2002年10月


10月01日(火)
本日は、近隣市民を美術館に招待する「近隣市民デー」としてオープン。近隣市の広報紙などが取材に入り、美術館広報は対応に追われていた。無線のイヤホンの数が足りないため、田村さんと机さんはヘッドセットを着用。その姿を見た橋田さんは、田村さんに「オペーレーターのようだね」と言い、机さんには「テレビ局のADみたいだね」と正直な感想を述べていた。

戦後最大級の台風が関東に接近、ということで、4時以降は館内連絡を取り合い、土嚢などを用意して台風に備えた。スタッフも早めに美術館から帰宅した。


10月02日(水)
台風が無事に過ぎ去り、美術館では特に大きな影響は見られなかった。そしてまさに台風一過と言うべき天気で、風の少ない気持ちの良い日であった。


10月03日(木)
本日は団体のお客さまが多かったためか、ショップがかなり賑わっていた。特に「めいとこねこバス」のサントラの売れ行きが好調のようだ。


10月04日(金)
「天空の城ラピュタと空想科学の機械達展」のプレスシートを作成中の田村さんは、ページ構成をあれこれと考え中。煮詰まったのか、頭をゴツゴツ叩きながら「ガンバレガンバレ田村」と独りごちながら、作業を進めている。

最近、館内の落し物にどんぐりが多い。


10月07日(月)
映像展示室で上映されている「めいとこねこバス」の影響か、ネコバスルームのスタッフは、いろいろとおもしろいコメントを子どもたちからもらっている。
「このネコはおばあちゃんより小さいよ」とか「お父さんネコかな?」などなど。

都内では運動会の振替日という学校が多かったようで、子どもの割合が高い一日だった。


10月08日(火)
吾朗さんと塩島さんがショップ内のディスプレイを増やす。レジの後ろや壁がまた賑やかになった。


10月09日(水)
ケーキハウスの入口にあるみかんの木に、スタッフがいたずら心で目を描いた。
訪れるお客さまは不思議がり、外エリアのスタッフに質問する人が結構いるそうだ。

宮崎館主が突然来場。企画展示室のパネルにキャプションを貼ろうと、急いで書いて来たそうだ。あいかわらず「夏休みの宿題がまだ残っているようだ」と呟きながらも、せっせと貼っていた。


10月10日(木)
田坂さんが髪の毛を切ろうと計画中。どんな髪型が良いかと北嶋さんは田坂さんの写真をコピーして、手描きで髪型案を描き込んだ。北嶋さん風、宍戸さん風、石光さん風などいろいろと考えたが、田坂さんは「ムッシュかまやつ風」が気に入ったらしい。


10月11日(金)
いよいよ明日はツール・ド・信州。160キロを自転車で走るという過酷なレースに美術館スタッフからは石迫さんが参加する。石迫さんは数週間前に、お昼を一緒に食べているメンバーへ「しばらく皆さんといっしょに昼食に行けません」というメールを送って以来、血液をサラサラにするため、定食屋さんに通って青魚中心の食事を毎日取ってたようだ。

準備万端の石迫さんに、佐々木さんが「何位を狙うんですか?」と聞いたところ、「順位は関係ありません。自分との闘いです。自己ベストを狙います」と緊張を含んだ声で答えたそうだ。


10月12日(土)
本日から江戸東京たてもの園にて「千と千尋の神隠し展」が開催される。9月まで美術館にあった展示物全てをたてもの園に移したものだ。それに関連して今日、明日と「千と千尋の神隠し」の野外上映が行なわれる。担当の滝口さんは設営から現場の立会い。足場が組まれ、スクリーンが張られ、映写機が運び込まれるのを見ながらわくわくしたそうだ。上映は季節柄少し寒かったそうが、夕暮れどきにカラスが飛んだりもして、のどかなムードでもあったとのこと。

一方、ツール・ド・信州に出場した石迫さんは、見事自己ベストを10分更新するタイムで完走した。


10月14日(月)
図書閲覧室「トライホークス」では一部販売もしているのだが、すでに絶版となった本は、閲覧のみとなっている。その中のある本について、お客さまから「図書館で探して読みます」と言われた土屋さんは、お客さまと本との出会いが生まれたことがとても嬉しかったそうだ。


10月15日(火)
映像展示室などでいつもお世話になっているIMAGICAの見学に、橋田さん、大口さん、深谷さん、三好さん、滝口さんが行く。特に橋田さんが、そこで働く方々のプロフェッショナルぶりに感動した様子で帰ってきた。


10月16日(水)
ツール・ド・信州で完走を果たした石迫さんが、あまりに楽しそうなので、西方さんは来年のツールへの参加を決意したようだ。宮崎館主にその決意表明をしたところ、「10万以上のいい自転車を買えばあとへ退けなくなる。まず自転車通勤してみることから始めるといいよ」とアドバイス。しかしその後「もし一年後に出なかったら、西方は口だけの男だ、と一生言いふらすからね」としっかり釘をさしていた。その後館主は西方さんの自宅から事務所までの距離を測り、「 16kmだよ」とわざわざ知らせにきてくれたそうだ。


10月17日(木)
企画展にて展示している羽ばたき機「アルシオーネ」を熱心に、しかも嬉しそうに見ていく男性のお客さまが多い。展示室担当スタッフの坂下さんは、そんなお客さまの質問や感想に、毎日楽しく応えているそうだ。


10月18日(金)
本日からショップで6本足の「こねこバス」のぬいぐるみを販売。北川さんによると、口の丸みがネコっぽくてかわいらしいとのこと。「めいとこねこバス」が上映中なので、閉館までに全て売切れてしまった。


10月21日(月)
今日は雨が降って冷える一日。それを慮ってか、閉館近くに吾朗さんが豚汁を作って美術館に持ってきた。体の冷えたスタッフにとって嬉しい差し入れとなった。

ある保育園のお弁当の場所づくりを手伝った佐藤さん。白髪にメガネをかけた貫禄のある風貌が、子ども達に大受けだったようで、「おじさんは博士なの?」と聞かれ「そうだよ」と調子よく答えていた。その後、館内に入った子どもたちは、2階から中央ホールにいる佐藤さんを見つけて、「博士ー!」と大きな声で呼んでいた。


10月22日(火)
スタッフの更衣室に散乱する靴などを整理するため、大口さんと田坂さんが棚を購入。槙原くんの協力を得て、半日かけて棚を組み立て、ロッカーの上に備え付けた。おかげで前よりも更衣室がすっきりとした感じになった。


10月23日(水)
本日よりテイクアウトで新メニューが販売される。「食べるやさいスープ」と「マンマのチョコシフォン1/12」の二つ。両方とも家庭的な味わいが魅力だ。


10月24日(木)
トライホークスの大掃除のため、石光さんと土屋さんと横井さんが夜遅くまで作業。棚から本を全て取り出して拭き掃除をしたり、セル画の額にたまったホコリを取ったりと、やることはたくさん。掃除後、石光さんは「きれいになるとやっぱり気持ち良いね」と言っていたが、「次は石光さんの机の上もきれいにしたほうが…」と囁かれている。


10月25日(金)
「めいとこねこバス」のエンディングが流れたとき、ある保育園の子ども達が「となりのトトロ」の歌を「だれかが~♪」と歌いだしてちょっとした合唱となり、映像展示室が賑やかな雰囲気になった。

閉館後にネコバスのメンテナンスが行なわれる。


10月28日(月)
染谷さんの実家から、枝豆の差し入れが届く。あまりのおいしさに、深谷さんは立ちっぱなしでもぐもぐと食べつづけていた。机さんから「食べすぎだよ」と突っ込まれた深谷さんは、意に介せず「閉館後にビールと一緒に食べたい」と本音を洩らしていた。

北嶋さんがサンクンテラスにあったミカンの木から実を10個ほど収穫。スタッフみんなでわけて食べた。ケーキハウス前や2階テラスにもミカンの木があるが、「どこのミカンが一番おいしいのか」が、スタッフの間では話題になっている。
今日とれたミカンは、去年よりもおいしかったそうだ。食欲の秋。


10月29日(火)
大口さんが収蔵庫にあった「トリウマに乗るナウシカ」をギャラリーへ移動しようとするが、予想以上の重さにふらふら。そこへ槙原くんが通りかかり、選手交代となる。しかし槙原くんでもやはり重かったためうまく運べず、トリウマのお尻を顔で支えつつ移動した。はたから見ると、槙原くんがトリウマのお尻に顔をうずめているようだったそうだ。

30代まであと一歩という誕生日を迎えた石光・机・松尾・田村の4人組が、勤務後、都内某高級ホテルに食事へ向かう。石光さんは具合が悪いにもかかわらず、「おいしいおいしい」と食べていた。こんな石光さんは、ダイエット計画をいつ実行することができるのか…?


10月30日(水)
澤登さんが外国からきたお客さまに青い上っ張りを褒めちぎられ、「ぜひ購入したい!」とねだられた。売り物ではないことを必死でお伝えすると、「ここで働かないとダメなんだね…」と残念そうに帰っていったそうだ。


10月31日(木)
国際映画祭が開催されているためか、Pixarの方など、アメリカの映画関係者が多く来場する。そんな中、ある会社の社長さんが、「スタッフの対応がとても気持ちいい」と嬉しい感想を言ってくださった。