2008年4月


4.1(火)

・この半年間ずっと忙しかった北嶋さんが久しぶりに草屋に戻ってきた。さっそく机周辺の片付けをしているのを見て、橋田さんは気の毒に思ったらしく「北嶋さん少し休みなよー。禅寺紹介しようか?」と言っていた。

・スタジオ、美術館合同で入社式が行われた。風は強かったがよく晴れた絶好の入社式日和。やや緊張した面持ちの新入社員たちは宮崎監督、鈴木プロデューサー、星野社長からの言葉を真剣に聞いていた。この日のことを忘れず、1日1日を大切にしてジブリ美術館とともに成長していってほしい。


4.2(水)

・本日より映像展示室では『コロの大さんぽ』の上映がはじまった。この作品は東京郊外の住宅街が舞台なため、お客様の中には身近に感じる方もいる様子。子どもたちにも反応が良く「楽しみにしていたの!」と嬉々として足を運んでくれている。


4.3(木)

・春の暖かさで屋上のグミの実がどんどん赤く熟してきた。きれいな緑色をしたクローバーも増えてきている。井の頭公園の桜は散ってしまったが、美術館の屋上はこれからが春真盛りとなるだろう。


4.4(金)

・カフェスタッフは、またまた天気予報とにらめっこする日々が続いている。冬の間デッキに常設しているテントを撤収する日を見極めるのだ。この日の夜に撤収する予定だったが、翌週の天気が崩れると知り延期に…。カフェスタッフの本当の春はもう少し先送りになったのだった。


4.5(土)

・本日はスタジオ、美術館全員にお弁当が配布されるお花見の日。お花見弁当が届くと同時に、お腹をすかせて待っていたスタッフは暗黙の了解で屋根に登り始めた。屋根の上から桜を見ながらお弁当を食べるためだ。平坦な部分が少ないのでバランスを取りながらおいしくいただいた。唯一、上に登れないシャカは置いていかれたと思って午後中ずっと不機嫌だった。

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<お弁当と桜、最高の組み合わせ!>


4.6(日)

・春休み真っ最中。ショップ店内もたくさんのお客様で賑わっている。今日は、ピンチヒッターで『ショップのパパンダ』こと今井さんが接客を担当。大人の雰囲気をかもし出すダンディな風貌だが、意外にちびっ子たちに大人気。今井さんの内面のあたたかさをちびっ子たちは感じたのか?「次回のピンチヒッターも楽しみにしてます!」と少なからずプレッシャーをかけるスタッフ一同であった。


4.7(月)

・カフェでは5月の休館後に登場する新メニューの開発が佳境に入っている。この日は川村さんが試作中のサンドイッチとスープの試食を吾朗さんにお願いした。最初は「晩ごはんに響かないよう軽めに」とのことだったが、「おいしいね!」とサンドイッチをペロリと平らげていた。スープもしっかり試食して、いろいろと感想や提案をしてくれた。改良点はあるものの、吾朗さんの食べっぷりにホッと胸をなでおろす川村さんであった。

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<これがそのサンドイッチ!まだ試作段階です>


4.8(火)

・桜が終わり、新緑の季節がやってきた。鮮やかな緑が爽やかだが、一部の人にはまだまだツライ時期である。くぬぎの花が満開なのだ。風が吹くたびに房状の花からは黄色い花粉が落ちてくる。やっと花粉症が治まってきたスタッフも、まだまだくぬぎ花粉に悩まされるのだった。

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<新緑の季節。>


4.9(水)

・病気で入院していた深谷課長が今日から本格復帰した。長く続いた脇腹の痛みを我慢し、1日の入社式に出席。その足で病院に行くと「すぐに入院してください」と言われたそう。気力で入社式は逃さずに参加したその危機回避能力(?)はさすが。帰ってきた深谷さんは顔色がすこぶる良く、ややスマートにもなって、しかも心なしか性格まで穏やかになってきたと評判。美術館の大黒柱として、これを機にぜひ規則正しい健康な生活を送ってほしい。


4.10(木)

・カフェでは引き続きいたるところで新メニューを開発中。キッチンの青木さんは初めてデザートの開発を担当。新しい展示に合わせたフランスのポピュラーなデザート「ブ○○マ○○ェ」は初夏にピッタリ。メニューに登場するのが楽しみだ。

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<「白い食べ物」という意味だそう。>


4.11(金)

・出口にて「おじゃましました」とにこやかに言って帰られた女性の方がいらっしゃった。その言葉には、ジブリ美術館を身近に感じてくださっているような親しみが感じられた。嬉しい気持ちになり「ありがとうございました」とお見送り。お客様からの一言一言は、スタッフの日々の励みとなっています!


4.12(土)

・月っていいもんですね。皆さん、月を望遠鏡で観た事はありますか?
本日の閉館後に、観望会が行われました。今後、美術館での観望会イベントとして何か発展して行けないかという検証も含め、2階のテラスから月を観測。前日が雨だっただけに心配された天候は、当日も残念ながら曇り。しかし、雲の切れ目から時折顔を出す月を望遠鏡で覗きました。今回使用した望遠鏡は、なんとスタジオから天文部(仮)員、撮影部の薮田さんと美術部の渡邊さんが私物の巨大望遠鏡を持ってきてくれたもので、カフェの堀口さんを含めた三者が以前からスタジオと美術館で何かおもしろい事がしたいと話していたのが発端です。薮田さんと渡邊さんの天体知識は深く、月が雲に隠れてしまった待機時間には解説が入り、気がつくと観望希望者の列が線から円に。スタジオと美術館が月をきっかけにつながった日でした。天内。

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<雲の切れ間に、月。>


4.13(日)

・『ショップの女棟梁』こと阿部ちゃんは木材で何かを作るのが大好きらしく、これまでも店内で使っている木の箱などを作っている。今回はスタッフ用無線の収納台を作ってくれた。電動のこぎりを自由自在に操り、悪戦苦闘の末見事完成!「よっ棟梁!」「このぐれ~朝飯前よ!てやんで~」……なんて声は聞こえてはこないが「阿部ちゃんありがとう!」と次回作を楽しみにしているショップスタッフ達であった。(ちなみに本当の棟梁になる気はないらしい…)

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<阿部ちゃんの力作。>


4.14(月)

・カフェでは、先週撤収できなかったデッキのテントをついに撤収し、カフェスタッフにも本当の春が到来。テント上級者の松田さん・梨子木くんを中心に作業が進められたが、テント初級の渡部さんは上級者に習いながら一生懸命参加していた。テントのないデッキは広々としていつも以上に開放的。新緑に囲まれてランチはいかがですか?

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<ひろびろとしたカフェデッキ。>


4.15(火)

・美術館の次の企画展示にあわせて、新しい商品を企画中のショップ商品開発チーム。「おっこれは!」という企画が中々思い浮かばず、日々悪戦苦闘中。スタッフに「面白い」企画の募集を募ると、「おっこれは!」と思うものや「本当に馬鹿だな~(笑)」と思うものなど結構集まった。いっぱい企画を出してくれたスタッフの協力に報いるべく、気合を入れなおして頑張る商品開発チームであった。


4.16(水)

・ショップのほしのさんが退社される事に。『宝塚歌劇団男役?ばりの美貌』そして『竹を割ったような大雑把で負けず嫌いな性格?!』で6年半の長きにわたりショップの屋台骨として、美術館を支え続けてくれた。終礼時には店内BGM(お別れの曲)の効果もあり、感極まったほしのさんの目にうっすら光るものが…。しかーし!「デスクの片づけが終わらないっ!!」と感傷に浸ってはいられない様子。大雑把なほしのさんらしいというか、なんというか…。冗談はさておき、仕事に取り組む姿勢やプロ意識は非常に見習うべきものだった。本当に長い間お疲れ様でした。たまには美術館に遊びに来てください!

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<ほしのさん お疲れ様でした!>


4.17(木)

・カフェ店内から見える裏庭をよくよく見ると猫が寝ていることが。スタッフはふとしたときに見つけては癒されている。店内のイスが水で濡れてしまい、裏のデッキで乾かしていた時は図々しくも堂々とイスに座っていた。(しかも2匹で!)癒されるを通り越して驚くこともありますが、猫好きな方は探してみてください。

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<みつかったにゃ~。>


4.18(金)

・運営の西川くんがバックヤードを歩いていると、映写技師の岩井さんがとある植栽をじっと見つめいた。何を見ているのか尋ねると「四つ葉がないか探しているんです」とのこと。その植栽とは、『ムラサキカタバミ』というクローバーに似た植物。数年同じ場所に鎮座しているがまだ四つ葉は見つかっていないようで、これからも観察は続きそうだ。

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<四つ葉が出てきますように……。>


4.19(土)

・気温の高い日が増え、カフェではクリームソーダが人気。カウンタースタッフはソーダの空き瓶を運ぶ回数が増え、冬の間にたるんできた二の腕がぐんぐん引き締まってきているとのこと。

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<ソーダ瓶エクササイズ。>


4.20(日)

・美術館にはちょっとひと休みに最適な椅子やベンチがたくさんある。形や素材も様々で、見ているだけでも面白いのだが座ってみると美術館の楽しさが更に倍増。立っている時とは目線が違うので新たな発見があるかも。また、天気の良い日は、座り心地の良さに、ついウトウト(中には熟睡)される方も。 美術館にいらした時には自分に合った椅子を見つけてみてはいかがでしょうか。

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<これはどこにある椅子でしょう?>


4.21(月)

・うららかな午後。広報部部長と小見さんが倉庫作業に出かけたところ、小見さんがまだ倉庫内にいるのに、いったいどうしてしまったのか部長は扉を施錠して先に帰ってしまった。大声を出し、扉を叩き、無事に倉庫会社の人が救出。今となっては笑い話だが、閉じ込められた時は本当に怖かったそうだ。


4.22(火)

・ショップのKさんとカフェのKさん(通称KK)が2階事務所にて仕事をすることが多くなり、事務所がとても賑やかになっている。時には賑やかを通り越してうるさいともっぱらのうわさだが、本人たちはあくまで『ムードメーカー』と言い張っていた。よくKKにいじられる厚樹さんもあきれ顔だった。。

・展示物を作っている業者さんたちとの宴が催された。仕事場ではなかなか話さないことをじっくりと聞く滅多にない良い機会。美術館に関すること、ものづくりに対するプロフェッショナルな思い、業界のこと、これからのこと、笑い話も交えながらさまざまな話ができ、こういう方々に支えられてジブリ美術館が成り立っているんだなぁ、と改めて実感した夜であった。これからもどうぞよろしくお願いいたします。


4.23(水)

・中島館長と千さん、落合くんらが米国西海岸への出張から戻ってきた。3人のおみやげセレクションは、吾朗さんとは違ってとてもおいしいチョコレート。あっという間に売り切れとなった。

・アトリエで、橋田さんが小池さんの元気な歩き方を見て「ウォーキング習ってるの?ぼくも行きたいんだよね、デュー○更○さんの。予約取れるかなー」と一言。あたかも小池さんがそのレッスンに行っているものと決め付けていた。


4.24(木)

・朝カフェデッキで掃除をしていると、様々な生きものを見かける。この日は大きなカタツムリを発見。雨が増えてひょっこり顔を出してきたようだ。改めてじっくり見るとユニークな形なので、のんびりした気持ちになった。

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<のんびりカタツムリ>


・閉館後、普段事務所ではあまり見慣れない運営スタッフ6人がパソコンに向かってそれぞれの仕事をしていた。そこに現れた安野さんが「この光景異様!Nさん、目が怖くなっているよ!」と爽やかな顔で屈託のない指摘を…。遅い時間でやや朦朧としていた一同はその言葉(毒?)で目が覚め、仕事を一区切り。安野さんおすすめのトンカツ屋さんへと向かったのだった。


4.25(金)

・北嶋さんと安西さんが山梨県にある鯱丸(しゃちまる)さんの工房へ。鯱丸さんといえば、屋上のロボット兵やパティオの排水溝の蓋、日テレのからくり時計などを手がけた造形作家。実は現在美術館某所向けに新しい展示物を制作中。早ければ来月の長期メンテナンス中には設置することが出来そう。どんなものになるのかとても楽しみである。


4.26(土)

・今年のラムネ販売がカフェデッキで始まった。まだ半袖では涼しい気候だったが、この日を待ちわびていた松田さんはやる気満々!ラムネは子どもたちに大人気で、自分で栓が開けられたのを飛び跳ねて喜んだり、ラムネを一口飲んでは「ウォー!!」とトトロのように叫んだりとラムネワゴンの周りはとてもにぎやかだった。

・ショップでは本日より『ジブリミュージアム×SOU・SOU』コラボレート商品が販売開始となった。待ちに待った新商品! デザインをして下さったSOU・SOUテキスタイルデザイナー脇阪克二さんによると、「風や水の流れをイメージしたボーダーとアルファベットやカタカナ文字を使ってモノグラムパターンのテキスタイルを作りました。カラフルでポップ、ジブリミュージアムが持つグローバル感や普遍性を意識しました」との事。
また今回 『伊勢木綿』という江戸時代から続く伝統工芸品を使った手ぬぐいやシャツも展開。現在では作り手が臼井織布(株)1社となったため、大変貴重となったこの木綿は洗っていくうちにのりが落ち、生地がやわらかくなる。この肌触りこそが伊勢木綿の魅力なのだ!

ご来館の際は是非、ショップにお立ち寄り下さい!

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ジブリモノグラム足袋下(大人用2種類¥1,260、子ども用¥945)小巾折り(各2種
¥1,890)、手拭い(各2種¥1,260)、シャツ(各2種¥11,550)

Fioモデルシャツ(¥11,550)FioモデルTシャツ(¥5,800)


4.27(日)

・幼稚園児くらいの男の子がカフェの入り口にあわててやって来た。スタッフが駆け寄ると「おしっこありますかぁー?!」と店中に聞こえるぐらいの大きな声。男の子のあまりのあわてっぷりに思わず「おしっこあるよ!」と答えてしまった。ちなみに、用を済ませてトイレから出てきた男の子は、お尻が出たまま外に飛び出ていった。

・ゴールデンウイーク突入!あちこちで地方の言葉が飛び交い館内は活気に溢れている。映像展示室に映画の内容を確認に来たお父さんが「コロの犬さんぽですよね?」と真面目な顔で質問。しばらくの沈黙の後、お父さんもスタッフも大笑い。本当のタイトルは「コロの大(おお)さんぽ」です!


4.28(月)

・1階の企画展示室、くまの家で『かくれクロスケ』を発見した女の子がいた。ライトの光で偶然できた真っ黒い影の中に輝く二つの目。まさにマックロスロスケ!1年間『3びきのくま展』を見守ってきた1階スタッフたちは今回の発見に驚き大興奮。「3びきのくま展」ラストスパートにして最高の発見だったと同時に、長い間見ていても気がつかなかったことを一瞬にして発見する子どもの観察眼に感服する一同だった。


4.29(火)

・先週帰国したばかりの千さんは今度は高見さんと一緒に名古屋へ出張。先発で入っている阿部さんや、追いかけで入る橋田さんなど、夏のプロジェクトに向かって目に見えて忙しくなってきた。新企画展示の作業も大詰め。アトリエでは日々打合せスペースをやりくりして場所を確保するのが大変になっている。


4.30(水)

・総務KさんとカフェのKさんがバックヤードで作業をしていると、物陰から体長7~8センチほどの蜘蛛が飛び出てきた。「もしやタランチュラ!!」とデジカメを向けたのだが上手く撮れない。普段はそのやさしさから仏と評される総務Kさんだがよほど写真に収めたかったのか、どこからか棒をもってきて物陰をつついていた。意外な一面だった。

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<奮闘むなしく、なかなかうまく撮れません>