2009年5月
5.1(金)
・事務所にある工事が入る。その作業に来てくれた工事担当の方が、なんとウォレスとグルミットのウォレスにそっくり。あまりにも似ていたので、立ち会っていた人たちは、「そのうち何か事件が起きて犬(グルミット)が助けにくるのでは…」と、思わずにいられなかった。
5.2(土)
・ショップにて、今日からTシャツの新作が販売された。美術館をモチーフにしたデザインで、屋上のロボット兵が刺しゅうされたデザインだそうだ。
5.3(日)
・美術館の表舞台が賑わう傍ら、迫る長期休館に向けて、担当者はその準備に余念がない。その一人である天内さんは、積もる仕事の多さに夜な夜なケモノのような唸り声を上げていた。が、ある時から様子が一変。一線を越えてしまったのか、芸人?と見まがうほどの快調なトークを繰り広げており、おかしなテンションになっている。周囲のスタッフは「長期休館前にそのエネルギーが尽きてしまわないように。」と、影ながら祈る日々を送っていた。
5.4(月)
・毎朝行われている朝礼で、山﨑事務局長から、訓示が。「私は前職時代、視察調査と称して全国津々浦々にどんどんでかけていました。外にでるとくよくよ思っていたことも小さく思えたりします。ですので皆さんもお休みの期間は、是非外にでてみてください!」なるほど、山﨑さんの変わらぬフレッシュさの秘密を垣間見ることができた。
5.5(火)
・テイクアウトでアイスを買おうとしていた小学生の女の子。かなり長い時間悩んで注文したのはカシスのシャーベット。どうしてカシスにしたのかたずねてみると、「お肌にいいから!!」との答えが。思い掛けない答えにびっくりしつつも、女心に共感するスタッフだった。
5.6(水)
・ステンドグラスの扉からサンクンテラスに出た瞬間、香ってくる優しい香り。「いい香りがするのですが、なんの花ですか?」というお客様が多いのだが、その正体はみかんの花。みかんを見たことがあっても、みかんの花を知っている方は意外に少ないよう。その他にも、サンクンテラスでは、ジャスミンの花にバラの花が咲き、新緑の中の鮮やかな彩りとなっている。
5.7(木)
・試行錯誤をしつつ、決定された展示替え休館後から始まるカフェの新メニュー。この日はそのメニューがどんな料理なのかを知るため、海外事業部の馬さんもやってきて勉強会が行われた。佐藤シェフの話しにペンを走らせながら、「どんな言葉を用いたらこのおいしさを伝えられるか」悩むスタッフ。できる限りの知恵をしぼろう、と思うのであった。
<ご期待ください!>
5.8(金)
・雨上がりの夕方、空に二重の大きな虹が現れた。美術館で打ち合わせをした帰りの広報部・西岡部長と小見さんもうっすらと消えつつある虹に大興奮。「部長、写真撮ってください!写真!」「えー」「信号変わる前に!はやく!」と信号待ちで激写。東に虹、西に夕陽と美しい時間なのに、なぜこの2人?という疑問を抱えつつも、世界は美しかった、とのこと。
<広報部をつなぐ虹の架け橋?>
5.9(土)
・「崖の上のポニョ」展準備のため、宮崎監督もアトリエでこつこつと作業をしている。そんな日々の息抜き担当は、やはり宍戸さんの愛犬:シャカ。宮崎監督がシャカがよくする”伏せ”のポーズから象形文字を作り出し、シャカの名前として新しい漢字を生み出した。
<シャカ談:「自分はこのポーズでみんなの仕事を見守ってあげてますが…」>
<シャカ談:「このたび宮崎さんがこんな文字を描いて…」>
<シャカ談:「これで”ししど しゃか”と読ませることなりました。よろしく。」>
シャカそのものの文字に大笑いしつつも、今日も深夜まで作業は続くのだった。
5.10(日)
・「小さなルーヴル美術館展」は本日最終日。展示替え休館後はいよいよ「崖の上のポニョ」展が始まります。閉館後の夕暮れに「小さなルーヴル美術館展」の展示物が次々と搬出されていくのを、館長は静かに見つめていたのでした。
5.11(月)
・今日から美術館は約2週間のお休みです。とはいえ展示替えやメンテナンスをするスタッフにとっては、この間にしなければいけないことは盛りだくさん。ひと気の少ない館内を猛烈に走り回る日々がはじまった、ともいえます。次の開館日・23日(土)からまた素敵な時間をすごしてもらえるよう、あちこち手入れをしていきます。
<細部も念入りに>
5.12(火)
・美術館の中央ホ-ルには足場が組み立てられ、いつもと全く違う様子になってきました。天内さんと北嶋さんはヘルメットを装着し、高さ10mを越す足場のてっぺんに登ってます。これは普段絶対に手が届かないところ。
<これ、どこだかわかりましたか?>
5.13(水)
・西川さんと伊神さんは晴れ間をぬって、たくさんあるテントの天幕を洗っています。汗を拭き拭き、洗って干して、1日がかりの作業となったようだ。
<なかなかの重労働。>
5.14(金)
・もうすぐ発売される『動物農場』のDVD。今日はそのお知らせのため、館長がラジオの取材を受けています。取材にきてくれた方は次回ライブラリ事業提供作品『ウォレスとグルミット』の大・大ファンだそうで、取材終了後も、「次の作品の魅力はですね…」と、話しはさらに広がっていた様子。
<東京FMで放送予定>
5.15(土)
・とうとう「崖の上のポニョ展」の設営開始!展示チームのパネルや渾身の立体展示物が次から次へと搬入・設置されていき、その活気ある様子はまるでお祭りのよう。予想以上の大きさに「まさか、入らない…!?」と一瞬不安もよぎったものの、何とか無事に搬入を終えることができました。
<大漁!?いえいえ展示物の一部です。>
5.16(日)
・ガゼボのノバラ。お客様がいらっしゃらない時に毎年咲きほこる。
<そんな花もいる>
5.17(月)
・夕方4時半過ぎ、北嶋さんと大口さんはそわそわしだした。「風は?」の問いに「西南より!」と、にんまりする二人。メンテ中の息抜きに、凧揚げをしようとたくらみ、滝口さんや天内さんを誘い、く西園へ繰り出していきます。館内はペンキのにおいが充満しむせかえるほどだったので、久々に大きな深呼吸をしてリフレッシュできた、とのことでした。
<いい風が吹いてきた夕暮れ>
5.18(火)
・お客様のいないカフェ店内では、ディスプレイ替えが行われています。今回は中庭も植物で沢山にしようと、麦わらぼうしにエプロン姿で植物の植え替えをしている北川さん。途中、背後で誰かに見られている気配を感じ振り返ると、3匹の猫が一定の距離を置きながらじっとこちらを見つめているのでした。夏のような日差しと、猫に見守られながら植え替えに勤しむ北川さんなのでした。
<新しい空間になりました>
5.19(水)
・ショップでは、店内のレイアウト変更が行われています。各セクションに分かれて、あちこち試行錯誤しながらレイアウトするスタッフ達。休館明けから始まる「崖の上のポニョ展」に関連した美術館オリジナルグッズも店頭に並び、商品開発に携わった店長の郎さんや市来さんは、出来上がってきた喜びと同時に、無事開館までに間に合った事に、心底胸をなでおろしたのでした。
5.20(木)
・ネコバスのメンテナンスも今日で終了。一年間の長きに渡った勤めを果たし4代目は引退し、今回でなんと5代目のネコバスへ世代交代。ふわふわではちきれんばかりのネコバスがお待ちしています!
5.21(木)
・休館中の本日、運営スタッフ総勢35名は奥多摩のキャンプ場に一同に集まっていた。今日はスタッフ同士の更なる結束を深める目的で企画された、「運営レクリエーションの日」。バーベキューや、深谷審査員によるチーム対抗餃子対決など、盛りだくさんの内容。そしてこの日のフィナーレは、運営スタッフ全員で行うフォークダンス!マイムマイムにオクラホマミキサーと、たくさんの大人達が真剣に踊る姿は、35名全員の気持ちを一つにしてくれた。閉館後に準備を重ねてきた実行委員達は、笑いが絶えぬ1日になったことにホッと胸を撫で下ろしたそうだ。
5.22(金)
・間もなく始まる「崖の上のポニョ展」を話題の中心に、広報部は全員でミーティングをしていた。これから始まる「男鹿和雄展」の長野巡回展、大阪では「レイアウト展」、そして現代美術館で7月からはじまる「メアリー・ブレア展」と、他にもDVDの発売を控え、報告事項はもりだくさんで全員力が入る。……の、はずなのだが、まるで日曜日のお父さんのようにくつろぐ西岡部長。一家団らんのような雰囲気ではじまった打ち合わせになった。
<部長、くつろぎすぎですよ>
5.23(土)
・いよいよ休館明け、新企画展示「崖の上のポニョ展」が初日を迎えました。この展示の為にチケットを購入したというお客様の声もいただき、あらためて気が引き締まる。展示室内では、大人の方は宮崎館主の書いた説明文を一つ一つご覧になっている様子。そして子どもたちは、立体になった大きなポニョに興奮気味で体ごと楽しんでいる様子。その姿に、老若男女問わずポニョが愛されていることを実感させられる。映画「崖の上のポニョ」のエネルギーを、ぜひ皆さまにも感じて頂ければと思います!
5.24(日)
・実は三鷹駅の各所には「崖の上のポニョ展」のポスターが貼られている。階段や改札などそこここで、動き出そうとするポニョの絵が見られるはずです。三鷹駅を通る時には、小さく存在しているポニョを探してみてはいかがでしょう?
<あんなところにも!三鷹駅のみなさん、ありがとうございます。>
5.25(月)
・ショップでは「崖の上のポニョ展」にあわせて登場した新しいグッズの勉強会が行われた。中でも「ポニョパラパラブック」は、パラパラマンガのように紙をめくることで、手にとってポニョや宗介が動きだすことが感じられ、じっくり楽しめる商品だ。「アニメーションは、こうやって動いてるんだ!」「ほんの数秒動かすために、こんなにたくさん絵を描くんだ!」と、思わずにはいられない。館長からパラパラブックの絵柄選定に至るまでにの説明もあり、スタッフにとっても動画の知識を得る良い機会となったのであった。
<商品見ながら館長が解説中>
5.26(火)
・「崖の上のポニョ展」がお目見えしてから、初めての休館日。たくさんのお客様に見ていただき、早くも気になる箇所がでてきた展示物について、さっそくあちこちに手が入れられる。今回特にスタッフがどきどきしているのは、水球に入ったポニョ。水の漏れや破れはないか、念入りに確認作業を行うスタッフだった。
5.27(水)
・ニックパーク監督の最新作「ウォレストとグルミットベーカリー街の悪夢」の完成披露試写会に向けて、会議が行われた。ニックパーク監督と、吹替えを担当してくれた津川雅彦さんと森公美子さんをお招きするために確認をしあい、細かく検討を行う。しかし今回の担当者一覧の中で、みんなの目を引いたのは「オブザーバー:深谷」の文字。ジブリ美術館の特命係長こと深谷さんの仕事ぶりに、期待の集まる会議となったのでした。
<会見の成功のために…>
5.28(木)
・夕方、パティオで薪割りが行われた。この日は筋トレが趣味と公言してはばからない新人の高野君が初挑戦! 薪割りベテランの市川くんから男の仕事をしっかり引き継いでいた。
<腰をつかうのだよ>
5.29(金)
・これからの季節に向けてぴったりの美術館オリジナル商品がショップに新たに仲間入り。「紋章タオル シェニール織」。このシェニール織りというのは、一度織った生地を裁断し、モール状の糸にして再度織ることから、「再度織り」とも呼ばれるとのこと。裏表が無く、両面ともに柄を楽しめます。一つ一つ人の手により撚り合わせ、8時間かけてたったの1メートル(!)しかできず、実に手間隙をかけ丁寧に作られてます。
5.30(土)
・そろそろ梅雨入りの気配を感じる今日この頃ですが、トライホークスも梅雨景色のウィンドウへ。小さな子どもたちがおたまじゃくしを数えている姿がかわいらしい。
<なん匹いるかな?>
5.31(日)
・最近体調の優れない日々の続いた厚樹さんは、マスクをつけて出勤。風邪をひいた安野さんとともに、マスク姿の男性がうつむいて机に向かっていると、ちょっと沈んだ雰囲気になる。が、そんなこと気にも留めず、「どっちが移したの~?」とほがらかに質問する机さんに、2人はお互いを指差しあっていた。