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作品解説

小さく、か弱き者にもそれなりの意地がある。

ホピティ 都会の真ん中に、虫たちが暮らす草むらがあった。しかし囲いが壊れたことで人間が侵入し、虫たちは危険にさらされ、日々の生活に安穏としてはいられなくなっていた。そんなある日、恋人ハニーの元に長旅を終えて帰ってきたバッタのホピティは、草むらの惨状を知り、安全な土地への引越しを提案。かくして、人間の足元で、小さな虫たちの苦難の引越しが始まった――。

 本作はミュージカル・コメディと銘打たれ、音楽が随所に効果的に使われている。ジャズ・スタンダード曲「スターダスト」のホーギー・カーマイケル、「星に願いを」のリー・ハーラインらの書き下ろしによる魅惑的な挿入曲の数々は、物語を引き立てるだけでなく、後半のストーリー展開においても大きな役割を担っている。

 なお、この作品は、1941年暮れ、真珠湾攻撃の直後にアメリカで公開された。混乱のさなか興行はふるうことなく、兄弟はスタジオを去り、事実上の閉鎖となるが、悲運の名作アニメーションとして、今日でも根強いファンがいる。