2009年1月


1.3(土)

・2009年最初の開館日。雲ひとつない快晴で、空気もお正月らしく澄んでいる。門松やお供えなどのお正月飾りに彩られ、清々しい朝だった。
スタッフ一同、気分も新たにそれぞれの仕事に早速励んだのだった。


・カフェでは朝早くからスタッフ総出で仕込みを行った。ベテランスタッフが多いため、正月気分を感じさせない仕事っぷり。

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<カフェの仕事はじめ。>


・朝一番、滝口さんと西川くんでサンクンテラスの亀風呂を水洗いした。その作業中にお話ししたご夫婦。何度も美術館に来てくださっているという奥さまは、普段とは違う2層に分かれた亀風呂に興味津々。実はご主人が、銅を使って作品を作っているそうで、作り手ならではの視点で掃除のアドバイス。対して奥さまは主婦ならではの視点で、掃除の仕方をレクチャー。こうしてお客さまと出会い、お話しするのがスタッフの日々の喜びだ。


・お正月休みということで、仲良し一家で、とても楽しそうに過ごされている様子の方が多い。とはいえ、子ども達の中には冬休みの宿題が気がかりな子も。「宿題を思うと…」という男の子がいたのだが、帰る時には「今日の楽しかったことを日記に書いて先生に見せるんだ!」と元気に話してくれた。


・キンカンの木(通称:ゴロウさんの木)を昨年末に美術館の入口付近に植えた。寒い時期だが、しっかり根付き大きくなってもらいたい。2階事務所にて、キンカンが話題に上ったところ「もうアゲハ蝶にやられていたよ」と新年早々うそぶいた深谷さんは、「お正月からうそつき」と総務の小池さんに責められていた。

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<元気に育ちますように。>


1.4(日)

・今日も朝から、せっせとデッキを掃く山﨑さん。年末年始は飲み明かしたのかと訊ねたところ、「いやぁ、血圧が身長よりも高いんだよ」との回答で、一同大爆笑。しかし、本当はあまり笑えないこと!今年は、ぜひお酒を控えてほしいものだが、深谷さんと堀口さんの夜のお誘いからは逃げられないそうだ。

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<摂生、摂生、>


・新年早々カフェのパソコンの調子が悪化。システム管理部・北川内さんが駆けつけた。慣れた手つきで作業を進め、直ったはずだとパソコンを起動すると、ガガッ、ガガガー!とひどい音が…。「あれ~?」と修理を再開する北川内さん。作業に没頭する後姿は機械音痴のカフェスタッフに尊敬の眼差しで見つめられていた。

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1.5(月)

・東北からお越しという2人組のご婦人。ごあんないじょカウンターにある鏡餅を「本物の、いぃお餅だぁ」と褒めてくださった。カウンターを担当していた澤登さんが、乾燥がひどくてひび割れてしまうのが残念と伝えると、「ラップかけときゃいいっぺ」「んだんだ、お供えにはラップだぁ」と知恵袋のような助言。澤登さんは、素朴であたたかいお2人のことを大好きになったそう。


1.6(火)

・昨年末から段々とポニョの海外公開が進んでいる。海外で暮らす元美術館スタッフから「やっと見られる!嬉しい」という声が届くようになった。ぜひ楽しんでもらいたい。


1.7(水)

・お菓子作りやお裁縫が得意なカフェの下拂さんが、りんごと黒糖のケーキを作ってきてくれた。上にクランブルとくるみがのっていて、とても美味しいと大評判。レシピを教わるスタッフもいたほど。腹ペコのカフェスタッフによって、ケーキはあっという間になくなってしまった。

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<ごちそうさまでした!>


1.8(木)

・天気予報では、深夜から雪。閉館後、雪に備えて準備を行った。「この時期がついに来ましたか!」と、総出でてきぱきと動くスタッフたち。雪が凍ると危ないので、通路や階段にブルーシートを敷き万全の体制。寒さに凍えた体は、力仕事でいつの間にか温まっていた。


1.9(金)

・雪に向け、備えていた美術館一同。「もしかしたら降っているかもしれない」と夜中に何度も起きたというスタッフも。それなのに……、本日は雨。交通機関の乱れなどもなく、ホッと一安心だが、すこし残念。お客さまの中にも「いつもとは違う美術館が見れるかもしれないと思っていたので、残念です」とおっしゃっている方が。ちなみに、一番がっかりしていたのは雪の中の美術館を撮影しようと張り切っていた深谷さんたちだった。


・アトリエにて鏡開き。お供えを細かく砕き、揚げもちにしたりお汁粉にしたり。おいしいお餅に舌鼓をうった。

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1.10(土)

ライブラリー作品「動物農場」が始まってから、ライブラリーチームの机にはブタグッズがどんどん集まっている。PCの上に並んでいたり、ペンだったりと様々。広報部は、次は緑ジャケットがおしゃれな彼が集まるのでは、と予想している。

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1.11(日)

・2年前の冬にも来館されたというお客さまが、ショップでループウィラーのスゥェットを購入された。2年前にも当時のモデルを買われており、着心地の良さを気に入ってくださったそう。「良い物をきちんと作る」という想いが伝わっていることに「本当、感動しました」とスタッフの白木くん。そんな彼も、毎日のようにループウィラーを愛用している1人だ。


1.12(月)

・本日は成人の日。晴れ着姿のお客さまも来られ、美術館が華やいだ雰囲気に。片手では数えられないほど前に成人式を終えたスタッフにとって、若々しい新成人が眩しくてたまらなかったそう。なんと、「自分は何年前に成人式を迎えたのだろうか…」とすぐに思い出せないスタッフもいたとか。


1.13(火)

・カフェでは、丸山くんを中心にテーブルなどにワックスをかけた。たっぷり塗ったワックスを乾かして、布で磨きあげると……
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ピカピカに!その仕上がりに、スタッフは大満足したのだった。


1.14(水)

・まだ冬休みということで、東北や北海道から子どもたちが来館。同時に、海外では、オーストラリアやブラジルなど「夏休み」というところも。館内では方言や、異国の言葉が飛び交い、バラエティに溢れている。


1.15(木)

・夏休みを利用して、オーストラリアから来た小学生の兄妹がネコバスへ。日本人なのだが、現在はオーストラリアに住んでいて、山あいの小さな小学校に通っているそう。経営している牧場の牛や馬(なんと3万頭!)についてや、生まれたばかりの仔牛の話などを二宮さんに楽しく聞かせてくれた。2人のおかげで、二宮さんもオーストラリアの広い大地にいるような気分になったそう。


1.16(金)

・カフェの裏庭から見えた心和む一コマ。
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よくよく見てみると……。
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ぎゅうぎゅうに集まって、日向ぼっこする猫たち。落ち葉の布団の上で丸くなっていた。通りかかったお客さまも思わず笑顔になる愛らしい光景だった。


・貸出用車いす付属のバックが、8年目にしてリニューアル!新しいバックは皮製。素敵な風合いのこのバックはスタッフにも大人気。「ぜひ欲しい!」と手を挙げる女性スタッフが多数。使い込めば使い込むほど味の出る皮製品。今後、どのように美術館に馴染んでいくか、楽しみだ。

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1.17(土)

・トライホークスにて小学生の男の子が「ジ・アートオブ・ウォーリー」を自分のお小遣いで買うことに。自分で選んだものを自分のお金で買う姿に、お母さまも「かっこいい~」とほれぼれ。レジで対応した伊藤さんも、その潔さに思わずうっとりした、とのこと。


1.18(日)

・朝の冷え込みがとても厳しかったこの日、早い時間に出勤したカフェの堀口さんと田倉さんが西園の散策に出かけた。芝のグラウンドは霜で真っ白になり、見事な霜柱も発見!「霜柱を見たのなんて何年ぶりだろう。早起きもしてみるもんですね!」と田倉さんは嬉しくなったそう。

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<立派な霜柱!>


1.19(月)

・閉館後バックヤードでは、大口さんと北嶋さんが壁に開いてしまった小さな穴を補修。直せない物はない、と言われる2人だが、まさか壁まで直せるとは。自分たちを「私たち、すぐやる課なんです!」と語るだけある。


1.20(火)

・ショップのレイアウト変更をおこなった。ソフト班は、21日から発売のジブリ学術ライブラリーの新作『チベット死者の書』のレイアウトを開始。数日前から準備をし、計画していたレイアウトをいざ実践してみると、なんだか納得がいかない。大先輩の松尾先輩のアドバイスがあり、最終的にはソフト班一同、納得のいくできとなった。

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<奮闘中のソフト班>


・「名画と遊ぼう『小さなルーヴル美術館』」と題し、近隣の小学生向けにイベントを行った。ナビゲーターは結城昌子さん。結城さんは、アートと子どもたちをつなぐ活動として、『あーとぶっく』シリーズなど名画を楽しく体験できる本を数多く出版されている方。今回は「小さなルーヴル美術館」展にあるフランス絵画をメインに、子どもたちと一緒にゲームをしたり、絵画の中にあるストーリーやおもしろさを語ってくれた。集まった子どもたちは、大人がびっくりするような発想で絵画を解説したり、結城さんの話に熱心に耳を傾けたり、とそれぞれに楽しんでいる様子だった。

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最後には、自分のお気に入りの絵を1枚選んで、感想とともにポストカードに記入。これは、裏面に選んだ絵が貼られ、子どもたちの元へ届けられる。今回のイベントをきっかけに、絵画に興味を持ってもらえれば嬉しい。

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1.21(水)

・外仕事も多い美術館スタッフに、防寒対策は欠かせない。スパッツに靴下、レッグウォーマー、とそれぞれが工夫して重ね着している。この冬の必須アイテムは巷で噂の保温効果バツグンの、あの下着。すでに早い段階から購入し、愛用者多数。おかげで凍えることなく、冬を笑顔で乗り切っている。


1.22(木)

・来月行われる三鷹市民駅伝大会にむけて、練習に励む駅伝部。男子チームは抽選にもれてしまい、女子チームのみでの参加だが、練習には部長の森田くんも参加。帰宅後も自主練に励み、休館日にはコースを下見。下準備も万全だ。昨年は雪のため大会が中止となっただけに、今年は雪が降らないことを祈るのみ!


1.23(金)

・カフェの厨房では、オーブンから焼き芋の良い香りが漂っている。『畑のポタージュ』の仕込み作業のためだ。『畑のポタージュ』は季節によって、つかう野菜を変えている。今までにも、モロヘイヤ、トウモロコシ、ジャガイモ、ニンジンなどいろいろな味が登場。オープン以来の定番メニューとなっている。現在は、サツマイモとゴマのポタージュ。サツマイモの甘さをオーブンでじっくり引き出し、ゴマとの相性もばっちり。ポタージュ担当の杉野さんに次回作を訊いたところ、ゴマとジャガイモで考えているそう。

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1.24(土)

・今年も地下1階の展示室「動きはじめの部屋」のBGMに新曲が加わった。昨年に引き続き、宮崎監督の誕生日祝いとして、久石さんからのプレゼント。どこかしら切ない雰囲気の曲で、ちょっぴり懐かしい感じが展示室にぴったり。ぜひぜひ、展示室で耳をかたむけてみてください。


・カフェで『紳士と淑女のこんがりチーズトースト』を食べていた小さい男の子。握っていたフォークをテーブルに置くや、トーストを手でつかんで食べ始めた。お父さんは即座に「出た!手づかみ!」と一言。どうやら彼の得意技らしい。そんな大人たちの言葉には目もくれず、男の子はチーズトーストを口いっぱいにほおばっていた。


1.25(日)

・SHOPとSOU・SOUのコラボレートグッズの足袋下。「履き心地が最高なんです」と毎日愛用している木村くんは、この日、ロッカーで驚きの光景を目にした。なんと、一緒に着替えていたスタッフがそろってこの足袋下を履いたのだ!履き心地に魅了された男衆、一同顔を見合わせて苦笑い。全員おそろいの靴下って…。しかし、木村くんだけは、少し嬉しい気持ちになったそう。


1.26(月)

・次の企画展示の説明会がアトリエで行われた。集まった20数名は、安西さんの話に熱心に耳を傾けながら、「へー」「なるほど」と興味いっぱい。まだ詳しくお伝えできないが、見ごたえある展示になるだろう。どうぞお楽しみに!


・月末に行われる健康診断に向け、年末年始に増えた体重をなんと落としたいと願う女子スタッフ一同。今年はメタボ検診もあるとのことで、戦々恐々。そんな時に限って、少し遅い新年会が続く日々。「もう、ここまできたら!」と、開き直っている強者もちらほら。


1.27(火)

・2階のギャラリー展示が『動物農場展』から『県立神奈川文学館「堀田善衞展 スタジオジブリが描く乱世。」より「路上の人」』に変更。去年の10月に展示されたイメージボードやパネルと久々の再会となった堀田展担当者は、気に入っているボードを眺めては嬉しそうに作業。今回の展示では、美術ボードの原画も登場。堀田さんの本の中にあるヨーロッパの世界がギャラリー通路に連なっている。

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1.28(水)

・最近、ごはんが進む広報部小見さん。終業間際になると「おなかすいた…」と呟く日々。栗原さんには「成長しちゃうよ」と言われ、部長には「小見ちゃん、もうやめときなよ…」と心配され、机さんには「ストレスたまってんの?話きくよ!」と優しさを発揮されている。本人によると、特に理由はなく、何を食べてもおいしく感じるだけとのこと。


1.29(木)

・総務に異動となる厚樹さんに、スタッフ一同でメッセージを贈ることに。短歌や俳句用の短冊型の色紙を使ったため、<そのメガネ いつも社会を 映してる>など、いつも「社会人とは」を教えてくれた厚樹さんへの感謝の思いが詰まった句が集まったのだった。


1.30(金)

・雨のなか、開館前に避難訓練を実施。入口が混みあっている時の火災を想定し、スタッフ役とお客さま役に分かれ避難、誘導を行った。ベビーカーをお持ちの方や、車いすをご利用のお客さまの誘導など、悪天候もあり、なかなか簡単にはいかないことを実感。伊神さんは、改めて、さまざまな場面を日頃から考えて行動することの大切さを感じたそう。実りのある訓練となった。

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1.31(土)

・厳しい寒さが続いているが、カフェデッキのブルーベリーのつぼみがいつの間にかふくらみ始めていた。まだまだ小さいつぼみだが、わずかでも春の足音を感じれられて嬉しくなる。

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