2009年7月
7.1(水)
・カフェの畑からのお知らせ第2段!本日は雨の合間、カフェの佐藤シェフ一行は練馬にある中井川農場に出向いた。ここは自然農法を長年されている農家で、有機肥料もほとんど使わず、微生物や雑草、益虫など自然の仕組みを生かした農業を営んでいるそうだ。畑の至るところにライ麦を敷き、それに付くてんとう虫やクモなどが害虫を食べてくれるそう。「スギナが今年は多いんだ。土が酸性だとアルカリの強いスギナが沢山生えて、中和する自然の働きがあるんだよ!」と自然の仕組みを熱く語る中井川さん。枝豆、とうもろこし、えごま、不断草、おかのり、おかひじきなどなど。またまた持ち帰ったキッチンで試作づくり。さてどんな料理に変化するのか、楽しみです。
<店頭では見かけない野菜を畑で採らせていただきました>
7.2(木)
・明日発売開始となる『崖の上のポニョ』のDVD。他にも昨年武道館で行われたコンサート「久石譲in武道館」のDVDも同時に発売という事で、閉館後のショップではその準備におおわらわ。この為に様々な構想を練り用意したキャプション等を用いてレイアウトの変更に臨むスタッフ。全ての準備が整ったのは、日付が変わる少し前だった。皆ヘトヘトとなっていたが、明日手にとってくれるお客様の顔を楽しみに、深夜の美術館をあとにしていった。
7.3(金)
・カフェの店内に新しく加わった押し花たち。この押し花を飾っている額は今回のカフェ店内のテーマ、「お母さんの手作り」をイメージして渋谷さんが井の頭公園で枝を拾って手作りしたもの。想いを込めて作った額縁は手作りの温かさが感じられる、カフェにぴったりのものとなった。
<探してみてくださいね>
・さて、ポニョのDVDの発売初日を迎えたショップでは、ちょっとしたサプライズ企画が進行されていた。それは...DVD「崖の上のポニョ」のテレビCMに出演し、「僕も50年前は宗介でした。」というフレーズを発していた事務局長の山崎さんの登場。宗介の帽子をかぶり、CMそのままの装いでショップの入り口でお出迎え役をしていた。実直さには定評のある山﨑さんなのですが、こんな仕事も引き受けてました。お客様の中には、「あっ!CMの人!」などと声をかけてくれるうれしい一コマもあり、上々、だったそうだ。
<まっすぐな心は宗介と同じかもしれません>
7.4(土)
・カフェのデッキでは、先週のキュウリにプラスされ、今週は枝豆の販売を行った。先日日誌にも登場した練馬の中井川農場まで、今度は深谷さんが集荷に出かけた。採れたての枝豆をたくさん積んだ車内は、みどりの強い香りに包まれ、深谷さんは意気揚々と美術館に到着。すぐにカフェで枝付のまま湯がいて販売の準備に入る。この日の天気予報は雨だったが、深谷さんの想いが通じたのか穏やかな曇り日となり、ラムネ、キュウリ、枝つき枝豆は沢山の親子連れの口を潤してくれたそうだ。
7.5(日)
・数日前からショップの植物担当こと菅野さんは、出窓で「朝顔」を育て始めた。毎日出勤しては「芽が出てるかなぁ?」と、気にしている。その姿はまるでトトロに登場するサツキやメイのよう。そんな気持ちが通じたのか、なんと3日後に発芽をし、スタッフは驚きの声をあげるのであった。少しずつではあるが日々成長していく朝顔。綺麗な花を咲かせるのが今から待ちきれない様子の菅野さんは、まるで小学生の頃に戻ったかのようであった。
<夏休みの宿題「観察日記」を思い出させてくれたそうだ>
7.6(月)
・夏恒例、三鷹市阿波踊りの練習が始まった。今年は4月に入社の新人も含めたフレッシュなメンバー。既に踊りに目覚めた新人達は、夜は自宅の窓を見ながらガラスに映った自分の姿で踊りを確認しているそう。8/22(土)の本番に向けて、三鷹市役所の方々と共に、暑い、熱い、練習は続きそうだ。
7.7(火)
・休館日を利用してカフェで使っているコースター作りが行われた。ベースの色が塗られたコースターに、下拂さんがとても可愛く素敵な下絵を描いてきてくれた。色付けはみんなで行うことになったのだが、みんな緊張の面持ち。作業に取り掛かると黙々と色付けをしていた。
時間が経つのも忘れ、それぞれ試行錯誤しながら40枚が完成。最初は不安げに始めた色付けだったが、出来上がったコースターを見て、みんなにんまりと会心の笑みを見せていた。
7.8(水)
・「いやいやえん」のさし絵で著名な山脇百合子さんが来館された。美術館オリジナル短編映画「くじらとり」の原作で素敵な絵を楽しませてくれていますが、今日は来館の記念に男の子の絵を描いてくれた。それを見た深谷さんは、「俺も書けるかな...」となぜか絵心を刺激された様子。しかし周りのスタッフには「全然違う!」と言い放たれてしょんぼりしていた。
7.9(木)
・サンクンテラスの亀風呂の中にある水蓮に花が咲いた。うだるような暑さの中、水の中に浮かぶピンクの花は涼しげでかわいらしく、お客様もスタッフもすっかり癒されています。
<日中は花が開き、陽が陰ると花は閉じます>
7.10(金)
・海外の方々は一足早く夏休みのようで、美術館はアジアに欧米の方など国際色豊か。あちらこちらでいろいろな国の言葉が飛び交う中、ハワイからいらした日系の年配の男性は、「こんにちは!」と会うスタッフごとに元気に挨拶をしてくれている。「久しぶりに日本語を沢山話せそう!」と、目に飛び込んでくる文字や言葉を楽しそうに繰り返していた。
7.11(土)
・今日は閉館後に「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」のブログ記者向けの特別試写が行われた。試写会には小さな子どもたちも多く参加してくれたが「とってもハラハラするシーンがたくさんあって、おもしろかった、って書く!」などのコメントとともに帰っていった。この新しい試みにドキドキとわくわくがいっしょくたになるライブラリースタッフたちだった。
7.12(日)
・昨日は「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」の試写で宣伝プロデューサーとして解説をしていた内野さん。そんな内野さんには双子のお姉さんがいる。本日土日恒例のワゴン販売でせっせとラムネを売っていた深谷さんは、ラムネを買いにきた内野さんを発見。ところが深谷さんを全く無視。もしや、と思い、「内野さんのお姉さんですか?」と声をかけたところ、「どうしてわかったんですか!」とびっくり顔だったとこのこと。深谷さんは「一卵性はおもしろいなあー」と言っていたが、内野さん本人がめんどくさいのでお姉さんのフリをしたのではないか?、と「双子便利説」もウワサされていた。
7.13(月)
・カフェに勝沼のぶどう農家から間引きしたぶどうが届いた。それをキッチンスタッフが何かに使うようだ。間引きされたぶどうは普通なら捨てられてしまうことが多い。しかし若くてエネルギーがぎゅっと詰まったぶどうをなんとか美味い料理に出来ないかと、ジャムにしてみようかソースにしようか...と頭をひねりながら試作をする姿はぶどうの力に負けない位、エネルギッシュ。いつか麦わらぼうしの料理に使われる日がくるのが楽しみです。
<丁寧にぶどうを調理してます>
7.14(火)
・この日ショップ横の階段で、夏の準備が行われていた。簾をかけるためにハシゴに昇っているのはまだまだまだ若いはずなのに汗だくのショップ店長・中島郎さん。明らかに動きの鈍い郎さんに、北嶋さんらから容赦ないダメだしが飛ぶのであった。
<涼しげです>
7.15(水)
・夏休みのみアルバイトで働くスタッフが入社し始めたが、朝礼で挨拶するその姿はフレッシュさ満点。20才前後の学生さんが多いので、平成生まれが多いのです。その若さとフレッシュさで、この夏はガンガン働いて美術館を盛り上げてください!
7.16(木)
・美術館では、月に1回防災訓練を行っている。実際大規模な地震が起きた時、満席の映像展示室でどのように避難誘導するか?今回は、自衛消防隊で指揮者を務めた堀田君率いる防災班が主体。訓練を行う前に、事前に訓練の内容を話し臨んでも、いざ訓練を行うと想像していなかったことや気付くことも多くスタッフ役も、お客様役も考えさせられる訓練となった。
7.17(金)
・22日の部分日食に向け、数人がかりで十数個のピンホール式ダンボール箱の制作が行われていたが、何とか準備完了。無心になって作業をするその姿はまるで女工さんたちのようだった。あとは晴れることを祈るのみだが、最近の天気予報では、残念ながら当日は雨予報。気象予報士の資格を持つ山本くんに天気図をみてもらいつつ、奇跡が起こることを祈るばかりの日々である。
<女工哀史...>
7.18(土)
・「ウォレスとグルミット ベーカリ-街の悪夢」が公開初日を迎えました!渋谷のシネマアンジェリカの前にできた人だかりをみて、ホッと安心するスタッフたち。いつも「誰も来てくれなかったらどうしよう...」とドキドキの初日なのです。この調子で夏休みにむけて盛り上がってくれるといいなあ、と願わずにはいられません。
<ありがとうございます!>
7.19(日)
・「おっきな虹が出てますよ~、しかも二重!!」・・・閉館後、慌てて事務所に走りこんできた鈴木さん。テラスに駆けつけたスタッフみんなで、「こどもの頃、虹の上を歩くの想像したりしたなぁ。」「えっ、私はぶらさがり派だった。」など、あれやこれやと虹談義。最近は不安定な天候に翻弄されながら働いている毎日だが、予期せぬプレゼントにちょっぴり元気になった美術館スタッフでした。
7.20(月)
・カフェデッキのブルーベリーが青く色付き始めた。だいぶ熟しているものもあり、まじまじと見られているお客様も多い。しかし今年の実の生りは例年に比べると少ない様だ。デッキで収穫したブルーベリーでジャムを作ろうとはりきっていた田倉さんは少し残念そうだったが、「きっと来年は豊作なはず!」と来年に期待を寄せていた。
<また来年も実ってね>
7.21(火)
・机の上に突然こんなパンが。「わー誰が買ってきてくれたの~?」と大騒ぎしつつおいしく頂きましたが、「ウォレスとグルミット」を劇場でみた寒河江さんが、劇場近くで販売するパン屋さんで購入して差し入れしてくれたのだ。
<国産小麦と天然酵母のパン>
7.22(水)
・今日は待ちにまった日食デーだったが、祈り届かずで東京は雲のかかった一日。ピンホール式ダンボール箱での観察ができずがっかりしていたところ、突然「見えた!」という女の子の声が・・・。一瞬の雲の切れ間をぬって、うっすら雲がかかり、欠けた形が浮き彫りになった太陽を観ることができたのであった。予定通りに観察できなかったのは残念だけど、3年後の金環日食でのリベンジを心に誓ったスタッフ一同なのであった。
<これがピンホール式ダンボール箱>
<晴れてればこの丸が欠けていく様子が観察できたはずなのです>
7.23(木)
・日食観察の強力な助っ人として来てもらっていた渡邊さん。望遠鏡を設計できたり、天文に詳しかったりと博学なのですが、本職はアニメーション美術スタッフ。午後に久しぶりにやってもらった少女の部屋での背景画実演は大人気。夏休みの宿題で絵を描くと言っていた子どもたちなど、沢山の人たちに囲まれて賑わっていた。またよろしくお願いします!
<展示室での実演の様子>
7.24(金)
・先日現代美術館ではじまった、メアリーブレア展。この開催までは山アリ谷アリで窓口を担当していた落合くんは、アメリカとのやりとりや遺族の方をご案内したりと、本当に八面六臂の大活躍。顔つきが変わったよね、と女性スタッフの間でうわさになるほどのだった。が、落合くんは「え、顔が変わったって言ってるその女性って誰ですか!?」となにやらうきうきとしているらしい。
7.25(土)
・今日は三鷹第四小学校で行われる、「むらさき祭り」。夕方には『崖の上のポニョ』の野外上映が行われるため、美術館スタッフも実行委員会の皆さんと協力し、強風の中巨大スクリーンを3時間もかけ校舎に設置。そのかいあって、スクリーンのはためきは最小限におさえられ、夕闇の中上映会は無事にはじまった。映画館でみるより、ちょっと波が多く動いている気もしつつ!?、野外ならでは、の映画の楽しみを堪能できたようだった。
<映画のスクリーンって大きいですね>
7.26(日)
・本日の「むらさき祭り」には、ショップスタッフ数人が参加。お祭りは夏の楽しい雰囲気が漂っており、なんだかそこにいるだけで楽しい気分に。気がつけばお祭りを楽しむたくさんの子どもたちの輪に混ざり、やぐらを囲んで盆踊りをしているスタッフの姿が!その中でも、一番の輝きを魅せているのは、事務局長の山崎さん。年季の入ったなめらかな動きに、「さすが」の一言しか出ない若手スタッフ一同なのであった。
7.27(月)
・今日はショップに珍しいお客様が。プライベートで遊びに来た、美術館のお買い物女王:こと、石光さん。美術館オリジナル商品のリリパットレーン「グーチョキパン屋」をお買い上げ。これは『魔女の宅急便』でキキが働いているパン屋を小さなフィギュアにしたもの。イギリスで作られていて精巧な仕上げと独特の雰囲気が特徴の商品。石光さんの話では、「ショップに登場した時から購入を決めていた」とのこと。"家"という大きな建物が手のひらサイズで作られており、映画では見られないような細かな場所も、どの角度からも楽しめるのが一番素敵なところ!とのこと。
<マイホーム、購入>
7.28(火)
・今日はカフェの料理を作る"作り手たち"の取材。佐藤シェフはさすがに取材もなれたものですが、今回はあの大きなケーキを作っている深沢さんや、丁寧にコーヒーを入れる丸山くんも登場。ぎこちない2人をカメラマンさんは、「あ、いい目線ですね~、そのままそのまま...はい、微笑んでみましょう、最高~!」と上手に誘導。その巧妙さについ周りのスタッフも吹き出して笑顔になってしまう。空気作りの"職人ワザ"。料理ももちろんですが、いろんな名人芸に感心する一幕だった。
7.29(水)
・中央ホールで、どこを見るでもなく佇んでいる欧米の初老の男性。去り際に「この床は何の木からできているの?」とごあんないじょに質問にいらっしゃった。「オークです」とお伝えすると頷きながら「この美術館は木の香りが漂ってとてもいい」と笑顔。時間や天候、季節により、様々な表情変えるジブリ美術館だが、視覚だけではなく、嗅覚でも美術館を楽しんで下さっていることが嬉しく、そして新鮮に感じたスタッフだった。
7.30(木)
・この時期にカフェの「ふぞろいイチゴのショートケーキ」に使われるイチゴは、長野県原村にある農家さんのもの。東京ではイチゴの旬は春ですが、標高1000mを超える原村は今が最盛期をむかえている。大量に収穫されたイチゴを「ジャム用にいかがですか」と農家さんからご好意があり、堀口さんは午後からイチゴの集荷に向かった。発泡スチロールの保冷ボックスに氷を敷き、塩をかけ、輸送の準備は万端。「理科の実験みたいですね!」と、準備を手伝う田中さんはワクワクしていた。数時間後、10kgものイチゴがカフェに届けられ、新鮮なうちにヘタ取りが始まった。
7.31(金)
・明日から秋田の角館で、男鹿和雄さんの画文集 『秋田、遊びの風景』の出版を記念した<秋田、遊びの風景展>が始まる。角館の方々が手弁当で準備し開催にこぎつけたこの企画、本も展示も観ていると何だか心があったまるような内容なので、皆さん是非足を運んでみてください。