2008年9月


9.1(月)

・秋の気配とともに、『夏休み企画・山﨑事務局長の夏日誌』が終わった。いや、終わってしまった。社内でも更新を心待ちにするスタッフが多く、更新のたびに日誌の話で盛り上がっていた。虫にキノコに猫に鷹にシャカにマンドリル?に安野くん、などなど。これまでの日誌とは違うスタイルで、みなさまにも楽しんでいただけたのでは。

080901.jpg

<ロボット兵と山﨑さん。8月いっぱい、おつかれさまでした!>


9.2(火)

・ショップでは休館日を利用し、レイアウトの変更を行った。今回のテーマは、子どもたちに楽しんでもらった夏から一転して、少し大人で知的な秋へ。目玉の一つは『宮崎駿の足跡』特集。8月に発足したソフトコーナー販促チームの宮本さん、高間さん、福島さん、草野さんの4人が作品を勉強し、話し合い、初めて自分たちの手で作り上げたコーナーだ。スタジオジブリ以前の宮崎監督の作品をキーワードを元に紹介している。「明日からのお客様の反応が楽しみ」と、4人はドキドキしている様子。

080902b.jpg

<完成した「宮崎駿の足跡」コーナー。大満足の出来ばえ。>


9.3(水)

・この夏、嬉しいことに『ポニョ』は大人気。お客さまにも人気だが、スタッフにもファンは多く、美術館の事務所はポニョでいっぱいだ。特にカフェの小池さんのデスクには様々なポニョが。初めはハンドパペットだけだったが、いもうとたちが仲間になり、半魚人ポニョまで仲間に加わった。さらに、私物もポニョだらけとのこと……。ど、どこまで増えるのだろうか…。

080903a.jpg

<デスクの上を泳ぐポニョといもうとたち。>


080903b.jpg


<ポニョ、ポニョ、ポニョ!>


・先日行われた三鷹阿波踊り大会の反省会が行われた。反省会、といっても実態は打ち上げのよう。練習や本番でとりわけ頑張ってくれた連員に対して連長賞やジブリ賞が贈られた。ジブリ美術館からも、ずっと三鷹市との連絡役を務めた西川くんが副連長賞を受賞。なかなか練習に出られなかったり連絡が遅くなったり、と一筋縄ではいかない美術館メンバーをよくぞ引っ張っていってくれた。また来年もよろしく!


9.4(木)

・ショップではピンズのディスプレイの前で、ずっと悩んでいる5歳くらいの男の子が。スタッフが話を聞いてみると、宗介にしようか、ウバザメ号にしようか、ポンポン船にしようか、なかなか決められないとのこと。「宗介は自分と同じ歳ですき、ウバザメ号は大きいからすき、ポンポン船は宗介が操縦して、かっこいい!」と、それぞれのどこが好きなのかを一つ一つ説明してくれた。悩んで悩んで、最後は宗介に決めた男の子の満足そうな笑顔に、元気をもらったスタッフであった。

・スタジオから来ていた美術チームの遠征も終了し、アトリエの1階はひっそりとしている。しかし、10月4日から横浜の神奈川近代文学館で開催される『堀田善衞展』の展示物準備のため、1人残った美術監督の武重さんは、少し机から離れ、ひたすらイメージを膨らませているよう。堀田善衞作品の世界観をいかにうまく映像化できるか、美術職人は日々考えているのだろう。良いアイデアが浮かばない時は、思い切って気分転換!「ちょっと散歩してくるわ、」と、足早に井の頭公園へと出かけていった。

080904a.jpg

<作品と向き合う武重さん。>


9.5(金)

・出口にて、見たことがない幼虫を発見。よくよく調べてみると、国蝶に指定されているオオムラサキではないか、との疑いが。都市部ではほとんどいない蝶だが、美術館がある井の頭公園には多くの緑があり、そういった地域ではたまに見られるということだ。とはいえ、誰も実際のオオムラサキを見たものはおらず、成虫になる日を心待ちにしている。

080905a.jpg

080905b.jpg

<角がなかなか特徴的。>


9.6(土)

・アトリエでは、さまざまな展示物を制作している。ただいま美術館で開催中の「小さなルーヴル美術館」展の井戸にいるネズミもアトリエで誕生した。ちなみに全部で3匹。名前はルイ、アンリ、フランソワ。皆さんは全部見つかりましたか?
『堀田善衞展 ~スタジオジブリが描く乱世~』で展示するイメージボードと背景美術も、アトリエで制作中。吾朗さんとジブリの美術スタッフによる手描きの絵がメインとなるが、大判ポスターなどを高画質プリンターで出力している。さて、どんな展示に仕上がるか、10月が楽しみだ!

080906a.jpg

<堀田善衞展の準備が進行中。>


9.7(日)

・朝、カフェの開店準備をしていると、テイクアウトカウンターに飾っている花に大きなカマキリがいるのを発見。しばらく見ていたが、じっとしていて動かない。その様子を見て、「カマキリも綺麗なお花に見とれてるのかなぁ」と嬉しそうに話す原さんであった。

080907a.jpg

<自分がお花になったつもりか。じっとしているカマキリ。>


9.8(月)

・明日は9月9日。救急の日ということで、三鷹消防署から今までの美術館の取り組みに対して感謝状が贈られた。たくさんのお客さまが来て下さる美術館としては気が引き締まる思い。ちょうど、深谷さんを筆頭にスタッフで防災・救護班を組織したばかり。上級救命講習や避難訓練を継続的に行っていく予定だ。今後も緊急事態には迅速に対応していきたい。

080908a.jpg

<励みになります!>


9.9(火)

・オオムラサキの幼虫がとうとうサナギになった。初めて目にする特徴的な姿に感動するスタッフ一同。羽化が待ち遠しい!

080909a.jpg

<みどり色のきれいなサナギ。>


9.10(水)

・冬場にカフェで使用する薪の準備を始めた。今まで、ほとんど1人で担当してきた天内くんに代わり、今年からは美術館随一のガテン系、市川くんが薪と格闘することに。若い、ということもあり、作業姿はとても似合っている。これも美術館運営の仕事の1つ。今年の冬も無事に乗り切れそうだ。

080910a.jpg

<美術館の薪王子。>


・映画好きの山﨑事務局長と、山﨑さんに『映画少女』と呼ばれているショップの草野さん(実は少女と呼べる年齢ではない)が映画談義に花を咲かせていた時のこと。「アレアレ、アレに出ていたあの女優」と、映画のタイトルも俳優の名前も何一つ出てこない山崎さん。それでも必死に想像力をふくらませて、思いつく名前を片っ端からあげていく草野さん。噛み合っているのか否か、さっぱり分からないやり取りが面白く、周りにいたショップスタッフから笑いをかっていた。「みんな笑ってるけど、あと20年もしたらこうなるんだからっ!」と、笑顔ながらも、ほんの少しだけ寂しげに言い訳をする山崎さんであった。


9.11(木)

・8月に来てくれた美術部の武重さんに続き、本日は同じ美術部から吉田さん、佐藤さんが常設展示室に。「実際に映画に携わる、スタジオの美術部の者ですよ」と説明すると、驚き喜ばれるお客さまがたくさん。まさに生きた展示室となっていた。
途中、佐藤さんが少女の部屋で作業していると、吾朗さんも様子を見に来て、「うん、やっぱり少女の部屋には女性が似合う」と一言。確かに、佐藤さんがいるとまさに少女の部屋!
これからもスタジオの方々に展示室で作業してもらえたら、と計画中。展示室で絵を描いている人を見かけたら……、ぜひぜひ近づいてみて下さい!

080911d.jpg

<本日展示室で描かれた絵。>

080911b.jpg

<少女の部屋に佐藤さん。かわいらしい。>

080911c.jpg

<少年の部屋に吉田さん。後ろ姿が展示物に溶け込んでいます。>


9.12(金)

・アトリエでは「堀田善衞展」の準備が着々と進められている。展示されるイメージボードと背景美術をパネルに取り付けたり、会場全体のレイアウト模型を実際に作ってみたり。入口や仕切り壁の位置などを検討し、効果的な展示方法を模索中。模型の小さな世界だと、指で何でも簡単に動かせるので様々な案を容易に試せるのだ。お客さまがテンポ良く楽しめるよう、レイアウトの工夫に余念がない展示スタッフだが…。
あれっ?模型の中でいち早く楽しんでいる、その後姿は館長!?

080912c.jpg

<1/20スケールの世界。>


・企画展示「小さなルーヴル美術館」展では8月下旬から不定期で「なぜ、『小さなルーヴル美術館』展?」「3枚の絵のおはなし」というテーマでギャラリートークを行っている。「小さなルーヴル美術館」展目当てで来館されるお客さまも多く、なかなか好評のようだ。メモを取りながら、熱心に聞いて下さっている方も。本日は、「素晴らしい」と嬉しいお言葉をいただいた。担当の土屋さん、安野さん、小林さん、島崎さんは緊張と反省と手応えを感じながらトークに磨きをかけている。


・昨年より始まった、「LOOPWHEELER×ジブリ美術館」のコラボレーション企画。第2弾のサンプルが届いた。この日を楽しみにしていたスタッフも多く、ドキドキしながら箱を開けると…。その出来に、一同納得。今回の注目は何と言ってもワッペン!黒とグレーをベースにした、本当にかっこいいワッペンだ。糸にこだわり、編みにこだわり、仕上げにこだわり抜いた日本製。着心地はもちろん、暖かく耐久性に優れた一品となった。たくさんの方々に、着心地の良さを試してもらいたい!9月19日(金)より、ショップ「マンマユート」にて数量限定で販売開始予定。(入荷状況によっては、若干変更あり)今年は写真のフードタイプ(¥19,950‐税込)の他に、もう1タイプ加わる予定。そちらもお楽しみに!

080912a.jpg 080912b.jpg

<ループ初体験な山﨑事務局長。お似合いです。> <左胸のワッペンに注目!>
(c)Nibariki


9.13(土)

・本日もサプライズ企画として、スタジオから美術の吉田さん、作画の山田さんが常設展示室で実際の作業を公開。土曜日ということで子どもたちも多く、みんな興味津々で手元を覗き込んだり、話しかけたり。実際に絵を描く、という緊張感がお客さまダイレクトに伝えられ、よかったのでは?運がよければ、仕事の合間に訪れるジブリの職人たちを間近に感じることができるかも。

080913a.jpg

<真っ白い紙に絵が描かれていく様子はまるで魔法のよう。>

・4月から行っていたデッキでのワゴン販売が、ラムネの完売とともに終了となった。無事最後の1本がお客さまの手に渡ると、ほっとしたような、なんだか寂しいような気分になったラムネ部隊。特に隊長の松田さんは、この夏出会った数々のお客様の笑顔が走馬灯のように駆け巡り、胸が熱くなったそうだ。

080913.jpg

<最後の一本!>


9.14(日)

・三鷹市の八幡大神社祭礼2日目の大人神輿。昨年に続き、美術館の男衆、深谷さん、郎さん、鵜木さん、天内さん、西川くんが参加。美術館前にやって来る頃には、熱気と日焼けで真っ赤になっていた5人。威勢の良い掛け声と共に現れたお神輿に、入館前のお客さまもすっかり見入っていた。西川くんは気合をいれて前のポジションをキープ。毎回「エアー神輿」と噂される天内さんだが、今年はしっかりと神輿を担いでいた。「来年は引退!」と宣言していた深谷さん、何言ってるんですか、まだまだ来年もよろしくお願いします。

080914a.jpg

<山﨑さんも急遽制服で参加。>

080914b.jpg

<エアーではありません。>

080914c.jpg

<トトロ受付で全員で記念撮影。>


・先週の日誌で報告したとおり、美術館にはたくさんの虫が姿を現す。今週は新たに『みのむし』がケーキハウス周りに出現。みのむしがぶら下がる場所を探し、一生懸命移動する姿を初めて見るスタッフも多く、そのかわいらしさに思わず「がんばれ!」と声を出して応援したそう。

080914e.jpg

<上へ、上へ。>


9.15(月)

・『秋のにほひ』発見者:天内

080915a.jpg

<カフェデッキで取れた栗。今年の実はおっきいぞー。>

080915b.jpg

<緑の公園に映える紅。花言葉は「また会う日を楽しみに」。>


9.16(火)

・アトリエの一角に、ズラリと並ぶパソコンたち。これらは、展示で使用する印刷物を制作するためのもの。画像編集ソフトを駆使し、なるべく原画の色に近づけたものを出力する。そのため、画面左右、上部を黒いフードで囲み、外光や蛍光灯の反射を防いで正確に色を判断できるよう工夫が施されている。色補正は根気と集中力のいる作業。原画を左手に、デジタルペンを右手に、パソコンとのにらめっこは続く。今日も黙々と、1枚ずつこなしていく補正担当であった。

080916b.jpg

<展示物制作中。>


・ショップには、毎日大量の商品が入荷する。スタッフは開店までの短い時間に商品の荷捌きを行うのだが、半魚人ポニョのぬいぐるみの段ボールを開けてみると…。むむむ、互い違いに詰まったその姿が、何とも言えず可愛らしい。思わず写真を撮ってしまった。「可愛がってもらうんだよ」、と思いを込めながら店頭に並べるスタッフなのであった。

080916a.jpg

<ポニョがぎっしり。>


・まだ暑い日が続いているが、カフェデッキでは夏が終わり、実りの秋に移り変わりつつある。カフェ近道やトップライト窓には緑色のどんぐりがコロンと音を立てて落ちてきたり、ぷっくり大きく実を膨らませた栗が落ちてくるようになった。そんな栗を見て、「栗ご飯食べたいなぁ…」と食欲の秋の到来も感じるカフェスタッフであった。

080916.jpg

<小さな秋みーつけたっ。>


9.17(水)

・カフェでは、秋の新メニューが6品登場した。キノコやイモ・根菜類など旬の食材がおいしく調理された料理ばかりだ。もちろんデザート、飲み物もおすすめ!中でも『ごろっとグリル野菜とヒナ鶏のポトフ』は野菜をおいしく食べられる、『麦わらぼうし』らしい一品。野菜の味を最大限に引き出す名脇役に、静岡県の農家で大切に育てられたヒナ鶏を使用。ヒナ鶏のスープがしっかりと野菜に染み込み、骨付きのお肉も柔らかく、とってもジューシー。野菜好きな方はもちろん、野菜が苦手な方もぜひご賞味ください!

080917e.jpg

080917d.jpg

<ヒナ鶏のおいしい旨味がスープの中にいっぱい!>

080917c.jpg

<もちろん、おいしいお肉も野菜と一緒にお皿の上に。>


9.18(木)

・発売を翌日に控え、ショップでは今年の「LOOPWHEELER×ジブリ美術館」のコラボレーション商品の説明会を閉館後に開催。講師はもちろん、開発担当者の郎店長。糸選び、編み方のこだわり、それによって生まれる着心地、風合い、耐久性の良さなど、ループウィラーとジブリ美術館が大切にしている「モノづくり」の心を、長時間にわたって熱っぽく語る郎さん。スタッフは、一言一句聞き逃すまい、と熱心に聞き入っていた。「明日からは、お客さまに自分の言葉でこの商品の良さを伝えなければ!」と意気込むスタッフからは、様々な質問も飛び交い、とても有意義な勉強会となった。

080918a.jpg

<今年の目玉。マルチカラージップアップジャケット(¥23,100-税込)>

080918b.jpg

<こちらのワッペンは、ネイビーがベース。かっこよくて溜息。>
(c)Nibariki

080918c.jpg

<勉強会の様子。みんな熱心。>


・美術館のアトリエは、展示物の企画、制作業務の他に、『三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー』の事務所も兼ねている。現在は冬に公開する次回作の準備で大忙し。日本初公開の作品ともあって、ライブラリーチームは気合が入っている。インパクトのあるポスターもとうとう完成。たくさんの方に観てもらえるよう、ポスターを背に、今日も電話の応対に燃える内野さんであった。

080918d.jpg

<ライブラリーの燃える女。>


9.19(金)

・ショップの郎さんと草野さんが朝からぬいぐるみメーカーの展示会に出かけた。ショップで扱う商品をセレクトする上で、自分の目で見て、触って、商品を知るのはとても大切なこと。秋から冬にかけて発売となるトトロやポニョの新商品を見ながら、冬に向けての戦略会議を繰り広げる2人。今年の冬はどんな雰囲気のショップになるのか楽しみだ。


・先週に引き続き、本日はスタジオの美術部より短編作品『水グモもんもん』の美術監督、渡邊さんと『星をかった日』の美術監督、高松さんが常設展示室へ。今回の2人、とにかく描くのが早い!迷わず色を置き、筆を走らせ、グラデーションを作り上げ、細かい陰影もつけ、あっという間に夕焼けの風景や爽やかな青空を完成させていた。ただ、お客さまへの接し方は対照的。渡邊さんは作業中に「質問など、お気軽にどうぞ!」、と場を和ませることもあったが、高松さんは黙々と硬派に描き続ける。そんな高松さんだが、若い女性の「すごい!うまい!かっこいい!」の声に嬉しそうに振り向く一面も。

080919a.jpg

<一心不乱に筆を振るう高松さん。>

080919b.jpg

<絵が好き、というお嬢さんたちと楽しくお話しする渡邊さん。>

080919c.jpg

<2人とも1日おつかれさまでした。本日の作業の跡。>


9.20(土)

・アトリエの壁は木で出来ている。自由にポスターやアートワークなどを画鋲で留めて飾ってもOK。企画展示「小さなルーヴル美術館」展のポスターも、先週金曜日に渋谷のシネマ・アンジェリカで楽日を迎えたライブラリー作品『チェブラーシカ』のポスターも、そして…、プロデューサー鈴木敏夫、一筆入魂作「死に物狂い」も!

080920.jpg


9.21(日)

・晴れの日はレインウェアのお手入れを習慣にしている厚樹さん。洗濯をして取り込もうと近づいて発見。「ん?何か付いてるぞ。」よくよく見ると、「ゴミかな?なんだカメムシかぁ…」すぐ追い払ったのだが、「ん?んん!?」

080921b.jpg

<たまご産んでる…。>

たまたま通った深谷さんにこの話をしたところ、なんと、深谷さんが着ているレインウェアに既に巣立ったカメムシのたまごの抜け殻が!どうやら2階事務所バルコニーは良い産卵場のようです。

080921a.jpg

<もぬけの殻とはまさにこのこと。>


9.22(月)

・入口で、眉をしかめ、口に手を当てて立ち止まっている男の子。周りが心配していると、おそるおそる離した手に乗っていたのは今抜けたばかりの乳歯!痛そうにしている男の子だったが、「この場所が大人への第一歩!記念すべき日だね。」とお母さんは笑顔で喜んでいた。


9.23(火)

・図書閲覧室『トライホークス』のディスプレイに秋の訪れが。よく、よく目を凝らすと、もみじやほおずきのまわりには虫たちの姿が。まるで本物のようだが、実はディスプレイ担当の田中さんを中心に、スタッフが作った切り絵。田中さんの職人のような手つきで生み出された作品は必見!

080923a.jpg

080923b.jpg

<今にも虫の鳴き声が聞こえてきそう。>


080923c.jpg

080923d.jpg

<店内のポップの切り絵も『職人』の作品。>


9.24(水)

・カフェに来た2人組のお客さまが、お帰りの際にとても可愛いお手紙を残してくれた。新メニューのポトフをとても喜んでいただけたようだ。心温まるお手紙に、ますます頑張ろう、と元気をもらったカフェスタッフであった。


・本日は美術から田中さん、作画から山下さんが常設展示室で作業の実演をしてくれた。2人とも、お客さまとの交流を楽しみつつ、背景美術のこと、アニメーションのことをたくさんお話しされていて、今までとは違った雰囲気。今回は、お客さまにも実際に描いてもらう、という新しい試みも取り入れ、美術机では水張りからグラデーションまでを、作画机では跳ねるボールなどを描いてもらっていた。緊張しながらも、目を輝かせて机に向かっているお客さまが印象的だった。
普段、常設展示室では、ついさっきまで人が作業していたかのような“ライブ感”を大切にしているが、やはり実際にスタジオの人に作業してもらうと、一段と良い雰囲気になる。制作の合間が基本になるだろうが、今後もぜひお願いしていきたい。


080924a.jpg

<絵を動かして、子どもたちと話が弾む。>

080924b.jpg

<筆を動かす緊張の瞬間。>

080924c.jpg

<お客さまの力作。>


9.25(木)

・広報部にて「”手をはなす”のはなすって”離す”?それとも”放す”?」と漢字問題が勃発。多数決をとったのだが、タイで決着つかず。出版部なら判るはず、と下の階に訊きに行ったところ、さすがは出版部、その場にいた全員が「離す!」と即答してくれた。おかげでスッキリした広報部なのだが、出版部では「広報…大丈夫か…?」と若干呆れられたらしい。


9.26(金)

・美術館のショップで販売されているセル画は、アトリエで1枚ずつ手作りされている。制作者の隣の棚には、目に鮮やかな絵の具の小瓶がぎっしりと並び、机横には作品ごとに使用される色を示すカラー番号表が貼られている。段のついたデスク正面の棚は、塗り終えたセル画を乾燥させるためのもの。パソコン上で色を塗る術のなかった時代は、『塗り職人』が1枚ずつ慎重に仕上げていた。セル画の制作を覗くと、当時のインク・アンド・ペイント(Ink and Paint)部門の苦労が垣間見える。

080926c.jpg

<職人の空間。>


9.27(土)

・映像展示室『土星座』内で、上映直前に暗くなり始めると「怖くないから、泣かないよ!」と自分に言い聞かせるように大きい声で話し始めた女の子がいた。『暗くて、怖い』という子どもたちが抱く映画館の印象とは違い、美術館の土星座は天井や壁にかわいらしい絵が描かれ、しかも窓もある。明るい雰囲気なのだが、暗くなると、やっぱり少し怖くなって、ドキドキするのだろう。それでも、子どもたちは映画を楽しみにしてくれているのだなぁ、と嬉しく思うスタッフだった。


9.28(日)

・カフェ新メニューの『麦わらぼうしのフレンチトースト』はバケットを使っていて、コロンとした形が特徴。上下だけでなく、側面も立てて焼くので、その様子は迫力満点。小さい男の子がお母さんに抱っこされながら、焼いているところを見て、「あれ食べたい!」と注文してくれた。

080928b.jpg

080928a.jpg

<ボリュームたっぷり。>


9.29(月)

・アトリエの知られざる一角。そこには、過去に創られたモデルやポスターが埋もれている。美術館で上映される短編映画『星をかった日』の登場キャラクター、スコッペロとメーキンソーの人形、それから『やどさがし』の特大ポスター。一輪車に乗るさつきは、立体ゾートロープ『トトロぴょんぴょん』の一部分。そして発泡スチロールの塊で編隊を組む無数のトトロとめいちゃんたち。でもよくよく見ると……危ないっ!めいちゃんが1人落ちそう!

080929a.jpg


9.30(火)

・月に一度の定期メンテナンスの日。毎月、展示物の点検や補修をしているのだが、本日はトライホークスとショップの半期に一度の棚卸し、映像展示室では10月より『くじらとり』を上映するためフィルムの入れ替え、館内装飾としてドライフラワーの交換作業などが重なり館内中が大忙し。

080930c.jpg

<新しいドライフラワーはすごく良い香りがします。>

080930f.jpg 080930e.jpg

<館内の至る所が鮮やかに彩られました。>

そんな中、北嶋さんから「変なきのこ発見!」との連絡を受け急行すると、栗とも、どんぐりとも見られる物体、みかんの皮に乗っかっているようなきのこが。調べてみると、『エリマキツチグリ』とのこと。夏から秋にかけて林の中でよく見られるきのこらしい。押すと胞子が飛び出る面白いきのこで、大のナウシカ好きの滝口さんは、『ナウシカごっこ』をして楽しんでいた。

080930a.jpg 080930b.jpg

<たくさん生えてました。>


・ショップでは1年に2回、全ての商品を数える『棚卸し』の日がある。無事に棚卸しを終えるべく、一丸となったスタッフで、店内は熱気に包まれていた。棚卸しが始まり、耳を澄ますと、あちらこちらで呪文の様な小声が。「ぶつぶつ…1・2・3……。」「ぶつぶつ…んっ?」「まっ、…間違えた!」何かにとりつかれたかの様に、もくもくと数えるスタッフ達。そこに、商品部の今井さんが助っ人で登場!頭に手ぬぐいを巻いて、気合十分。全ての作業が終了し、商品を元の位置に。定位置に戻された商品達もホッと一安心。作業を終えたスタッフも、一段落して新たな気持ちになる1日だった。

080930g.jpg

<最強の助っ人登場。>