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『ベティ・ブープ』『ポパイ』
『スーパーマン』を作ったフライシャー兄弟
1930年代から40年代にかけて、アメリカのアニメーションは黄金期を迎える。ファンタジーの傑作を次々と世に送り出したディズニーがその中心にあったが、フライシャー・スタジオは、人の動きを写し取る「ロトスコープ」というアニメーションの手法でディズニーに先んじ、ミュージッククリップの原型ともいえる短編映画や、教育アニメーションを制作して発展を続けていた。
他のアニメーション会社がディズニーに追従する中、フライシャー・スタジオはディズニー作品とは違った、都会的で大衆的な独自の作風を確立する。こうして生まれた「ベティ・ブープ」や「ポパイ」は、世界中で未だに人気のキャラクターだ。『バッタ君 町に行く』にもこうした要素は反映され、おとぎ話ではない現代的でロマンチックなストーリーの創造に成功している。その意味では、ハリウッドの実写作品にも通じる普遍性を持ち合わせていると言っても過言ではないだろう。また、1940年代には『スーパーマン』シリーズを制作し大ヒット、1941年度のアカデミー賞短編アニメーション部門にもノミネートされた。