2010年3月


3.1(月)

・2階中心の防災訓練に、ショップからスタッフ役で参加した関根くん。お客様に不安を与えない声掛けを考え過ぎて、まるでヘタな舞台ミュージカルのように棒読みの台詞を発していた。しかし2度目は緊張しながらも大きな声でお客様を誘導しており、訓練の効果がはっきりと目に見える活躍ぶり。反省点は尽きなかったが、今後も万が一の時に備えて頑張っていきたい。


3.2(火)

・先週雨の中、東京マラソンに出場した森田くん。スタッフはみんな安否を気にしていたのだが、見事3時間40分で完走したそう。しかし昨日から全身筋肉痛に見舞われ、今日はまるでロボットのようだった。本人は順位がイマイチ不満だったようで、来年に向け更に闘志を燃やしていたそうだ。


3.3(水)

・地下1Fの常設展示室「動きはじめの部屋」のBGMが新しい曲になった。実はこの曲は宮崎監督の誕生日に久石譲さんがプレゼントしてくださったものなのだが、今年は「Stormy Sea Of Spring 」というタイトルで、その名のとおり波を思わせるようなゆったりとしたピアノの調べ。漂うようにこの曲に吸い寄せられて展示室に入ってくるお客様もちらほら。美術館にお越しの際は必聴です!


3.4(木)

・昨日は毎年ひな祭り恒例、磯部さん手作りのちらし寿司が置かれていた。「もしかしたら今日は磯辺さんのあのちらし寿司が食べられるかもしれない…」と実は朝からずっと楽しみにしていた者も数名。磯部さんが休憩室に置いてくれたとたん、待っていましたとばかりに、自分の持ってきたお昼ごはんそっちのけでくらいつくスタッフだった。

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<磯部さん今年もありがとうございます>


3.5(金)

・先日めでたく「なな」ちゃんという名前が決まり、元気な石光家の借りぐらしのネコ。その日々の様子を記録している画像を見ていた広兼さんと鈴木さんは、かわいい姿にかじりついて見ていた。「じゃ、ななちゃんによろしく」と立ち去ろうとした広兼さんの言葉に「え、それ誰?」と答えた石光さん。やはり「なな」ちゃんという名前、定着していないのではないでしょうか、石光さん!


3.6(土)

・今日は毎年恒例、『三鷹の森アニメフェスタ2010』の開催日。古今東西の傑作アニメーションを三鷹市芸術文化センターで紹介しています。今年の見どころはなんといっても「赤毛のアン」。今夏公開予定のライブラリー作品「赤毛のアン -グリーンゲーブルズへの道-」は、実はちょっとしたトリビアが。この作品は、テレビアニメーションとして制作された「赤毛のアン」の第一話から第六話までを、演出した高畑勲監督自身が劇場版として約100分に再編集した作品。しかし正式な公開に至らなかったという、知られざる編集版なのです。今回初お目見えとなったのだが、当選されたたくさんの方が工藤夕貴さんのトークショーとともに映像を堪能し、「ああそうだ、アンってああいう性格だったよね」「”りんごの花の道”ってこんな光景で見た!」など、楽しんでくれた様子。夏の公開が楽しみです。


3.7(日)

・開館したと同時にネコバスルームに駆け込んできた少年。入り口から2階まで走ってきたらしく、ゼイゼイいいながら「オレ、今日ラストネコバスなんだ!」と言ってネコバスの屋根に飛び乗った。小学生最期の思い出として思いっきり遊んでいってくれた。中学生になってもずっとずっと忘れないでねと願うスタッフだった。


3.8(月)

・常設展示室の壁に描かれたアニメーション制作現場の風景を見ていた20代くらいのグループ。アニメーションがどのように作られているか興味を持たれたようで、じっくりと絵を見ながら、「こんな場所で働いてみたい」と話されていたのだが、よく聞いていると仕事の意味だけではなさそう。その後、「そしたら俺はこの女の人に惚れちゃうな…」と男性に混じり一人仕事をしている女性の絵を指さしていた。


3.9(火)

・2日間に渡り"ケアレディ"冬の回が開かれた。ショップ女性スタッフ4人組のこの"ケアレディ"たちは、体調をくずされた方や救急対応に備えて取り組んでいる。今回は必要な備品をチェックするために館内をくまなく見て周り、基本的なシミュレーションを行っていた。これから春休みを迎えてたくさんのお客様をお迎えするショップ。少しでも安心して過ごして頂けるようになれれば、と話していた。
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3.10(水)

・カフェの薪ストーブに使用する薪は、井戸のあるパティオから運ぶのですが、毎朝色々な薪に出会います。この日発見された珍らしい薪には、動くものが…!良く見ると小さな穴にカミキリ虫が生息していました。薪割りから運よく逃れたカミキリ虫君でしたが、まだまだ寒いのか穴からは足しか出てきてません。いつになったら出てくるのか見守るスタッフなのでした。
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<お~い、もうすぐ春だよ!>


3.11(木)

・展示のチェックをしている中野さんに話しかけてくださった60代のご夫婦。今日来館を決めたのは、旦那様の愛読書の相撲雑誌『月刊大相撲』に、「ちゅうずもう」が載っていたからとのこと。「柄にもない人がねぇ」と旦那さんを見ながら笑う奥様だったが、お二人が美術館を存分に楽しんでくださっているようで、とても微笑ましかったそうだ。


3.12(金)

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<立派なミノムシ>

・これを見て、大口さんはトライホークスでも扱っている『のはらうた』の中の詩を思い出したそう。『「し」をかくひ』かぜみつる、という詩の中にでてくる、“かぜみつる”という名前の風さんが、みのむしのためにとっておいたそよかぜをだして揺するお話し。おとといカフェの薪で発見されたカミキリムシもミノムシもそしてスタッフも、春を待つ気持ちは同じかも。


3.13(土)

・美術館では毎朝全体で朝礼を行っており、受付エリア担当のスタッフが本日の気温や気候などもお知らせしてくれています。この日の受付エリア担当は二宮さん。何を思ったか、「今日の最高気温ですが、色々です!」と、具体的な数字の報告はなくきっぱり言い切っていた。全員「いろんな最高気温っていったい…」「なんとアバウトな…」「春だから?」と、それぞれ心の中でツッコミを入れていたのが、気候の変動や温度も変わりやすい今日この頃。おのおの自分の生物としてのアンテナを鍛錬していこうと思うのであった。


3.14(日)

・本日は「吉祥寺アニメフェスティバル2010」に山﨑さん深谷さんをはじめ、美術館ライブラリチームが参加。午後の上映会では「バッタ君 町に行く」や「ウォレストとグルミット べーカリー街の悪夢」に、たくさんの親子が集まってくれました。「バッタ君 町に行く」は日本語字幕での上映だったので、まだ難しいかな?と小さな子どもたちを心配するスタッフをよそに、最後まで集中して映画を楽しんでくれていた。


3.15(月)

・風の強い日が続き、花粉が舞い散る今日この頃。休憩室ではあちこちからスタッフのくしゃみが聞こえてくる。花粉症の疑いのある人も多いのだが、くしゃみや鼻水などが2、3日続いていても「花粉症じゃない!」と言い切る人ばかり。「いっそ認めてしまえば楽になるのに…」と思いながら、同じ道を辿ってきた先輩達は“花粉症には何がいいか”の心得とマニュアルをいつでも話せる準備をしているのだった。


3.16(火)

・「秋田、遊びの風景」展の終了後、そこはかとなく広々とした印象の2階ギャラリ-。そこで今日からライブラリーで配給をしてきた作品のポスターが並べられるることになりました。多彩な作品群の個性の違いをいかしたポスターたち。見比べてみるのもおもしろいかもしれません。


3.17(水)

・いよいよ春休みもスタート。館内は子ども達の元気な声で賑わい始めた。そんな中、小学校4年生くらいの女の子2人組が、ネコバスで遊びながら「サンカンシオンってどんな意味?どんな字を書くの?四字熟語?」と質問をしてきた。大人達の会話で聞こえてきたようで不思議に思ったそうで、メモ帳に書き説明すると「これ、模試に出そう!」と話していた。春休みに入ったものの、楽しいことばかりでもなさそうだと感じるネコバススタッフだった。


3.18(木)

・『ちゅうずもう』を作る際に制作スタッフが訪れた、長野県下栗の里の方から、すてきなお土産を頂いた。その中身は以前より宮崎監督も絶賛していた、大きくて肉厚でふかふかな椎茸!!映画の中ではねずみ達が座る座布団として登場するのだが、それをみて「座りたーい。」を歓声をあげたのは北嶋さん。気持ちはわかりますが、つぶれちゃいますから…。

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3.19(金)

・春休みに向け、ショップでは店内のレイアウト替え。入学や新学期を迎える子ども達の為に、文房具がたくさん入荷しなんだか懐かしい文房具屋さんの香り漂う中、女性スタッフ達の思い出話に花が咲いた。小学生の時にどんなキャラクターが流行っていたとか、何を集めていたか等々。森田くんの「シャーペン一本と、ボールペン一本だけ。」という、彼らしいコメントもありつつ、時折ジェネレーションギャップに苦笑いしながら作業は進んでいくのだった。


3.20(土)

・次回の企画展に向けて準備の進むアトリエで、怪しげな宍戸さんを発見。何をしているかと思えば、「福島出身なら誰でもできるよ~。」と言いながら、器用に藁を編み重ねている。毎度のことながら、そのあまりの多芸ぶりに「仕事(の選択)を間違ったのでは?」と囁かれるほど。みんなにほめられた宍戸さんは、「じゃあ、こんな生活力のある私、是非お嫁さんにどうかしら!?」と、誰に向けてかわからない、気合の入った婚活宣言をしていたのだった。

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3.21(日)

・昨晩の強風でまたまたどきどきの朝を迎える一同。無事に開館することができホッと一息つきたいところだが、本日の気温は20度まであがるとの予報。春夏秋冬、自然とともにあり続けられるよう、努力あるのみ!の毎日です。カフェのテイクアウトでは今日からアイスジェラートに“かぼちゃ”が仲間入りし、季節にあわせ美術館のあちこちも日々うごめいてます。


3.22(月)

・今週から始まった「パンと雑穀ポテトのお楽しみプレート」はお子様から大人の方まで大人気のメニュー。中には売り切れてしまう日もあり、仕込みをするスタッフもますます力が入っています。そんな中、売り切れをお客様にお知らせしようと、カフェの黒板に描かれたイラストが。
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作者の斉藤さんによると、「頭をペコっと下げてお詫びしているところを書いてみた」との事だが、スタッフの間では「マッチョのポーズにしか見えない…」との声も。今後に期待です!


3.23(火)

・今日は5月からはじまる新企画展示について、アトリエに集合し講習会が行われた。それぞれメモをとったり質問がとびかったりと、様々な確認をすすめていく。そんな中、新企画に関係する、とあるキャラクターが野中さんに似ている、という新発見が。ご本人を目の前に皆笑いをかみ殺しながら、必死にペンを走らせていたのでした。

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3.24(水)

・暖かくなり、気持ちの良いカフェデッキ。だがこの時期天気がいい日にスタッフの頭を悩ませる訪問者がやってくる。テントの中で食べている方のおこぼれを狙って、ハトがやってくるのだ。さも我がテリトリーのように涼しい顔でやってきては歩き回っている姿に、お客様は驚きながらも楽しそう。が、エスカレートする動きにスタッフは気が気ではない。カラスとの戦いについで、ハトとの戦いもまだまだ続くのだった。


3.25(木)

・本や紙製品を補強する、『ブッカーがけ』という作業をしていたショップ。『ポニョのパラパラブック』を教材に練習を重ねていたのだが、すぐには思うようにはできず、いつもクールな佐野くんもうめき声をもらしていた。完成も間近という時に、黙々と作業していた関根くんから「??…?!」と、混乱の信号が発信され、その様子を伺うと、すでにブッカーをかけた物にまたかけている事が判明!よほど集中していたのか、仕上げの段階まで気付かなかったよう。一緒に作業していたスタッフ達から「どんだけ補強するんだよ!」と突っ込まれつつ、関根くんの補強魂に、なぜか拍手が贈られていた。

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3.26(金)

・屋上にいた中原くんに「お兄さん何やってるの?」と尋ねてきた女の子3人組。先ほどまでネコバスにいたのを知っていたようで「さっきネコバスにいたのに。サボっているんでしょ!校長先生に言っちゃうよ。」と言われていた。屋上では、お客様が安全に過ごせるように誘導したり、掃除をしたり…。中原くんは無実です。


3.27(土)

・春休みに入り喫茶室にもご家族連れで来店される方が多くなりました。ご案内までにお時間をいただくことが多い中、一日に2回来店してくださる方もいてスタッフもお顔を覚えていることがあります。この日もスタッフがテーブルに伺うと、なにやら既視感が…。見覚えのある光景。偶然にも1回目に来店された時と同じテーブルに同じ配置でご家族が座っていて、思わず「お昼と一緒ですね!」とお客様と一緒に大笑いしてしまったそう。


3.28(日)

・4/17からメルシャン軽井沢美術館ではじまる、「小さなルーブル美術館」展の協力に、東奔西走している藤原さん。この展示にルーヴル美術館から特別出品される2点の作品管理について、『48時間の”アクリマ”を必ず守ってください。』と指導を受けたそう。聞きなれない”アクリマ”という単語について藤原さんに教えを請うと、「空輸され到着後すぐに箱の梱包を解かずに、48時間経過してから軽井沢の空気にあてること」だそう。なるほど、人は”アクリマ”を守ってもらえなくてもなんとかなりますが、作品はセンシティブなものですね。


3.29(月)

・カフェ店内にある、ケーキのショーケースの中には脱臭用に炭を入れています。いままで使用していたイガ栗の炭はだいぶ古くなってきたので、交換することとなり、石渡戸さんが数々の炭の種類のなかから選んでくれました。石渡戸さんのセレクトはかわいいと評判です。それを見た原さんは「麦チョコみたいでおいしそう!」と、食べたさそうに眺めていた。
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<かわいいけど食べられません>


3.30(火)

・休館日を利用して年度末の棚卸しが行われたショップ。店内・倉庫・荷捌き所にチームが分かれ、お昼にはそれぞれのチームが苦労話で盛り上がっていたが、聞こえてくる声は、「ポストカードを1万枚以上数えた…」「寒くて凍えた…」「存在感が薄くて生存確認をよびかけあった…」等々悲哀ただようものばかり。その後、ポストカード班の高間さん・佐野くんペアがカウントした1万枚を、福島さん・渡辺さんペアが2回目をカウントし、差異が全くない、という快挙に感涙する一同。全ての作業を終えた時にはとっぷりと日が暮れていたが、みんな達成感に満ちた表情だった。


3.31(水)

・長時間のミーティングをする1Fスタッフに、伊神さんが差し入れのドーナツを持ってきた。ところがドーナツを託された矢澤くんは、休憩室にドーナツを置いたままミーティングに入ってしまった。その間、仕事を終えやってきた別のスタッフがドーナツを見つけ大興奮。「何も書いていないが?」「休憩室に置いてあるものだがら差し入れ、ということだろうか?」としばし協議を重ねた結果、切り込み隊長:西川くんを筆頭に、『食べる!』という結論に。しばらく経ってから思い出した矢澤くんが慌ててやってきて、事情を説明。 ドーナツを食べた西川くんと二宮さんは代わりのワッフルを買いに走る、という事態にまで発展。このことは、「3.31ドーナツ事件」と呼ばれ、のちのちまで語り草となっていくのでした。食べ物のうらみって。…油断大敵です。