2006年03月


03月01日(水)
カフェのカウンターの奥では、料理の準備の傍ら、スタッフが試行錯誤しながら新メニュー開発を行っていた。
本間さんが「温かいバナナの飲みもの」を作ると、堀口さんが試飲して「なかなかの手ごたえ」とうなずいているのを、お客さまが楽しそうに見ていた。一方、堀口さんが、力作「夏のさわやかな飲みもの」を初披露したところ、偶然にも斉藤さんも同じものを作ろうとしていたそうだ。


03月02日(木)
『水グモもんもん』を観た小学生グループの中に、「ボクと同じだ・・・」とつぶやく男の子がいた。
シモンというその子のあだ名は「もんもん」。友だちは「シモンと同じ!」と楽しそうだったが、本人は複雑な様子。とはいえ、そう嫌でもないらしく、だんだんノリがよくなっていくのがかわいらしかった。


03月03日(金)
ロボット兵の右肩の草を気にして見ているカップルから、「あれは鳥の巣ですか?」と尋ねられた。
巣があるかは分からないけれど、時々鳥が来ていることを伝えると、「じゃ、巣があるかもしれませんね!」と嬉しそうだった。


03月04日(土)
去年の夏休みに常設展示室で熱心にメモやスケッチをしていた女の子のお母さんが来館し、その子がメモやスケッチを元に自分なりにアレンジして作った「夏への扉」の写真を持ってきてくださった。
夏休みの思い出が伝わってくる作品で、去年も会っていた二宮さんはとても嬉しくなったそうだ。


03月06日(月)
動きはじめの部屋で、フィルムぐるぐるのキャプションに宮崎館主が描いたトトロの絵を見た2歳くらいの男の子が、中にトトロがいると思ったのか、入りたそうにしている。お母さんが「中には入れないのよ」と言ってもあきらめないで扉を見つめたまま。「コンコンしてみたら?」とノックさせてみると、返事がなかったので、やっと中にトトロはいないことを納得したようだった。


03月08日(水)
「やどさがし」を見た沖縄の修学旅行生たちが、みんな面白い効果音に反応し、大いに笑い、楽しんでいた。また、座席に座っていた男の子たちが、後から入ってきた母子グループの方々に席を譲るやさしい光景が見られた。


03月09日(木)
日本テレビのお昼の番組『おもいッきりテレビ』に、美術館が生中継で放送された。
‘みのカメラ’という中継カメラが美術館と日本テレビのスタジオをつなぎ、開館中の賑わう館内を紹介。
中島館長も出演し、みのもんたさんたちを相手に、『星をかった日』をモチーフに館主が作った地球儀を見せつつ美術館の楽しみ方を紹介した。また、「映りたい方は、ロボット兵の前に集合!」と撮影スタッフに声を掛けられたお客さまは、楽しそうにカメラに向って手を振っていた。


03月10日(金)
トライホークスで文庫を買ってブックカバーを希望する方が多い。カバーのデザインを見て「やっぱり(カバーを)かけてください」という方が目立つ。ブックカバーのサービスが始まる前に来館して文庫を買ったため、「もう少し待てば良かった!」と残念そうにする方もいた。

カードで買い物をするお母さんがレシートにサインをしているのを見た子が、「なんで名前を書くの?」と質問。「名前を書いたら本が買えるのよ」とお母さんが説明すると、びっくりしつつ「なんて書くの? “ママ”って書くの? パパも買える? 私も買えるの?」と矢継ぎ早に質問してきた。お母さんは、「パパは買えるけどあなたはどうかなー。」と楽しいやり取りを繰り広げていた。


03月11日(土)
ケーキハウスでお客さまに「映画の観られるキップですよ」と、フィルムチケットを渡したところ、「なんだか胸がドキドキするー!」と子どもたちが喜んでくれた。渡したスタッフもドキドキしている気持ちが伝わってきて、とてもうれしくなった。


03月13日(月)
オリジナル短編映画新作3本の中から、好きな1本を選んで観ることができる上映の最終日ということで、映像展示室はどの映画も常に満員。特に『星をかった日』のほとんどの回は、受付を始めてから5分で満席になってしまった。15日からは『やどさがし』1本を上映する。


03月15日(水)
美術館を紹介したテレビ番組を観たお客様から「『星をかった日』はいつから上映ですか?」とよく聞かれる(5月20日から7月31日までです)。

『やどさがし』のお客さまからの評判は上々。「ぬらりひょうたん」が出てくると思わず泣いてしまう小さな子どもたちもいるが、笑いや歓声が絶えなかった。バルコニー近くに座っていた女性は、笑いすぎて柵に頭をぶつけて痛そうにしていた。


03月16日(木)
トライホークスでは、『風の谷のナウシカ』の原作本を買って大喜びする若い人や、文庫『世界の真ん中の木』の紹介を見て「元気になれそう」と購入する方など、なぜか徳間書店の本を求めるお客さまが多かった。

『やどさがし』を観た直後にギャラリーに来た子どもたちが、展示を見た途端に擬音語の大合唱をしていた。


03月17日(金)
風がとても強く、館内に落葉や埃があちこちから入り込んでいたが、昼過ぎには風も止みはじめ、暖かい一日となった。

トトロぴょんぴょんの踏み台の上で倒れている男の子がいたので、具合が悪いのかと近づくと、熟睡していて触っても起きない。気持ち良さそうなので、少し様子を見ていると、お母さんが慌てて飛んで来た。トトロぴょんぴょんを観ている間に睡魔に襲われたようだ。


03月18日(土)
トトロのピアスをしている女性に「愛を感じます」と言うと「今日のために買いました!」と力強く話していた。

関西から母子2組のお客さまが「鬼のめしや」の前で、小さな鬼が持っているおでん串の「ちくわぶ」を不思議そうに見ていた。直後「あのフルーツみたいなものは何ですか?」と質問された小見さんは、関西のおでんには本当にちくわぶが入っていないんだな…と実感しつつ、「東京のコンビニで売ってるかもしれないから、帰りに見てみてね」と話したそうだ。


03月20日(月)
ネコバスが大混雑。並んでいた小学3年生くらいの男の子は「ネコバスが恋しいよ …」と可愛らしいひとこと。小学6年生の男の子たちは「オレ、卒業式終わったから、もう乗らない!」とキッパリ宣言していたので、「3月までは乗れるよ」と言っても、「もうチビっ子は卒業したから乗らない」と屋上へ行ってしまった。断腸の思いであったに違いない。


03月21日(火)
祝日ということもあって家族連れや海外の方が多い一日だった。土星座で、上映前から映写室を覗いていたお父さんが「オレはこっちの方をずっと見ていたい!」と、上映中もずっと映写機を見続けていた。映写室内の壁にニック・パーク監督が描いた『ウォレスとグルミット』の絵に気づいたお父さんは、「アカデミー賞!」とつぶやいていた。


03月22日(水)
ギャラリーの『水グモもんもん』の展示の前で、女の子に「虫を嫌いにならないでください」という文章を読んであげていたお母さんは、「お母さん、虫キライじゃん!」と指摘され、「だって気持ち悪くて…」と言い訳していた。

「もんもん」を大好きなハーフの男の子が、包帯された「もんもん」を見て「治してくれたんだね」と、目をなでなで。その後も「もんもん」の周りを行ったり来たりして、可愛がっていた。


03月23日(木)
『やどさがし』を観ていた子どもたちが、フキちゃんの「ありがとうございました。」に続いて「でしたっ!」と応えたり、「ぬらりひょうたん」が出てくると「うわー、気持ち悪いー!」と叫んだりして、周りの笑いを誘っていた。退出時「あーりがとー」と叫ぶ男の子に「まーた来ーいよー」とスタッフたちも応じていた。


03月24日(金)
排水溝の上を通り、カフェ側の隙間にたどりついた小学4年生くらいの男の子たち。「あ、家がもう一軒ある!!なんかこの美術館すげー!」と叫んでいた。あちこち探検して、この建物の迷路のようなつくりがとても気に入ったそうだ。


03月25日(土)
東京国際アニメフェアに行ってきたと思われる外国からのお客さまたちが、井上直久さんの本をまとめ買いしたり、絵コンテ、ジ・アートを次々にカウンターに持ってきたり。他にも、日本の昔話に興味を持っているのか、『ばけくらべ』『ずいとんさん』を恥ずかしそうに購入する男性もいた。


03月27日(月)
アニメフェアの影響か、今日も外国のお客さまが多かった。入り口で並ぶアメリカ人男性が漢字で「日本人彼女募集」と書かれたTシャツを着ており、話しかけられた時にその意味を教えてあげると、どうやら知らずに着ていたらしく、少し困った顔をしていた。


03月29日(水)
常設展示室で、緑色のポスターカラーを開け、絵皿に出している女の子がいた。
「さっきまで誰かが描いてたみたいだったから」と、つい自分もやってしまったみたいだ。


03月30日(木)
スウェーデンテレビの取材が入った。スウェーデンでとても人気というレポーターさんは、自らの身のこなしの細部まで気を配り、一緒に出演していた田村さんの動きにまで演出を付けていた。さらに収録の最後、案内の終わりに田村さんと「ハグしよう」と提案し、実際試してみたものの「日本でやるのも変ですよね」と思い直し、結局手を振ることにしたそうだ。


03月31日(金)
ハイジ展に元気な子どもたちが現れ、室内中干草が散らばり、ヤギたちにも草がかかっていた。一方、小学6年生の女の子が「ヤギが可哀想」と、長い時間を掛けて草を取り除いてくれた。また、全52話のストーリー紹介を見て涙をこぼしている20代くらいの女性の姿が印象的だった。