GIORNALE DEL MAMMA AIUTO!
ピューターメタル・シリーズ


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s20130501a.jpg6月になりすっかり初夏の陽気となりました。ショップ「マンマユート」でも新商品とともにレイアウトが変わり、いつものお店が何だか新鮮に映ります。

この時期、Tシャツコーナーも衣替えしているのですが、Tシャツを着せたディスプレイからその人間像を想像できるのが毎回密かな楽しみです。手拭いを巻いて休日に子どもとプールにいくお父さん風、帽子をかぶせて美術館デートのお洒落男子風...などなど。今回はどんな風に仕上がっているのでしょうか。ぜひ見にいらしてください。

美術館にお越しいただいた方の思い出を、何か特別なかたちにできたら...そんな気持ちからショップマンマユートの商品はできています。
今回からはじまる「GIORNARE DEL MAMMA AIUTO~マンマユート便り」では、オリジナル商品をつくっている職人さんの工房を覗いたり、ショップの"今"をお届けいたします。ふだんは見ることができないものづくりの裏側、どうぞお楽しみください。


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きらりと光る物作りの心
―――【ピューターメタル・シリーズ】

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▲ショップ「マンマユート」オリジナル〈ピューターメタルシリーズ〉

ショップ「マンマユート」に並ぶ数多いオリジナルグッズの中で、小さいながらも緻密な造形で、重厚な輝きを放つアイテムがあります。
ロボット兵やハウルの動く城、美術館名物の椅子や亀風呂など、ピューターメタルという合金でできたアイテムたち...。
ちょっと冷やっとした重さの中には作品の感動が封じ込められていて、手のひらにのせるとそれがじわりと伝わってくるかのようです。

そんなアイテムは、いったいどのようにして生まれるのでしょう?
わたしたちは、東京・谷中にある阿随金属工房さんを訪ねてみました。


ジブリ作品との出会い

工房の代表である阿随 秀昨さんは大学で絵画を専攻されていましたが、物作りの趣味を活かしてアクセサリーの原型制作の道に進みます。
そして12年前に縁あってジブリ美術館との出会いがあり、金属製のキャラクター商品開発に着手。
さらに7年前に独立され、ご自身の工房を設立されました。 阿随さんはもともとジブリ作品がお好きだったそうです。

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▲【阿随金属工房 代表 阿随秀昨(あずい しゅうさく)さん】

「商品化にあたっては扱う素材が金属ですので、動物などの柔らかなモチーフではなくロボットやメカが中心となりました」

「企画をお出しする際、最初にスケッチを起こし、時間をかけて作品の世界感やその意図を汲むよう努めます。何度でも、時間をかけて。合理的な制作方法とは真逆です。そして、かならず打ち合わせのために試作品を作っています」

作品のなかに入り込み、完成状態をイメージしながら立体物に落とし込むという、ジブリならでは、の取り組み方に阿随さんはどんどん引き込まれていったそうです。 

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▲[ハウルの動く城]のスケッチ。映画の中のさまざまなカットをつなぎあわせて城の形をまとめ、さらにそこに工夫を加えていく。


誠実さから生まれる創意工夫

では、阿随さんはどのようにジブリ作品を商品に仕上げていくのでしょうか?

「例えば[屋上 ロボット兵]の場合ですと、制作者の鯱丸邦生さんの造形に似せるよう努力しますが、まるっきり一緒にはなりません。縮小して商品のサイズになった際の見え方などを分析し、似せながらも胸の厚みを実物より厚くしたりしています」

また、このロボット兵は、光ファイバーで目が光るよう工夫されているのも特徴です。
それ以外の商品にも、どこかにギミックが付加されているんです。
例えば、[ロボット兵 カードスタンド]では腕の上げ下ろしで頭が回転、[ハウルの動く城 ジュエリーケース]では各部が分割されおり、引き出しもついていたり......。

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▲ロボット兵の目を光らせるための光ファイバーの先端は、自作した専用の工具で熱を加えレンズ状に成形されている。

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▲[ロボット兵 カードスタンド]。肩が上下に動くと、連動して首も回る仕掛けになっている。

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▲[ハウルの動く城 アクセサリーケース]。パーツが分割できて引き出しなども付いている。

「そういった構造を考えるのは楽しいですね。商品を相手に評価してもらうには少々のことでは見ていただけません。わっと思っていただくのは当然で、さらにそこにプラスαを加えないと...」

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▲[屋上 ロボット兵]の上半身と下半身を接続するビスは、肩から斜めにねじ込まれる。「真上からだとネジ穴だとバレてしまいます(笑)。機械の設計者だったらこんなことはやらないでしょう、効率が悪いですからね」  

しかし、一個だけ作品として作るのであれば、どんなに複雑な構造で部品が多くなってもかまいませんが、それを商品として量産するという制約があります。阿随さんは遊び心をこめつつも、商品を手にするお客様への目線を常に忘れず、元となる原型作りに取り組んでいるのです。   

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▲原型を制作するワックスと工具。

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▲ワックスで作られた原型は金属に置き換えられる。


鋳造から箱詰めまでをたったひとりで!

それではここから、実際の作業工程を見せていただくことにしましょう。

でも...工房の中にスタッフの姿がありません。そういえば私たちにお茶を淹れてくださったのも阿随さんご本人でした...なんと驚くことに阿随金属工房は、阿随さんおひとりで運営されているのです! 
そう、企画用スケッチから原型、ゴム型制作〜鋳造〜研磨、箱詰めから、出荷まで全てです。
いったいなぜおひとりでやることにこだわるのかをお尋ねすると「量が多いから雇ったひとが気の毒なんです」とにっこり。
でももちろん、それは本心ではありません。阿随さんの工房での製造工程は自己流の部分が多く、最後まで自分の目で確かめる必要があるからだそうです。

「お客様の手に渡る時が大事です。店頭にならんだ商品を確認したいという思いのほかに、手にされた方のお顔を拝見したくて、こっそり美術館のチケットを予約することさえあるんですよ(笑)。 例えば、ある商品を1000個製造しても、買う方にとっては大切な一つかもしれないですから......」 

【関連リンク】


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▲工房内。効率よく作業できるような配置になっている。  

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▲工房内の棚。原型や工具などが整然と並べられている。  


阿随さんの今後は...?

アイディアに満ちた商品企画、それを反映した原型、無駄のない製造工程など、ひとつひとつの商品には阿随さんの愛情がたっぷり込められています。

7年前の独立時には、お一人で試行錯誤を繰り返しながら、今でも一点一点の仕上げまで、丁寧な仕事を続けてらっしゃいます。

では、これからの製品作りに対して、阿随さんはどのようにお考えなのでしょう?

「まだアイディアはありませんが、誰もやったことのないものをやりたいですね。ものを作るのが好きですから。(笑)」

精緻な金属製品でありながら温もりすら感じさせるピューターメタルシリーズ。
みなさんもぜひ、ショップ「マンマユート」でその感触をお確かめください。





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ショップ・マンマユートの店内には、自分の目で見て触って発見できる商品がたくさんあります。引き出しを開けたり背伸びをしたり...。思いがけず自分だけの小さな宝物が見つかるかもしれません。
ここではそんな宝物の中から、おすすめの商品をご紹介します。

今回クローズアップするのは、新しい企画展示『ジブリの森のレンズ展』にちなんだ3点です。

ステレオスコープ(立体写真カード5枚付き) … 2,400円(税別)

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わずかに違いのある2枚の写真カード。これをレンズ越しにのぞくと、写真が立体に浮かび上がって見えます。
中央ホール、展示室...じっと見ていると、まるで記憶のなかの美術館を探検しているような気分になります。
美術館で過ごしたひとときをずっと大事に持って帰ってもらえたら、そんな思いが込められています。


土星座フィルムビューワー … 1,200円(税別)

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電車のかたちは映画館「土星座」の映写室をモチーフにしたもの。
受付でもらえるフィルム切符やフィルムブックマーカーを差し込むと、小さな窓に映画のワンシーンが浮かびあがります。
光があればいつでもどこでも楽しめる小さなフィルムビューワー。
あの映画の細かいところまで、自分のものになったようでわくわくしてきます。鞄につけられるフック付。


フィルムブックマーカー(3枚一組) … 540円(税別)

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実際に映画館で上映された、本物のフィルムを使ったブックマーカーです。
一枚のブックマーカーは、連続する6コマのフィルムでできています。光に透かしてよくみると少しずつ絵が動いているのがわかります。
どのシーンが入っているかは開けてからのお楽しみ。劇中では一秒にも満たない瞬間をひとコマずつじっくり見てみてください。

※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。