2002年04月


04月01日(月)
本日より「くじらとり」の上映が再び始まる。同時に、聴覚に障害を持つ方のための日本語字幕上映も開始される。字幕制作を担当した田村さんは「映画の伝えたいイメージがたくさんあるのに、文字数の制限などがあるので葛藤しながら作った」とのこと。


04月02日(火)
「千と千尋の神隠し展」のメンテナンスが行われる。パネルの絵が剥がれかかっているのを直したり、展示ケース内の埃を取ったりの作業だ。三好さんのベタなギャグをもろともせず、滝口さんは展示ケース内の埃を取り続け、横井さんはパネルの清掃作業の手を休めなかったそうだ。


04月03日(水)
石原都知事が視察のため、美術館を訪れる。わずか30分という短い滞在で、次の視察地の神代植物公園へと移動した。春休みのため子どものお客さまが多く、知事はたくさんの子どもに握手を求められ、明るく応えていた。


04月04日(木)
関西のとある雑誌の取材で、2人の中学生記者が美術館にやってくる。学芸員の三好さんが館内を丁寧に案内し、アニメーションの作り方など詳しく説明していた。撮影に立ち会った机さんは「やさしいお兄さんという感じでしたよ」とその案内ぶりを評していた。


04月05日(金)
休憩中にバックヤードのベランダに出たショップの宍戸さんは、美術館のすぐそばの公園に、「マンマユート」の袋を持ったおじいさんとお孫さんを見かけた。
その一家は腰を下ろして袋を開け、中から猫びんあめを取り出して、楽しそうに食べていた。それを見て思わず涙がこぼれそうになった宍戸さんは「猫びんあめの在庫を切らせてはいけないな」と使命に燃えたそうだ。


04月06日(土)
中村さんがサンクンテラスの萬年亀甲浴を清掃していると、子どものお客さまが近づいてきて、ふしぎ玉をすくって遊びはじめた。その一方で別の子どものお客さまは「また来れますように…」と祈っていたそうだ。


04月08日(月)
ケーキハウスの階段下にいたトトロが、今日は映像展示室内に一日中いることになった。前は別の場所だったことを知っているリピーターのお客さまは、「このトトロは移動するんですか?」と驚いた様子でスタッフに問い詰めていた。


04月09日(火)
ある雑誌の取材で映像展示室が特集されるため、北嶋さんがインタビューを受ける。美術館の建築担当として関わった、映像展示室でこだわったことを熱く語っていた。
その後、写真撮影をしているところを通りかかった西方さんに「お、北嶋が撮影されてるよ」とひやかされると、「悪いかよ!」と勇ましく答えていた。


04月10日(水)
4月を迎え、井の頭公園の緑も美しくなり、パティオの花々やテラスのみかんの葉なども青々としてきた。そんな陽気に誘われて、深谷さんは嬉しそうに美術館の緑の中でカブトムシの幼虫と遊んでいた。


04月11日(木)
井上直久さんが来館。断続的に制作されていた中央ホールの壁画「上昇気流」もいよいよ仕上げに入ることになる。来週月曜日に完成予定だ。さて、井上さんからガムやクッキーなど差し入れをたくさんいただいた。とてもありがたいのだが、食い意地の張ったスタッフは、いつものようにあっという間に食べてしまうだろう。


04月12日(金)
トライホークスで販売しているセル画の売れ行きが気になるということで、絵柄と販売数が一目で分かるグラフを三好さんが作り、石光さんからの報告に一喜一憂している。やはり絵柄によって人気に差があるのだが、目線が重要だとか、ポーズで決まるとか、勝手な「ヒットの法則」がスタッフの間で飛び交っている。


04月13日(土)
外エリアの日焼け防止のために、北嶋さんが麦わらぼうしのサンプルをいくつか買ってきた。早速試した杉山さんが「これ、大きくてブカブカです」というのを、髪の毛のスタイリングをいつもしっかり決める石井君は「小さいですよ」と反論。それを見ていたスタッフは「髪型変えない限り、石井君にあれは被れないよね」とささやいていた。

映像展示室にいたトトロが今度はホワイエに移動する。


04月15日(月)
井上直久さんの壁画がついに完成。12月からほぼ毎月のように東京に来ていただき、少しずつ描き進めた作品だ。作業の最後には、絵の一部として描いた「額」の上に彫刻風のサイン。この額にはテントウ虫も描かれているほか、ちょっとしたからくりもある。井上さんは、「くぐりくぐり」を指して「今度はあの壁に描きたい」と早くも次の作品のことを話していたそうだ。


04月16日(火)
休館日にはいつも石光さんがトライホークスで花を飾る。開館日にはなかなか外に出られないため、毎週火曜の休館日に、三鷹駅にある花屋さんでお花を選んで買ってくるのが習慣となっている。前回は青い花を飾ったので、この日はピンクのかわいらしい花を選び、時間をかけて生けていた。


04月17日(水)
外回りスタッフの石井くんが髪の毛を切って来る。この間被れなかった夏対策用の帽子を被るためか、などと一部のスタッフで噂されている。


04月18日(木)
早くも今年の忘年会にむけてか、深谷さんが最近お手玉3個を同時に投げる練習をしている。3日間練習してやっと出来るようになったそうだ。傘の上で玉回しが出来る西方さんはお手玉も得意で、余裕でやってみせていた。平山さんも「実は私も」と照れながら平山流お手玉を披露してくれた。


04月19日(金)
美術館のイベント打合わせが行なわれる。3月に行なわれたイベントの反省点や、今後の企画案などが話し合われる。運営、展示、広報、ジブリの各部署からさまざまなアイディアが持ち込まれた。三好さんが担当の次回イベントをはじめ、いくつかが動き出すことになり、予定の2時間をオーバーして会議が終了した。


04月20日(土)
朝、北嶋さんがサンクンテラスの萬年亀甲浴に10匹のメダカを放つ。前回の反省を元に、釜の中に別の鉢を入れ、釜の水とは別の水の中でメダカを飼うことにした。「大きくなってね」と祈る北嶋さん。さらに雨が降って水が溢れると困るので、次の日の天気を気にしていた。


04月22日(月)
カフェのバックヤードで、どんぐりから新芽が出ているのを発見した吾朗さんが、大口さんに報告しに来た。吾朗さんは、今よりもさらに深く緑に囲まれた美術館を想像し、嬉しそうに語っていたそうだ。


04月23日(火)
ネコバスのメンテナンスが本日で一段落。何度も何度も補修作業に訪れていた担当の業者さんは、いつもより晴れ晴れとした表情を見せて美術館を去っていった。

地下1階展示室のフィルムぐるぐるのフィルムを新しいものと交換する。


04月24日(水)
カフェやショップに新しいスタッフが入ったため、新人研修が行なわれる。
吾朗さんによる美術館のコンセプトが説明され、カフェ店長の堀口さんやシェフの佐藤さんも参加した。


04月25日(木)
田村さんがジブリへ荷物を取りに行くため、久しぶりに車を運転する。
自称「新潟一のドライバー」とのことだが、この日は大城さんを助手席に乗せていたため、かなり緊張して運転に挑んだらしい。
幸い、無事に帰ってくることができた。


04月26日(金)
海外メディアからの取材依頼が増えてきているなか、机さんが初めてイタリアの雑誌の取材に立ち会う。館内にイタリア語で書かれたものがあちこちにあるためか、記者からイタリア語やイタリアの食事や土地に関して逆質問をされたりして、少し戸惑っているようだった。
しかし、取材終了後は周りに「新鮮でしたよ」と、余裕のコメントをしていた。


04月28日(日)
本日からカフェのデッキでラムネの販売を開始。スタッフ・リーダーの小池さんと新人・赤坂さんは、小池さんセレクトのむぎわら帽子をかぶり、かわいい売り子さんになっていた。しかし、ラムネを買いに来た小さな男の子に「おばちゃん、ありがとう」と言われ、人生初めての経験! とショックを受けていた。


04月30日(火)
本日は火曜日だが、GW期間中につき開館。

昨年末のジブリと美術館合同忘年会で「三味線」が当たったカフェの天内くんと関連業者の小原さんが、「三味線決起会」に出席する。その場でジブリの渡辺さんから「三味線」が授与され、今年の忘年会で演奏するよう任命される。津軽出身の天内くんは「まかせてください!」とかなり気合いの入った返事をしていた。