2011年9月


9.1(木)

・本日から、土星座では『めいとこねこバス』の上映がはじまりました。この作品を観るために足を運んでくださる方もたくさんいるという、大人気の作品です。今日も上映の前に、「『めいとこねこバス』を楽しみに待っていてくれた人ー!?」と質問をすると、子どもも大人も元気良く、全員一斉に手が挙がったそうです。


9.2(金)

・ショップのモニターでは、『コクリコ坂から』主題歌を歌う手嶌葵さんの映像を流しているのですが、60代くらいの男性お二人が、モニターから流れるエンディング曲「さよならの夏」を一緒に歌っていました。森山良子さんが歌っていた頃を思い出して、「懐かしいなぁ。」と、お話しされていて、「映画も見に行ってみようかな。」と、盛り上がってらっしゃいました。


9.3(土)

・9月に入り暑さが落ち着いてきたこの頃。そろそろ秋の気配がただよいはじめました。最近「カフェ近道」では、葉っぱ枝付きのドングリが、点々と落ちています。実はこれは"ハイイロチョッキリ"という虫の仕業。1㎝に満たない小さな虫なのですが、ドングリが木から自然に落ちる前に、実に卵を産み付け枝を切り落とす、という虫だそう。ドングリもただ黙って食べられるのではなく、虫が食べきれないほどの実をつけて対抗する年があるそうです。今年はどちらの年になるのでしょう。秋が深まるのが楽しみです。
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<"ハイイロチョッキリ"の落し物>


9.4(日)

・熊本での「スタジオジブリ・レイアウト展」が終了し、ショップの撤収作業に佐野くんが向かいました。猛暑の中たくさんのお客さまが来場され、グッズも多くの方が手にとられたようです。現地で思いを引き継いでくれたスタッフの皆さん、ありがとうございました。


9.5(月)

・今年の夏はとても暑く、夏休みが終わって学校がはじまることを嘆いていた子どもたちをたくさん見送りました。夏休みの終わった屋上では、必死で抵抗するかのようなセミの声が響きわたっています。今日遊びに来てくれた子どもたちもスタッフも、同じ思いでただただその声を聞いていました。


9.6(火)

・ローソンの会議におじゃました館長補佐の西岡さん。「最前線でがんばってくれる皆さんのおかげで、チケット販売もうまくいってます」とご挨拶。同席した机さんによると「この夏の『コクリコ坂から』全国ツアーでの司会経験がいかされてる、いつになく立派な挨拶だった」とのことだった。 


9.7(水)

・スタジオの美術部から吉田さんが来てくれて、1階の常設展示室で背景を描く実演をしてくれました。それを見ていたお客様からは、「すごい!まさかこんな作業を見られるなんて!」「先生!」と感動された方が次々に声をかけてくださり、毎回 拍手が巻き起こる大賑わい。最後の実演で吉田さんの横にちょこんと座った男の子。特等席から「海を描いて」「船を描いて」と次々リクエスト。完成した絵を見て、「ありがとう! 今度、ウチでやってみるからね!」と、とても嬉しそうでした。はにかみながら微笑む吉田さん。嬉しさが隠しきれない様子でした。


9.8(木)

・カフェ喫茶室では、田倉さんがカウンターに修行に入りました。普段のユニフォームは、ブラウスにフレアーエプロンなのですが、この日はボタンダウンシャツにソムリエエプロンを着用。ショートカットの髪型のせいもあり、コーヒーを淹れる姿がとても凛々しく、いつもと少し違って見えます。周りのスタッフもカウンターを見ては新鮮な気持ちになるのでした。


9.9(金)

・館長、郎さん、机さんが、取材のためにトトロMOKURINを制作しているオークヴィレッジさんの工房を訪れました。職人さんによるミリ単位での丁寧な手作業や、MOKURIN制作のために作られた工具などを見学し、そのこだわりや愛情に圧倒され感動しきりの一同でした。
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9.10(土)

・ほっぺたがぷっくりとしたかわいらしい男の子。屋上に敷き詰めているウッドチップを見ながら、何やらつぶやいている。聞き耳をたててみると「これ、チョコみたい。こっちのはクッキーみたいだし、これはピーナッツ!」と大興奮。どうやらウッドチップのカケラ全てがお菓子に見えるようで、楽しそうに踏みしめていました。


9.11(日)

・夏休みが明けたとはいえ、9月に入ってもまだまだ残暑が厳しい日々。ショップの福島さんが玉のような汗をかいていると、どこかから突然心地よい風が。レジの列に並んでいたお客さまが、ご自分の携帯扇風機を当ててくれていました。そんな心遣いに触れやさしい気持ちになりながら、汗をかきかき頑張る福島さんでした。


9.12(月)

・ショップでは、店内が空いた一瞬を見計らって、一気に商品の補充をします。特に映画のフィルム缶の形をしたクッキーと、ミニタオルの補充は怒涛のように行われます。身長がミニサイズのスタッフは、うず高く積んだクッキーやミニタオルに埋もれるかのようですが、本人たち曰く「小さな巨人なのでご心配なく。」とのことでした。


9.13(火)

・本日、ジブリ美術館元事務局長 山﨑文雄が逝去(9月13日、享年55歳)いたしました。故人は、ローソンさんとスタジオジブリをつなぐ大きな役割を担い、ローソン退社後はジブリ美術館の事務局長に就任し、美術館の運営を支えて参りました。あまりに残念で、やるせない思いです。謹んでご冥福をお祈りいたします。


9.14(水)

・空にはひとすじ飛行機雲。屋上にいた男の子が、それを指ですーっとなぞっていました。


9.15(木)

・「日活青春映画」が特集の今月号の熱風。それを見た70代の女性グループが、表紙を見ただけで「日活青春映画!」と口々に大盛り上がりされていました。
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9.16(金)

・午後6時半、南青山の梅窓院にて、山﨑家のお通夜がとり行われました。山﨑事務局長の人柄ゆえか、700名近くの参列がありました。


9.17(土)

・10:00から山﨑家告別式。澄んだ青空の中、時折天気雨がふる、とても風の強い日でした。
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9.18(日)

・ショップのレジにて、「あべさんのレジだ~!」と、阿部さんめがけて走って来た男の子。自分も"あべさん"だったようで、一緒の名前が嬉しかった様子。お母さんに、「あべさんだねぇ。」とにこにこ報告している。スタッフもお話が増える機会は、楽しみの一つになっています。


9.19(月)

・土星座では『めいとこねこバス』を上映中です。この作品を楽しみにされているお客様が、座席にぎゅうぎゅうに腰かけて、全員が「おーっ!」とか「わーっ!」など叫び声をあげ、声を出しての大笑いをしているところは本当に楽しそう。大人も子どもも全員一緒にネコバスに乗ってるかのようなリアクションです。ぜひ、みにきてください。


9.20(火)

・このまま続くのではないかとさえ思われたあの激しい暑さもやわらぎ、カフェデッキから見上げた空は遠く蒼く、気が付くと季節は秋。毎日同じように過ごしていても、少しずつ何かは移ろいゆき、"諸行無常"を感じることが多くなったと語るカフェの小池さん。でも、だからこそお客様への気持ちは10年経っても変わらずありたいと心する、秋の小池さんなのでした。
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9.21(水)

・台風が直撃の関東地方。美術館も、次第に強くなっていく台風への対策を、と朝からせわしない。とは言え久々の直撃の勢いは想像以上の風の強さで、対策も難航。あおられそうな入口やカフェデッキのテントを畳み、どうにか安全を確保し、雨風に吹かれながら来てくださったお客様に感謝しつつ、無事に一日が終わりほっとするスタッフでした。


9.22(木)

・1階企画展示室ネコバス前での、2歳と4歳くらいの姉妹のコソコソ話。「ネコバスは夜に動くんだよ」「(映画でも)顔からフーって消えてたね」「これも消えるかなぁ」「夜まで美術館に隠れててみようか」。まるで『クローディアの秘密』のような、物語が始まりそうな雰囲気でした。


9.23(金)

・カフェデッキでは、オリーブの木が実をつけました。といっても今年は一粒...。台風にも耐え、がんばって残っていました。
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9.24(土)

・ジブリ制作から移動してきた渡邊さんが、カフェの洗い場に初登場。渡邊さんといえばジブリ内でも3本の指に入るという、素敵な素敵な低音ボイスの持ち主。「グラスいきます」「後ろ通ります」など、何気ないことで渡辺さんが発声するたび、周りのスタッフはあまりの良い声に笑ってしまい、「FMラジオを聞いているようだ」「いい声すぎ~」と厨房スタッフに一日笑みが広がっていました。
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<エプロン姿も似合ってます>


9.25(日)

・美術館での作業にひと区切りがついた、ジブリ美術の吉田さん。本日で美術館への通勤も一先ず終了です。最後の日、スタッフとの雑談中に"音楽"いうものをテーマに盛り上がっていましたが、いつものポツリポツリと話すボクトツとした吉田さんと打って変わり、2倍増しの発言数でテンションも高め。「吉田さん、今日は何だかすごいですね。」と野村さんが話すと、カッコよく「音楽は、食事のようなものだから。」となんだか洒落たお答えが。その場にいた一同は「カッコいいー!」「さすがですね!」歓声をあげていました。吉田さん、ひと夏を美術館ですごし路線変更でもされたのでしょうか。ぜひまた来て頂きたいものです。


9.26(月)

・実りの秋!ということで、今週のカフェに生けているお花は、"実"がつく植物でいっぱい。月桃や蘇鉄の実など珍しいものもある中、スタッフの目を引いていたのが「フォックスフェイス」という植物。その名の通り黄色い色と形がそのまんま狐の顔のような、ナス科の植物の実です。落ちた実のいくつかに狐顔を書いてみる田倉さん。「意外と絵が上手なんだよね。」「ねえ、意外とね。」と、周りのスタッフの声が。「意外」の連発に、褒められているのに、どうも釈然としない田倉さんでした。
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<上手く書けていますか?>


9.27(火)

・夏が過ぎ、肌寒い季節となってきました。スタッフも日々自分の体調管理をしながら、お客さまをお迎えしています。そんな中、一人だけ朝早くから夜遅くまで半袖で過ごす経理の鵜木さん。しかしさすがに今日は「風が冷たいですね...」と笑い、日によく焼けた腕をさすっていました。


9.28(水)

・ショップにやってきた小学生の男の子2人組み。自分のお小遣いで買える物を物色しながら、立ち止まってはお財布とにらめっこ。しまいには床にお金を広げ数えだしたので、ガラスケースの上を使って一緒に計算することに。「俺は○○円持ってる!」「俺は今は○○円だけど、家には○○円ある!」と、スタッフにどれだけお金持ちかを教えてくれました。何度も何度もスタッフに質問をし、無事にスペシャルな買い物が完了できたようです。


9.29(木)

・企画展示「ねこバスから見た風景展」を観てきたばかりなのか、5歳くらいの女の子が2Fのネコバスでも「屋根に上ると、もっと違う素敵な風景が見られるよ」と、お母さんに教えてあげています。ネコバスの頭をなでながら「ネコバスさん、もっと素敵な場所に連れて行ってね!」と行き先のお願いをしていました。


9.30(金)

・地下1階に在庫がある、パンフレットとポスターを取りに行った関根くん。一人で段ボールを2箱持ち、フーフー言いながら階段を登っています。それを見かけたアトリエの宍戸さんが、親切に手を貸してくれました。2階に着いて段ボールを下ろした瞬間、「あら~!?女の子だと思って手伝ってあげたんだけど、男の子だったの~!」とびっくりした宍戸さん。あいかわらず、"オトメン・関根"の名を欲しいままにしています。