2002年01月
01月03日(木)
2002年最初の開館日。今年もよろしくお願いいたします。
南西門のトトロの看板には「謹賀新年」という文字が入り、トトロのニセ受付の前にはお餅が置かれ、美術館内にもお正月の雰囲気が漂う。また、映像展示室の映画も新しく「コロの大さんぽ」が始まった。
01月04日(金)
長い間ウィンドウズ95を使っていた橋田さんのパソコンに、佐々木さんがウィンドウズXPをインストールする。そのあと、よっぽど橋田さんが頼りないと思ったのか、佐々木さんは「いろいろ教えてあげてね」と田村さんに頼んでいた。
01月05日(土)
井上直久さんが、ホールの壁画の続きを描くために来館する。お話し好きの井上さんは、今日は美術系の学校に進学希望をしている学生さんに進路相談をされたらしい。
01月07日(月)
北嶋さんが急いで階段を駆け下りたとき、突然下から現れた人に「わっ!」と驚かされる。北嶋さんは心底びっくりしたらしいが、実は女性のお客さまが連れの旦那さまとお子さんを驚かすために隠れて待っていたのだそうだ。お客さまに何度も謝られた北嶋さんは、落ち着いた後は「おもしろかった」と楽しそうだった。
01月08日(火)
休館日を利用して、事務所の大幅な床清掃が行なわれる。
井上直久さんの1月の作業は今日が最終日。壁に描いている絵はかなりできてきたが、まだ作業は必要で、4月に再び美術館に来て描いてくださるそうだ。
01月10日(木)
学芸員の石光さんが、絵本の「のはらひめ」を熱心に読んでいた。この本には世界中のお姫さまのドレスが描かれていて、石光さんの乙女心をくすぐるらしい。
居合わせた大口さんはオリエンタルなドレスを、佐々木さんはピンクのフリルのついた王道のドレスを選んだ。当の石光さんは中世の貴族風のドレスが気に入ったらしい。
01月12日(土)
美術館入口、通称「ケーキハウス」のユニフォームは、冬は赤いニットを着用していてかわいらしい。最近橋田さんや深谷さんが仕事の合間によくここに立ち寄るらしい。
01月13日(日)
閉館後、スタッフにおしるこが配られる。小豆は前日お休みだった吾朗さんが一日かけて煮込み、餅は北嶋さんが美術館各所に飾られていた鏡もちを倉庫で今日一日かけて割ってくれたものだ。みんな「おいしい。おいしい。」と言って食べていたが、一番おしるこを楽しみにしていた大口さんはお休みだった。
01月15日(火)
運営の新人スタッフの研修日。参加者は男性2名に女性が10名。午前中は吾朗さんが休憩室でレクチャーを行ない、午後は館内を案内。夕方は深谷さんのレクチャーで、オーバーに手を振り回していた4ヶ月前の研修と比べて、ずいぶん落ち着いた様子で話をしていた。
01月17日(木)
新人スタッフが美術館内での研修に入る。初めてながらも明るい笑顔でお客さまに接していたと、ネコバスエリアのリーダーの菅野さんは嬉しそうだった。
滝口さんと石光さんの会話。滝「私の夢は、屋上からロープにぶらさがって外の窓を拭くことだな」石「……変わってるって言われない?」滝「え、別に」
01月18日(金)
運営スタッフのポジションは全部で20ヶ所以上。人手が足りないポジションには担当でなくてもヘルプに駆けつけることが多い。今日はケーキハウスも外エリアも展示室も人数が少なかったが、大きな混乱も無く無事閉館。しかし田代さんによると「釜じいの手も借りたいほど」だったそうだ。
01月19日(土)
カフェデッキにある花への水遣りは、自然と大城さんと黒瀬さんが担当している。この日は冬に起こりやすい「根腐れ」について、中村さんが黒瀬さんからレクチャーを受けたそうで、ベテラン黒瀬さんの説明に感心していた。
01月21日(月)
橋田さんと田村さんが、具合が悪くなり倒れる。健康診断を前日に控えているにもかかわらず広報の二人が相次いで倒れ、一人残された机さんは不安になっていた。
雷が鳴り、雨が降り、さらには強風が吹き荒れてケーキハウス前のテントが飛ばされそうになる。小柄な秋田さんがテントにつかまって何とかしのいだものの、大口さんはテントの屋根にたまった水をまともに浴びて、ビショ濡れになっていた。
01月22日(火)
美術館に新しく○○○ホーク○という部屋が出来るため、ショップの本が移動され始める。ショップ内の本があった棚に余裕が出来て、宍戸さんや塩島さんは「レイアウトを考え直さなきゃね」といろいろと思案していた。
01月24日(木)
橋田さんと堀口さんと宍戸さんが美術館に出るゴミの測定を行なう。ゴミの分別は以前から行なわれていたが、規則を厳しくし、スタッフは不燃物を持ち込んだらきちんと持ち帰るようにしたため、大幅にゴミの量が減ったらしい。堀口さんは「カフェもどんどん減らすように頑張りますよ!」と張り切っていた。
01月25日(金)
○○○ホーク○のオープン準備のため、朝早くから室長の石光さんをはじめ、大口さんや深谷さんが部屋にこもりっきりでブッカーがけ (本が傷まないようにブックカバーのようなものをかける)。BGMもない中で長時間黙々と作業していたためか、途中で本の朗読をしながらの作業になった。夜食に鍋焼きうどんを食べながらお互いを励ましあい、作業は深夜3時ごろまで延々と続けられた。
01月26日(土)
屋上に敷くための木チップを見に、北嶋さんが西部公園緑地事務所へ行く。
図録の制作に連日追われている安西さんは、ジブリ出版部の田居さんとデザイン事務所へ行き、長い打ち合わせに臨んだ。
01月28日(月)
美術館の各部署代表ミーティングが行なわれる。展示、運営、広報、ショップ、カフェなど各部署からさまざまな報告がある。出席していた鈴木プロデューサーは、みんなの発言をイラストも交えながらメモしていたらしい。
01月29日(火)
美術館スタッフのためのスタジオジブリ見学会が行なわれる。現在いくつかの作品を制作中のスタジオを、広報の西岡さんと鵜飼さんが案内をしてくれた。めったに見ることの出来ない制作の現場を目のあたりにし、熱心にメモをとっている人たちも多くいた。第1スタジオの屋上庭園の設計を吾朗さんが手がけたと紹介されると、どよめきが上がっていた。
01月30日(水)
2階事務所に配達に来たお弁当屋さんが「あっ!」と大声を上げる。驚く一同。
「どうしたんですか?」と尋ねると、深谷さんを指差し「このあいだテレビに出ていた人ですね!」とまた叫ぶ。思いがけず本人を見て感動したのだそうだ。当の深谷さんは相当照れ臭かったらしく、指先から耳まで真っ赤にして無言でうつむいていた。