2008年10月
10.1(水)
・「7年前、あなたがまだ0歳だった時に、この場所で映画を観たのよ」と映像展示室のホワイエで男の子に話しかけていたお母さん。ジブリ美術館も、開館から7年の歳月が過ぎ、本日8年目を迎えた。赤ちゃんだった子どもが小学生になる年月。この先も、たくさんの方に楽しんでもらえる美術館であり続けたい、と伊神さんは身の引き締まる思いだった。
・10月に入り、ショップでは衣替えをする。『マンマユート』とは『紅の豚』に登場する空族団にちなんだ名前なので、制服も登場人物の『フィオ』をイメージした仕様となっている。お客さまからの評判も良く「売ってないの?」との問い合わせもよく受ける。素敵な制服に負けない様な接客を心がけよう!と気持ちもシャッキ!っとなる制服なのです
10.2(木)
・カフェ『麦わらぼうし』では、メニューによって様々な調理過程が工夫されている。先月から始まった『吉野さんの卵とたっぷりキノコのクリームパスタ』のお肉は、大きなかたまりの豚肉に塩をすり込み、桜のチップでスモークしている。メニュー開発者の川村さんによると「ほのかな香りや味を出すため」とのこと。どの料理も、手間を惜しまず、心をこめて調理しているのだ。
<スモークしているとチップの香りが漂います。>
・恒例となってきたスタジオのスタッフによる展示室での作業。本日は美術部から、3度目の登場となる吉田さん、作画部からは初登場の米林さんが来てくれた。吉田さんも前回までは緊張していたようだが、そろそろ慣れた様子。作業を進めつつも、お客さまと話したり、休憩したり、ゆったりと過ごしていた。米林さんも、気さくな人柄で、たくさんのお客さまと会話を交わし、描いたばかりの動画を楽しそうに見せている姿が大人気。本日もたくさんのお客さまが喜んでくれていた。
<とても楽しそうです。>
<下塗りでもこの出来映え。さすがです>
10.3(金)
・アトリエはとても頑丈な構造。太い梁は黄緑色で部屋の雰囲気を明るくしている。天窓からは光がたっぷりと降り注ぎ、心地よく作業できる空間だ。右奥には、見覚えのあるネコの顔が…! 実はこれは美術館の初代ネコバス。子どもたちが元気よく遊んでくれるので、定期的にネコバスは新しいものに取り替えている。ちなみに、現在美術館にいるネコバスは4代目。
10.4(土)
・『三鷹市民デー』の1日。三鷹市にお住まいの方々で美術館は大賑わい。近隣のお客さまばかりなので、当然、美術館までの足は自転車が多数。美術館の駐輪場も、珍しく満車状態だった。
<駐輪場は、緑の木々の中にあります。>
10.5(日)
・井の頭公園西園で『三鷹の森フェスティバル2008』が開催された。今回で8回目。今年もたくさんのアーティストを招き、地元商店街からは屋台が出店。夕方から雨になる予報だったが、なんとか乗り切り、会場は素敵な音楽に包まれた1日となった。お隣では、『第19回三鷹国際交流フェスティバル』も開催していて、井の頭公園がものすごい人で溢れかえっていた。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!
10.6(月)
・『崖の上のポニョ』の公開にあわせて、7月にローソン三鷹の森店で配布された金魚草が花を咲かせた。「ポニョだからピンクかな?いや赤かな?」と想像し、楽しみにしていたところ、黄色い花が!ポニョ色ではなかったが、とても愛らしい。
<金魚に見えますか?>
・運営の防災班、豊村さんと柴田さんが上級救命講習を受け、試験に無事合格。上級救命技能認定証を手にした。講習の前は「落ちてしまったらどうしよう…」と心配していた豊村さんだが、筆記試験はなんと100点満点!「心肺蘇生法は完璧に学んできました!」と頼もしく語ってくれた。
10.7(火)
・休館日を利用して歯科検診を実施。いつもはお客さまでいっぱいの館内も、今日ばかりは普通の会社のようだった。
10.8(水)
・広報部の小見さんが三鷹駅を歩いていたところ、スーツ姿の男性が♪ん~ん、ふ~んふふんふん、契約だぁ~♪とポニョのメロディーで鼻歌を歌っていた。良い契約が取れたのか、それともこれから取りに行くところなのか。お互いお仕事がんばりましょう、と心の中でエールを送ったそう。
・10月も2週目に入り、少しずつ秋の息吹を感じるようになったが、アトリエの草はまだ青々と茂っている。主に雑草だが、腰をかがめて見ると、小さな野花などが。また、その素朴な植物の中に生息するイナゴたちに出会うことも。そして、まるで秘密基地への扉のような天窓が草に埋もれている。4つの窓を備え、今日も静かに、屋内へ風と光の通り道を作っているのだ。
10.9(木)
・1階の常設展示室にポニョがやってきた。『崖の上のポニョ』の絵コンテ、キャラクター設定表を新たに展示。子どもたちはすぐに見つけて、「あ、ポニョだ~!」という声がよく聞こえてくる。絵コンテを熱心に読まれている方も多く、1階スタッフはポニョの人気を嬉しく感じている。
・この日、ジブリ美術館オリジナルグッズのロボット兵を製造している工房へ、スタッフがおじゃまさせていただいた。普段なかなか見る事の出来ない製造工程を目の当たりにしたスタッフは、一つ一つ愛情をこめて作っている職人さんに一同感激!忙しい最中、お話を聞かせて下さった職人さん、どうもありがとうございました!
<ロボット兵整列!!>
10.10(金)
・アトリエの展示企画部では、同時進行している様々な展示の進捗状況が確認できるカレンダーを置いている。中には、こんな変わったものも。
ルーヴル美術館の本屋で購入したもの。ルーヴル所蔵の美術品を日替わりで楽しむことができる優れもの。裏には、作品をより一層楽しめる解説が英、仏語で書かれている。さて、明日はどんな逸品に出会えるだろうか?!
・カフェでは冬に向けて新メニューの試作が毎日のように行われている。この日は温かい飲み物と、デザートを作っていた。「こうした方がいいかなぁ、」と試行錯誤している担当者たちの姿は真剣そのもの。登場はまだまだ先の新メニュー、完成が楽しみだ。デザート担当の深沢さんは「お客さまが心から温まるメニューを考えたい!」と熱く語っていた。
10.11(土)
・最近、めっきり寒くなり、日が落ちるのも早くなってきた。閉館前に屋上に上ってみると……。
10.12(日)
・美術館の秋といえば、どんぐり!この秋もクヌギやコナラの実が大豊作。入口前のテント内にいると、ボト、ボトボトっ!とまるで大雨のような音をさせて落てくる。滝口さんがせっせとどんぐりを拾っていると、子どもたちも参戦。あっという間に、かごいっぱい集まった。滝口さんも子どもたちも、手にしたどんぐりに満面の笑みだった。
・11日から、連休の3日間を通して、『吉祥寺アニメワンダーランド』に美術館も参加。“森の映画館”では『ミトン』とライブラリー作品『チェブラーシカ』を野外上映。一時雨が降ったにも関わらず、たくさんの方が観に来てくれた。美術館のブースも出店し、大盛況で、イベントを統括した深谷さんは満足そう。夏からの一連の“フカヤ祭り”も、もう終盤。今年もあと少しとなってきた。
<おつかれさまです、お祭り隊長!>
10.13(月)
・青空が広がり、清々しい陽気。この時期のカフェデッキはテントがなく、とても開放的だ。連休だったこともあり、デッキには遠方からのお客様もたくさん。地元である福井の方言を耳にした田倉さんはとても懐かしい気持ちになったそう。
・この時期、ショップでは、様々な年末グッズがならび始める。「来年は、ポニョの手帳に決めた!」と手にするスタッフの渡辺さん。2009年も素敵な出来事でいっぱいの手帳になるだろう。
<今年は、ポニョも仲間入り!>
10.14(火)
・秋の昼下がり。アトリエの2階では、時間がややゆったりと流れ出す。淹れたての珈琲の香りとラジオの音を背に、お気に入りのソファと、お気に入りのクッションたちの中で、静かに夢の中へと舞っていくシャカ。シャカとは、展示スタッフの一人が飼う愛犬。今日もスキだらけの寝姿を披露し、スタッフの心を癒してくれるシャカであった。
10.15(水)
・秋らしく、修学旅行の学生さんが増えてきた。ショップでは、限られたお小遣いで「これは、おばあちゃん!」「これは、お母さん!」、と夢中になって選んでいる。その姿を暖かい目で見守る君島さん。「あの頃は、私も…」と当時の自分と重ねて、懐かしい気持ちでいっぱいになったそうだ。
・カフェでは『ごろっとグリル野菜とヒナ鶏のポトフ』が肌寒くなってきたからか、一段と人気。キッチンでは毎日たくさんの仕込みに追われている。数種類の野菜をオーブンでグリルしているのだが、ぎっしり並んだ野菜がとってもきれい。視覚も味覚も楽しめる。
<つい写真を撮ってしまいました。>
<キャベツがまるでお花のよう。>
10.16(木)
・すっかり恒例となった展示室での制作作業。本日は、作画の山森さん、美術の伊奈さん、吉田さんが来館。作業を始めるや否や、各机の周りはお客さまでいっぱいに。スペインのお客さまから、どこで画材などを購入できるか聞かれる場面も。スタジオのスタッフにとって、映画を観てくれるお客さまと直接接するのは刺激になるよう。毎回、緊張しつつも楽しんでくれているようだ。
10.17(金)
・先日、滝口さんが子ども達と一緒に拾った、クヌギとコナラのどんぐり。天気の良い本日、よく洗って乾かし、ニスを塗り天日干し。ニスを塗ることにより、ひび割れを防ぎ、1年ほど保存が出来るそう。すっかり乾いて整列しているその姿は、ツヤツヤに光って、飴のよう。どんな風に使っていくかは、ただいま思案中。
・堀口さんがテイクアウトの新メニューを試食。素揚げしたジャガイモや、豆類がたっぷり入り、体が温まるスープとのこと。ほぼ完成形だがもう少し手を加えて、満を持しての登場となりそうだ。
<ホットドックとの相性もばっちり!>
10.18(土)
・社内のレイアウト変更により、アトリエは引越しで大忙し。運び込まれたダンボールで山ができていた。
・秋が深まってきた。掃いても掃いても次々に降ってくる落ち葉や、高く伸びたススキ。壁を這うミノムシは子どもたちに大人気。風が冷たくなってきたので、美術館で秋探しができるのもあとわずか。
・今年も山梨県御坂町の松田さんの農園から、手作りの黄桃シロップ漬けがカフェに届いた。今年の桃は小振りで、昨年よりも少なめ。この日からフルーツサンドに使用している。桃好きな方は、ぜひご賞味ください!
<桃好きにはたまらない美味しさ。>
10.19(日)
・「第8回姉妹・友好市町村わくわく交流フェスタ」に参加した。三鷹市が主導のイベントで、全国各地の特産品が販売され、舞台では和太鼓や阿波踊りなど郷土芸能が披露されるという素敵なイベント。各地の名産品がずらーっと並んでいて、新鮮でとてもおいしそうなものばかり。参加したスタッフは秋田のおにぎりや鮎の塩焼きに舌鼓を打ち、両手いっぱいに新米やら野菜や果物を購入したのだった。
10.20(月)
・たわわに実った、サンクンテラスのみかん。毎年、数も大きさも変わるのだが、今年のみかんは一段と大きい。8月に緑色だった実は、すっかり色付き、きれいなオレンジに。落ちた実をこっそり食べたスタッフの感想は「今年は甘い!」。もっと甘くなることを期待して、収穫を心待ちにしている。
10.21(火)
・休館日なので、図書閲覧室「トライホークス」書庫の整理を行った。小さな閲覧室だが、蔵書の数は想像以上に多く、室長の石光さんを中心に、丸1日、4人がかりでの作業となった。
10.22(水)
・映像展示室のメンバーを中心に、映画のフィルムをプリントするイマジカに見学に行った。美術館では映写機で短編映画を上映しているものの、そのフィルムがどう作られているか、どうプリントされているかを見る機会は滅多になく、見学したスタッフにはとてもよい勉強になった。
10.23(木)
・カフェデッキにいると、西園の方から♪ポ~ニョポニョポニョ♪と可愛い歌声が聞こえてきた。覗いてみると、小さな女の子たちが輪になり、踊りながら歌っている。手にカラフルなポンポンを持っていたので、「運動会の練習かぁ!」とピンときたスタッフ。どうやらポニョは運動会でも大活躍のよう。
10.24(金)
・美術館では、天気は気に掛けなくてはならないことの一つ。朝出社して一番に気象庁のホームページで天気を見るのが日課だ。そんな、いつもお世話になっている気象庁に深谷さんと伊神さんが見学に向かった。観測されたデータが集約され、最終的に人の経験を重ねて予報が出されているということを学び、ますます気象への興味がわいたそう。
10.25(土)
・パティオにて薪割りを実施。市川くんと天内さんが10本交代で薪に挑んだところ、天内さんの手が真っ赤になり、しかも肉刺だらけに。肩で息をしている天内さんを見たスタッフたちは「いよいよ若い市川くんに世代交代の時がきた!」と思ったそうだ。
10.26(日)
・入口前の小道に突如として現れた、細長い、枝のような虫。今まで数多くの虫を見てきた外スタッフだが、こんな虫は見たことがない。一見、枝のように見えるのだが、くねくねと曲がりながら移動を続けている。一体これは何!?、と沢登さんと佐藤さんは頭を悩ませていたが、正体はわからないまま。結局、「地球外生物」で落ち着いた。どなたか、この生き物をご存知でしょうか?
<くねくねした動きをお見せできないのが残念。>
10.27(月)
・テイクアウトにて、お客さまが『あっさりチキンドック』をとても気に入って、2本目を買いに来てくれた。しかし、残念ながらチキンドックはこの日で終わり。お客さまにその事を伝え、「でも、明後日からとってもおいしい新メニューが始まります!」とお知らせすると、「じゃあ、また来ます!楽しみにしてますね」と笑顔で帰っていかれた。その様子を見て「ますます頑張らなきゃ!」、と仕込みに励む肥田木くんであった。
10.28(火)
・ショップスタッフがオリジナル飴を作っている工場へ見学に行った。昔からの伝統を大切に、職人さんの手作業で一つ一つ形になっていく様子は、まるで魔法のよう。できたての飴はとても熱く、短時間で作らなくてはならない。熟練の技と、息のあったコンビネーションで作られる飴に一同感動。
職人さん、工場の皆さま、お忙しい中どうもありがとうございました!!
<職人の技、ここにあり!>
<この状態のアメは、まだ熱い!>
10.29(水)
・本日よりテイクアウトでは、新メニュー『お豆とソーセージのスープ ガルビュール風(バケット付き)』が始まった。ガルビュールとは、豆やお肉、野菜を煮込んだフランス南西部の郷土料理。玉ねぎをじっくり炒めて旨みを引き出したスープに、鶏肉とソーセージが入り、主役の黒豆・レンズ豆は煮すぎないで食感を残している。今回は、初の試みとして天然酵母のバケットを薄くスライスしてカップに添えた。爽やかな秋空の下、カフェデッキでぜひ楽しんでもらいたい。
10.30(木)
・ホットドックやカツサンドに添えているキャベツの酢漬けの仕込みを行う。キャベツを針のようにカットするのだが、機械は使用せず、包丁一本で大量のキャベツをひたすらカット。この日は佐藤シェフ・村上さん・肥田木君が3人で並んで作業。男性が一心に仕事する姿は素敵。
<カフェの、働く男たち。>
10.31(金)
・今日はハロウィン。「トリックオアトリート!」と、元気な声で三鷹のいずみ子ども会が美術館に来てくれた。魔女、三匹のこぶた、カオナシ!工夫を凝らした子ども達の姿に感服。
<袋には、たくさんのお菓子が!>