ餅>
1.15(火)
・カフェでは休館日を利用して堀口さんと梨子木くんがホームセンターに買い物へ出かけた。大工仕事といえばカフェのお父さん、こと堀口さんの仕事なのだが今日から梨子木くんが参加して、父と息子の日曜大工ならぬ休館大工が始まった。この日は、以前から欲しかった工具箱と、女子たちから依頼のあったバックヤードの物置場の屋根を作るための材料を購入してきたそう。カフェ女子はこれからの2人の作品が楽しみです。
1.16(水)
・地下1階の「動きはじめの部屋」のBGMに新曲が登場。現在使用している2曲はともに久石譲さんの作品で、日中と夕方で曲が変わっていたのはお気づきでしたか?実は夕方の曲は「宮崎駿監督の誕生日に」と2年前に久石譲さんからプレゼントされたもの。そして今年も5日の宮崎監督の誕生日に新しい曲を久石さんが贈ってくれたのだ。
夕暮れ時のジブリ美術館は、光が溢れ子どもたちで賑わっている日中とはまた一味違った大人の雰囲気。新曲は早速本日夕方より「動きはじめの部屋」で流しますので、落ち着いた雰囲気の中ぜひ久石さんの音楽を聴いてみてください。また新たな美術館の見方が生まれてくるかも...。
・不定期で行っている「3びきのくま」巨大絵本のお話の会の日にちが会議で決定しました。2/7(木)の11:00と13:00から2階ギャラリーにて約30分の予定で行います。迫力のあるお話の会をお楽しみに!
1.17(木)
・広報のミーティングにて仕事の分担の話をしていた時のこと。「机さんがデスクとしての役割を...。」という言葉が深谷さんには相当面白かったらしく「机さんがデスク?机さんがデスク!」と何度も嬉しそうに呟いていた。
1.18(金)
・松尾ママと呼ばれるほどショップのお母さん的存在である松尾さんは、たまに手作りの料理をスタッフに振舞ってくれる。今回はパウンドケーキ。スタッフは我先にと休憩時間にほおばり、結果すぐなくなってしまったほど。これからも愛情こもった料理が楽しみだ。
<松尾ママ、ごちそうさまです!>
1.19(土)
・映像展示室「土星座」にて「めいとこねこバス」が大好評上映中だ。小さい子どもたちは口々に「楽しかった!」と話してくれ、上映後のお客さんたちはみなさん笑顔で映画館を後にされている。海外の方々も例外ではなく、画の持つ力が強いからか英語の吹替えや字幕がなくても愉しんでくれているようだ。「めいとこねこバス」は1/31まで上映しておりますので、まだご覧になられていない方はぜひお越しください!
1.20(日)
・カフェ店内に今週も素敵なお花が生けられた。毎週金曜日の夜に店内のお花を入れ替えるのだが、スタッフの間ではお花屋さんがどんなお花を持ってきてくださるのかが楽しみの一つだ。
<珍しい葉付きの大きなクリスマスローズ>
1.21(月)
・今日41歳の誕生日を迎える吾朗さんに郡司さんがケーキを用意し、アトリエに集まったスタッフでお祝いをした。美術館オープン当初は30代だった彼も四十路(ネコマタ)まっしぐら。
<吾朗さんなだけに5号サイズのケーキ>
1.22(火)
・今日は毎年恒例健康診断の日。バリウム初心者は終わった途端ぐったりとしていたがそれを横目にベテランの宍戸さんは、朝から何も食べられなかったのでバナナとスコーンとマフィンとあんぱんを平らげていた。
・カフェでは休館日を利用して吾朗さんに「ものづくり」について話をしてもらった。以前にも同じテーマで話を聞く機会があったものの、初めて聞くスタッフも多く、皆真剣に聞いていた。また、話の中で「歩留まり」という言葉が出たのだが意味が分からない若いスタッフに人生の先輩である牧子さんはフォローを入れていた。さすが!
<話す方も真剣>
1.23(水)
・とうとう雪の女王が東京に!というように都心でも朝から雪が降った。アトリエでは昼ごはんもそこそこに安田さん、北嶋さん、大口さんのいつもの童心メンバーが雪だるまを作成。最初はゴンタくんだったのだがそのうちモヒカンの関取に...。作っている最中から雪が雨になり「何日もつことやら」と嘆く3人だった。
・井の頭公園はもちろんのこと、ジブリ美術館も久しぶりに一面真っ白に。子どもたちは大喜びで雪の感触を楽しんでいた様子。雪はスタッフにとってもワクワクするものだが、館内では雪対策に大忙し。床が滑りやすくなるため看板を用意したりテントを準備したり、スタッフ総出で対策を行った。幸い午後には小雨に変わり、お客様にゆったり雪の中の美術館を楽しんでいただけたと思う。
<愛嬌たっぷりの表情!>
<雪が積もったのは久しぶり>
1.24(木)
・美術館に真っ白な雪が降ったこの週、カフェでは暖かいデザートが再登場!冬の定番となった『ふんだんショコラ』は注文が入ってから焼き上げるチョコレートケーキで、真ん中はとろとろの状態。よいキャッチコピーはないかとスタッフに尋ねていると佐藤シェフがさらりと「あなたもとろけませんか?」の一言。周りにいたスタッフは顔を赤らめて笑ってしまったが、ぴったりなコピーが誕生した。
<さあ、あなたも......!?>
1.25(金)
・某女優さんの話に広報部と館長で盛り上がっていたところ、楽しそうに話す館長に対して机さんがうっかり「さすが館長、軽薄ですね!」とポロリ。本当は「ミーハーですね」と賞賛したかったとのこと。しかしその場にいた小林さんと田村さんは心の中で「その通り!」と思ったそうだ。
1.26(土)
・最近ショップ店内は外国のお客様で賑わう事が多い。気がつくと英語や広東語などが飛び交い、外国に来てしまったのではと感じるぐらい。しかし、百戦錬磨のショップスタッフはまったく動じずになかなか流暢な英語と巧みなジェスチャーで難なく対応している。「みんなすごいなぁ~」と感心している場合じゃない修行中のI君であった。
・嬉しいことに、地下1階の「動きはじめの部屋」で流している夕方からのBGMが新しくなったのをこの美術館日誌で知り、常連のお客様が早速聴きに来てくださった。今後とも何度来ても楽しめる工夫を凝らしていきたい。是非またいらしてくださいね。
1.27(日)
・最近『ゴールディロックス経済』という言葉を耳にした。これは景気が熱く(インフレ)もなく冷たく(デフレ)もない理想的な経済状態を意味するらしい。そもそもこのゴールディロックスとは「3びきのくま」のお話に登場する女の子の英語圏での名前。留守中のくまの家で熱くもなく冷たくもないものや、大きくもなく小さくもないものを選ぶ彼女の名前が経済用語の由来になったそうだ。そしてなんとゴールディロックスという経済用語からジブリ美術館で「3びきのくま展」が開催中であることを知り、わざわざ足を運んでくださった方までいらっしゃった。「3びきのくま展」は楽しんでいただけたでしょうか?
1.28(月)
・カフェの中庭を清掃していた小池さんが、落ち葉の下からちらりと見える緑を発見。中庭は植物が育ちにくい不毛の地なため、雑草が生えるなんて珍しいとよく見てみると、なんと麦が芽を出していた。以前装飾に使おうと持ち込んだ麦の穂が落ち、落ち葉のお布団を被ってすくすく伸びていたのだ。もう少し大きくなるまでそっとしておこうと、落ち葉の中に戻したのは言うまでもない。
<たくましい生命力>
1.29(火)
・ショップでは休館日を利用してレイアウトの一部を変更。「どこになにを置こうかな~」と試行錯誤していたが、「これだ!」とひとたび決まると、意外にもスムーズに作業が進み今回の変更は終了した。(かなり時間がかかってしまう事もあるらしい...)ちなみに、店内入り口右側のウィンドウディスプレイは今井さん、郎さん、草野さんの力作です。ご来館の際には、変化し続けているショップ店内をぜひ見回してみてください!
<テキパキと作業をすすめるスタッフ>
1.29(火)
・カフェで出している『みかんジュース』の仕込み作業を見学、体験するために静岡県函南町の工場へカフェのスタッフ数人が出かけた。洗浄したみかんの皮を一つ一つ丁寧に手でむいていくのだが、一日でむく量はなんと1.5トンにもなるそうだ。スタッフたちは最初は上手くいかずに苦戦したが、段々とみかんを取り合うほどペースが上がっていた。皮をむいたみかんは圧搾機で絞られ、瓶詰めされてラベルを貼り箱詰めされていく。機械は使うものの、全て手作業で作られておりその丁寧さに感動した一同であった。
<丁寧に手で皮をむく>
<皮むき体験中>
<これがジュースになります>
1.30(水)
・スタジオから美術館に出かけたところ、玉川上水の梅が三分咲きになっていた。小金井ではまだつぼみだというのに!美術館に春の訪れが近づいていると思うと嬉しくなる。
1.31(木)
・本日をもってショップスタッフの熊田さんが退職された。いつも真面目でテキパキ働き、キュートな声が特徴的な熊田さんはいつも皆の見本となって頑張ってくれていた。「短い間だったけどこの美術館、このショップで働けてすごくうれしかったです!すごく勉強になりました!」と笑顔で最後の挨拶をしてくれた。今後は、某美術大学を卒業後、様々な事に挑戦するとの事。本当におつかれさまでした!
・カフェスタッフの乾くんも本日をもって退職する運びとなった。乾くんはテイクアウトの中心メンバーとして約5年もの間、カフェを支えてきてくれた。この日はカフェだけにとどまらず色々な場所で呼び止められ挨拶に忙しそうだった。テイクアウトにも色々な人が声をかけに来ていて、皆「さびしくなるねぇ・・」と口をそろえていた。退職後は家業を継ぐということで、美術館スタッフ一同応援しています。本当に今まで長い間ありがとうございました。
2人とも、いつでも美術館に遊びに来てくださいね!
<戦友の丸山くんとの別れを惜しむ乾くん>