三鷹の森ジブリ美術館企画展示
クルミわり人形とネズミの王さま展 ~メルヘンのたからもの~


クルミわり人形とネズミの王さま展
©Studio Ghibli ©Museo d'Arte Ghibli

みなさんは、「クルミわり人形」の本当のお話を知っていますか?
作曲家チャイコフスキーの音楽によって誰もがおおよそ知っている「クルミわり人形」のお話は、200年ほど前にドイツの作家、エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンによって書かれた、『クルミわりとネズミの王さま』が原作です。幻想的で謎めいた記述にとんだこのお話は、"現実"と"幻想"が重なりあい、その境界が曖昧なままストーリーが進んでいきます。
宮崎監督は、『くるみわりにんぎょう』(徳間書店刊)という1冊の絵本に出会ったことをきっかけに、小さい女の子たちを惹きつけるこのお話の力に魅了され、絵本や原作を何度も読み返しました。そして、「これは"メルヘンのたからもの"だ」とひらめき、「クルミわり人形」の不思議な魅力を子どもたちに伝える展示を企画しました。

今回の展示では、宮崎監督がこのお話を、いろいろな角度から読み解き、自ら描き下ろした展示パネルで紹介します。さらに、展示室にはバレエの舞台を模した大きな造形物や、絵本『くるみわりにんぎょう』のイラストレーター、アリソン・ジェイさんの愛情にあふれた絵を配して、子どもたちを物語の世界に誘っています。お話のキーパーソン<クルミわり人形>そのものについても、そのルーツを紹介し、実際にクルミを割ってもらえるようにもする予定です。

作者ホフマンから、自由な想像力に恵まれた子どもたちへ届けられた「キラキラとした"たからもの"」のようなメルヘンの世界。宮崎監督が読み解くこのお話の不思議な魅力を、存分にご堪能ください。

展示期間: 2014年5月31日(土)~2015年5月17日(日)
主催:(公財)徳間記念アニメーション文化財団
協賛: 日清製粉グループ 
特別協力: スタジオジブリ