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【アニメーション業界の方からのコメント】Vol.2
アニメーション業界の方々からの、「バッタ君 町に行く」の応援コメント、続いては、
庵野秀明さん、細田守さん、神山健治さん、磯光雄さん、西尾鉄也さんです!
工事現場のシーンが一番好きです。虫はアニメーション的な大げさな動きで描かれ、人間はロトスコープを使って描かれることで、世界がちゃんと分かれていることがわかる。そしてよりリアルに見えるはずの人間が、なぜか感情を感じられない冷たい存在になっている。この作品は、ロトスコープの持っている方向性をうまく組み込んでいると思います。アニメを作る人はちゃんと見たほうがいい。ただ、これを見てわくわくする人じゃないとアニメーターには向かないんじゃないかな。
アニメーション監督 庵野秀明 『ふしぎの海のナディア』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』
デートのシーンが好きです。優雅に腕を組んで歩く、細い石畳の隙間。移り変わる信号は、恋人たちを彩るナイトクラブの照明へ。二人が歩く水辺に見えたそれは、叢に打ち捨てられた手鏡。人間にとってたわいないものが、虫たちにとって逢瀬のささやかな舞台となるところに、世界の豊かさを感じずにはいられません。
アニメーション監督 細田守 『時をかける少女』『サマー・ウォーズ』
人間の勝手な行動に大迷惑の虫君たちは、安全な生活を取り戻そうと、主人公のバッタ君と共に、必死に策を講じる。でもなぜか、他人(人間)任せ。おまけに仲間同士の足の引き合いも始まって……、
手描きの動画が醸し出すエネルギーとは裏腹に、今から70年近くも前に作られた作品が、何となく今の我々に似ていて、ニヤリ、とさせられました。
アニメーション監督 神山健治
『攻殻機動隊S.A.C.』『東のエデン』
十数年前、南阿佐ヶ谷の電気屋で500円で投売りされていたβ版ビデオソフトを買って何度も見返した。虫たちの小さな世界。人間の足元で繰り広げられる非日常の日常。これだけでもワクワクするのに、ラストのスペクタクルに息を呑む。巨大なもの、重いもの、メカニックを描かせたら間違いなく当時フライシャーが最高峰だった。ラストのビル建設シーンの迫力は今見返してもただ事ではない。フライシャーの映画はまさにメカニック作画のオーパーツだ。
アニメーション脚本・監督 磯光雄
『キル・ビル』(作画)『電脳コイル』
アニメーターという職業をやっていると、先輩・同輩から、「これだけは観ておけ!」と言われるクラシックが何作もあります。
初期ディズニー、初期東映動画長編、政岡憲三、etc...etc...。
フライシャー兄弟の作品も、そのひとつです。
シンプルかつスタイリッシュな描線の選択を、いつもマネしたいと目論んでたりしますが、あの高みにはまだまだ到達出来ません。アニメーター 西尾鉄也 『イノセンス』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』