2004年03月
03月01日(月)
朝から雨が降り、昼ごろには雪に変わるという寒い一日だった。そんな中、屋上庭園の奥では、男性のお客さまが、周りに他のお客さまがいなくなるのを見計らって一緒にいた女性に指輪のようなものを渡していた。女性は突然のプレゼントに感激したようで、寒さを忘れるような素敵な光景だった。
カフェで新メニュー「麦わらぼうしのオムライス」が始まる。
03月02日(火)
吾朗さんと草野さんが、5月から始まる新企画展示のポストカードについて話し合う、という予定が変更になり、吾朗さんが草野さんに展示の説明をすることになった。マンツーマンでレクチャーを受けた草野さんは、展示で特集するアニメーションスタジオの新しい魅力を吾朗さんに教えてもらったそうで、「楽しみだ」とのこと。
03月03日(水)
土星座にて、ノルシュテインさんの「キツネとウサギ」の上映が始まる。若い女性の多かった回は特に大好評で、上映終了後には拍手が起きていた。ウサギがニンジンを食べるしぐさでは、あまりにもその感じが出ているせいか、大笑いも起こっていた。
03月04日(木)
10時の回に、就学前の子どもたちおよそ100人が来場。館内を自由に駆け回り、とても楽しそうだ。何でも知りたがる子が多いらしく、たくさんの質問を受けた竹林さんは大変だったようだ。「ラピュタ展」のアルシオーネが彼らの一番人気だったそうだ。
今日も寒い一日だった。午後から雲行きも怪しくなり、2時過ぎには大粒の雨に。一方、田代さんは隣の西園の桜に新芽が出ているのを発見した。
03月05日(金)
風の強い日だった。外エリアでは日干しをしていたテントを二つしまい、残りのテントには重りをつけて吹き飛ばされないようにした。また、こういう日は館内の窓を閉めてしまいたいのだが、そのままだと空気が篭ってしまうため、開けたり閉めたりで空気の状態をこまめに調整した。
03月06日(土)
先月募集した新スタッフ採用のための面接が事務所の会議室で行われた。面接を受けに来た方たちは皆緊張の面持ちなのだが、ある人の面接で滝口さんの高らかな笑い声が響き、順番待ちでそれを聞いていた人からは「楽しそうな面接だと思った」と感想が出ていた。
03月08日(月)
美術館出版物の改訂版の打ち合わせのため、机さんが表参道のデザインスタジオへ。
日本語と英語を併記した本になるため、デザイナーさんも担当編集者もレイアウトをどうしたらよいものかと頭を痛めている。
03月09日(火)
宍戸さんが、ふらりと入った国分寺にある雰囲気のいいお店で、ずっと探していたエ ○リア○のフィギュアを発見。5月から始まる企画展示で、あることに使用するためのものだが、マニアックな店を何軒も回ったり、インターネットで探しても見つからなかったそうだ。よほどうれしかったのか、早速、机の上に立てて、訪れた人を驚かせていた。
03月10日(水)
美術館閉館後の夜、スタッフがアトリエに集まり、新企画展示の説明会が行われた。
吾朗さんが、展示室の図面や展示予定の絵のサンプルを見せながら、およそ2時間かけて説明。展示の全貌が明かされ、楽しそうな内容に、スタッフ内の期待が高まった。
03月11日(木)
ロシア国立映画博物館館長のナウム・クレイマンさんが来場。クレイマンさんは、友人であるノルシュテインさんに強く勧められて来たそうだ。ノルシュテイン展はもちろん、館内全体の様子をくまなく見てくださり、子どもたちが楽しんでいる様子に目を細めていた。吾朗さんとも会談し、今後お互い協力して、ぜひいろいろなことを実現させましょう、と話していた。
03月12日(金)
年度末が近づき、美術館を運営する財団の年間事業報告書の作成が本格化している。
三好さんは調査研究事業の一環として「日本のアニメーション・スタジオ史」の第2 回報告書を執筆中だが、昨年同様「もっと前からちゃんとやってれば…」とぼやきながらの作業になっているそうだ。
03月13日(土)
深谷さんは、3月28日に三鷹市産業プラザで行われる「三鷹の森アニメフェスタ」の責任者として、さまざまな書類作成に追われていた。ちなみに当日上映される57年前の傑作アニメーション『すて猫トラちゃん』の主人公、トラちゃんが、滝口さんに似ていると話題になっている。
03月15日(月)
ネコバスルームにて、3歳くらいの女の子がネコバスの屋根に登れずにいると、4歳くらいの女の子が「みんなー!登れないから手伝ってくださーい」と周りの子どもたちに助けを求め、登れるように協力していた。とても微笑ましい光景だった。
03月16日(火)
新企画展示のために、宍戸さんと安西さんが横浜へ買出しに向かった。資料写真をもとに、ディスプレイ用の小物をこれまでも断続的にあちこちで買っていたものだが、今日を最終にするべく臨んだそうだ。予想通り丸一日かかり、足が棒のようになったらしい。
03月17日(水)
お話の会におよそ20人くらいの子どもが集まり、とても賑やかだった。「さるのよめ」「ペレのあたらしいふく」などが読まれたが、みんな落ち着いて最後までしっかりと聞いてくれていた。
03月18日(木)
閉館後に、4月から上映予定のノルシュテイン作品『話の話』に関するミーティングが行われた。上映期間中の運営に生かすため、まずは「これはどういう映画か」ということを考えようと、参加スタッフで率直な映画の感想を話し合うことから始めた。
難解なところも多い映画で、解釈の仕方はさまざまだったが、一同「見れば見るほどおもしろく思える作品」という点では一致。この話し合いを踏まえて、どのような映画なのかをどうお客さまに伝えていくか、さらに考えることになる。
03月19日(金)
小川さんがネコバスルームで子どもたちにネコバスの楽しみ方の説明をしていると、すでに遊んでいた男の子が「もう聞いたよ」と口を挟んできた。「ちょっと待っててね」と小川さんが手を差し出すと、何故か突然手にキスをしてくれたそうだ。驚いたけれど、その様子がとても可愛かったそうだ。
03月20日(土)
ショップのバックヤードにて、新井くんがセメダインを駆使してディスプレイ用の商品サンプルを修理。大男に不釣合いなちまちまとした作業だったが、見事綺麗に修復された。出来上がりを見たスタッフが「すごいねえ」と声をかけると「まかせてよ」と言わんばかりの素敵な笑顔を向けていた。
03月22日(月)
ショップでオリジナルのスケッチブックが発売された。表紙が手作りの和紙で作られ、美術館の外壁と同じ色を使って染められているので、とてもカラフルだ。ポイントは金色に縁取られた窓にいるトトロなのだが、気がつかない方も多いらしい。画材セットといっしょに買っていくお客さまも多いようだ。
03月23日(火)
カフェのスタッフが、毎年夏に販売するラムネ工場の見学に行った。75年の歴史がある小さな工場では、ラムネのビンを一本一本手作りしている。去年カフェデッキでラムネの販売をした丸山くんは、丹念に仕事をする方たちの姿にとても感動し、「みんなにも見てほしい」と言っていた。
メンテナンスの作業に来ていた松原さんが、作業を終えた人たちを愛車に乗せて美術館を出ようとしたとき、突如車が止まってしまった。エンジンをかけても、再び動く音がしなかったため、とりあえず車を美術館の中に戻すことに。美術館関係者は、松原さんの車が故障するのを見るのは2回目で、いよいよ廃車か? とよからぬ想像をしていたのだが、無事修理され、帰っていったそうだ。
03月24日(水)
深谷さんにカブトムシの世話係に任命された朗くんは、どうもあまり熱心ではないようだ。都会育ちのためか幼虫が怖いようで、初めて幼虫を見たときには2メートルほど後ずさってしまったそうだ。この日は幼虫が眠っている腐葉土がカラカラに乾燥しているのを深谷さんが発見し、咎められると「昨日は水をたくさんあげたんですけど」と弁解する始末。「たくさんあげる日があっても、乾いてる日があったら意味無いんだよ」と怒られていた。
03月25日(木)
総務で「マイちゃん」と親しまれていた宮本さんが本日をもって美術館勤務を終了、運営のオープニングスタッフの高橋博子さんも旅立つことになり、さらにいつも来ていた郵便局の方も「転勤になりました」と挨拶してくださり、まさに別れの春を迎えている美術館です。
03月26日(金)
スタッフの契約手続きなどのため、石迫さんが2階事務所の会議室にて説明を行った。ホワイトボードを指しながら熱心に話すその様子はさながら大学教授のようだったという。
03月28日(日)
「三鷹の森アニメフェスタ2004」の一環として、「アニメーション古今東西」と題する上映会が三鷹市産業プラザで開催された。三好さんが古今東西の名作からセレクトした8作品が上映され、老若男女問わず来た方には楽しんでもらえたようだ。去年のアニメフェスタよりも小規模のイベントだったため、参加スタッフが上映終了後に子どもたちと上映作品について話すこともできて、アットホームな会だった。
03月29日(月)
トイレの前で何かを探している様子の外国人のお客さまに、土屋さんが声をかけたところ、コンタクトレンズを落としてしまったとのこと。土屋さんも一緒になって探したが、結局見つけることができなかった。ところが後でショップの大きな袋に入っていることが分かり、とても感謝している様子で土屋さんに報告をしにきてくれたそうだ。
03月30日(火)
年度末ということもあり、休館日を利用して棚卸しが行われた。今年はそれに加えて、4月に向けての総額表示のラベル貼りも行われた。前日に花見が催されたのだが、特にお酒の影響もなく、細かい作業も着々と進み、問題なく作業が終了した。
03月31日(水)
ネコバスルームで「小学6年生まで入れます」とスタッフが声をかけていたところ、「今日は3月31日だし、本当にラストチャンスだね」と、とても嬉しそうに遊んでいた男の子がいた。