2011年10月
10.1(土)
・本日は三鷹市民デー。たくさんのご応募の中から、当選された600組の三鷹市の皆様が本日のお客様。ちょうど10年前の今日、ジブリ美術館はオープンを迎えました。ジブリ美術館らしく、特別なセレモニーなどは行わず朝10時に今日も開館の鐘がなります。出発点を見失わずに、今日からもまた毎日を続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。
・15時には、ちょっとしたサプライズな演出がありました。「コクリコ坂から」の主題歌を歌ってくれた手嶌葵さんの小さなコンサートを開催。主題歌「さよならの夏」のほか、4曲を歌い上げてくれ、さらに「ハッピーバースディ、ジブリ美術館♪」の特別な1曲も披露してくれました。葵ちゃんからの思いがけないプレゼントに、中央ホールは、笑顔につぐ笑顔でいっぱいになりました。
10.2(日)
・井の頭公園の西園にて「三鷹の森フェスティバル2011」が開催されました。予報ではいつ降り出してもおかしくない空模様でしたが、小雨がパラつくものの午後にはさわやかな陽気に。今年は早い時間から大勢のお客様で席がうまり、出店も大賑わい。例年より出演アーティスト数が多く、控え室も大賑わいでしたが、舞台から楽屋裏まで、満員御礼の一日でした。
<「羊毛とおはな」さんの出演中の様子です>
10.3(月)
・サンクンテラスの鉢の中にいる大きいメダカと赤ちゃんメダカ。それを覗いて楽しんでいた男の子が、突然「オメンボだ!」と叫び、水の中にいた小さな虫を指差しています。メダカを育てている島崎さんは、興味津々に「オメンボって何?」と尋ねると、「オメンボはね、将来アメンボになるんだよ」と、オメンボ進化論を熱く語ってくれたそうです。ぜひ短編映画『水グモもんもん』を観て欲しい男の子でした。
10.4(火)
・カフェ喫茶室では、新しい生麦酒が登場しました。「リアルエール」という英国の伝統的な製法で作り出されるビールで、複雑な香りと深いコク、フルーティーな味が特徴です。サーバーからの注ぎ方も特徴的。それを見たお客様からは「船をこいでいるみたい」とおっしゃっていました。ぜひ味わってほしい一品です。
10.5(水)
・学生さんの夏休みが終わり、お客様の層に様変わりが。最近の平日は小さなお客様が多くなっています。そんな中、レジにお母さんに抱かれてやって来た女の子。トトロのぬいぐるみを手にしてとっても嬉しそう。「レジでピッとさせてね~。」と言いながらスタッフがトトロに触った瞬間、「ギャー!」と叫び激しく大泣きしてしまった。自分のトトロだと思っていたのに横取りされると思ったのでしょう、すっかり悪者になってしまったスタッフは、謝りながら大急ぎでササっと対応。女の子は涙をためた目でしっかり手を振ってくれました。「バイバイはちゃんとできるのにね...。」と、お母さんがつぶやていました。
10.6(木)
・受付の列で、カップルのお客様と談笑していた二宮さん。別れ際に「お姉さん、10歳は若く見えますよ」と声をかけられました。はたしていくつに見えたのだろうかと、素直に喜ぶべきか深い深い迷宮に入っていった二宮さんでした。
10.7(金)
・3歳くらいの男の子が、ショップの店内ですれ違う女の人の足を次々とタッチ。びっくりするものの、男の子の笑顔を見るとみんなにっこりしていた。それをそばで見ていたお父さん、「お前、若い女の子ばっかり選んでるな~。」と、苦笑い。「あの子にタッチされなかったら、もう若くないって事だね。」と、女性スタッフは内心ハラハラしていました。
10.8(土)
・先日久々に美術館を訪れた元事務局長の西方さん。久々に会うと体型に変化が感じられる。深谷さんとプライベートで出かけた際の写真があったので見比べながら、「この時の方がスゴクない、ほら、"ポルコ西方"って書いてあるし。」と、大勢でワイワイ盛り上がっていた。その声を聞きつけた深谷さんが、「それ、本人に見せちゃいけないやつなんだけど!」と、堂々と掲示板に張り出してあったにもかかわらず「誰だ、見せたの!」と騒いでいました。
10.9(日)
・どこからか、青・黄色・ピンクなど7色の風船が飛んでいるのを目撃。屋上で大人は全く気付かない中、子どもたちは「あーッ!」と笑顔で空を指差していました。その仕草で気付いたお父さんたちは、慌ててカメラを空に向けるも、シャッターをきる前に風船はどこかへ飛んで行ってしまいました。
10.10(月)
・閉館後、カフェのホールスタッフが「ぞうきんを縫う会」をしている。休憩室で輪になりチクチク縫う中、手を動かしつつも自然と口もよく動くスタッフ達。話題は「美味しいラーメンについて」。なんだか女子っぽくない会話ですが、仕事終わりのスタッフは色気より食い気が勝っているようです。
10.11(火)
・山﨑さんの写真を飾っているコーナーに生けていたお花を見ていた滝口さん。「わあ、この花、どこからむしりとってきたの?」と発言。「むしる、って...どういう感覚ですか、買ってきたんですよ!」と、周りから総ツッコミ。滝口さんは、大胆かつ豪快な、女性運営課長です。
10.12(水)
・ネコバスで遊んでいて、突然スタッフの手をギュッと握ってきた女の子。「どうしたの?」と声をかけてみても反応がなく、顔を近づけると小さく寝息をたてて目をつぶっている。遊びたい気持ちと眠たい気持ちが戦い続けたあげく、どうやら立ったまま眠ってしまったよう。倒れないように、無意識にスタッフの手を握りしめていたようです。小さな弁慶でした。
10.13(木)
・昨年の企画展示「ジブリの森のえいが展」で展示されていた、「水グモもんもん」の大きなザリガニが、現在は井の頭自然文化園にいっています。特設展示「小さなふしぎ 大きな発見」で活躍中。こちらの展示は、小さな子にも見やすいように展示水槽を低い位置に置いたり、小さい昆虫が拡大して見られるように虫めがねが用意されているとのこと。小さかったり地味だったりする生き物も、観察してみると発見があることを伝えてくれる展示だそうです。
<あんなところにザリガニが!この展示は12月26日までだそうです>
10.14(金)
・新事務局長の西岡さんが、講演会の依頼を受け「ジブリ広報部長業の総まとめとして話してくる!」というので、館長や広報部がこぞってその講義を聴きにでかけて行く。アニメーション業界で起きていること、スタジオジブリの今昔やその宣伝手法など、たっぷり90分の講義は、十数年ジブリの広報部長を務めただけある内容の濃いものでした。しかし美しく終わらないところがさすが西岡さんです。「コクリコ坂から」の予告編、第一弾と二弾の違いを見せる際に、なかなかうまく始まらず、「あ、ちょっとごめんなさい、おかしいなあ」と言いながら、海ちゃんのセリフだけが何度も何度も会場でリピート上映される。「あれが計算だったらスゴイよね...」とささやきあう広報部員でした。
10.15(土)
・今年も、"LOOPWHEELER(ループウィラー)"とのコラボレーションパーカーが発売になりました。今年のモデルは、『マウンテンパーカー』。美術館10年目の発売にちなんで、左袖には『10』のワッペンが付いています。グレーメランジとマリンの2カラーで、XS・S・M・Lの4サイズがあります。普段からループウィラーのスウェットを愛用している、遠藤さんと佐野くんは、どちらのカラーにしようか早速迷っているようです。
10.16(日)
・ネコバスの背中に、窓から入ってきた西日があたっていました。それを見つけた女の子が、「どうして、ここ光っているの?」と首をかしげていたので、「窓から おひさまが入ってきてるんだよ」と教えてあげると、光っているところを"ポンポン"とたたいて、「ぷふふ、おひさま たたいちゃった」とイタズラそうに笑っていました。
10.17(月)
・「『コクリコ坂から』は、ここで撮影された映画なの?」ご案内所カウンターへ、こんな質問がありました。「カルチェラタンみたいだから、そうかと思っちゃった。」とのこと。お連れの方が「そもそも実写じゃなくて、アニメーションでしょ」と笑っていらっしゃったが、確かに宮崎吾朗監督はカルチェラタンのモデルにジブリ美術館を参考にしている、と言っています。映画も美術館もとても丁寧に観察してくださっているのだなぁと感じた出来事でした。
10.18(火)
・カフェのバックヤードに落ち葉がたまる季節になりました。よく見るとキノコを発見。切り株に白い舞茸のようなものがびっしりと、フリフリのスカートを巻いています。ちょっぴりかわいい?衣装を身に着けた切り株が、2つ並んで生えていました。
10.19(水)
・ショップでは、手に持ちきれない商品はレジでお預かりし、その際お客様にお名前をお伺いしています。でも時々、海外からいらした方のお名前を聞き取るのに難儀することも。"クリストル"さんという女性が、お名前をおっしゃってくれたのですが、お名前であることさえなかなか認識できず、"クレジット"の支払いかな?と思ったり、"プレゼント"かしら、などと聞き間違いをしてはあわてるスタッフ。お客様は笑いながら、「ク・リ・ス・ト・ル。」と、ゆっくりおっしゃってくださり、今すぐ穴に入りたい気分になったそうです。
10.20(木)
・地下1階の中央ホールに置かれている、フレデリック・バック監督作品『クラック!』にでてくるロッキングチェアー。遊びに来てくれた幼稚園の子どもたちが、まるで映画と同じように列をつくって並び、キャッキャとイスを揺らしながら遊んでいました。イスの背に描かれた顔も嬉しそうに見えて、本当に笑っているかのようでした。
10.21(金)
・カフェデッキで、ゴクゴクと美味しそうにぶどうジュースを飲んでいる男の子。その美味しそうな顔が印象的だったが、しばらくしてふとテイクアウトコーナーを見ると、その男の子が「ぶどうアイスくださーい!」と、今度はアイスを注文していました。カフェデッキのぶどうメニューを1日にして制覇です。
10.22(土)
・防災班が作成した<感染症予防>に基づく救護訓練が、各部署ごとに行われている。嘔吐物処理のシミュレーション中、ショップの上野さんが患者役として真剣な演技で取り組んでいた。そこへたまたま通りがかった運営の矢澤くんは、上野さんが本当の急病だと勘違い。上野さんは上野さんで、矢澤くんが筋書きどおりの役回りで急に現れるスタッフ役だと思い込んでしまった。おかしな進行に気づいた菅野さんが「違うの、違うの」と矢澤くんに話しても、なかなか3人の話がかみあわない。全部説明し理解してもらうまで思いのほか時間がかかり、菅野さんは徒労と面白おかしいのとで笑いがとまらなくなってしまったそうだ。まじめで思いやりあふれる矢澤くんならでは、のエピソードでした。
10.23(日)
・机さんと石光さんが、次号の季刊トライホークスの制作に精を出している。普段人当たりががよく柔和な印象の石光さんですが、もれ聞こえる石光編集長としての言葉はとても厳しい。「それは記憶違いというものです」「まだ?」「遅くない」「おにぎり買ってきて」...などなど。机さんは、「どうも私にだけ厳しい気がする...」とこぼしつつ、「今回は石光さんの原稿の方が遅かったもん」と言っている。次号は「虫」に関する記事が読めるそう。完成が楽しみです。
10.24(月)
・お弁当日和の天候。カフェデッキでは手作りのお弁当を頬張る光景があちらこちらで見られます。そんな様子をカフェデッキで見ていた中原くん。から揚げをおいしそうに食べている兄妹と目が合うと、お兄ちゃんがすかさず「隠して!」と妹に声を掛けていた。どうやら中原くんにから揚げ取られてしまうと思ったよう。そんなに物欲しそうな視線を送っていたのでしょうか。
10.25(火)
・日本テレビ「PON!」の「アートに恋して」コーナーのロケが行われる。「ねこバスから見た風景展」の取材だったのですが、秋空の美しさに誘われて屋上にも出てみると、美しい雲がたなびいている。まるでロボット兵に集中線を引いたかのような、調度よい具合。空を背負って立つ、美術館の守り神がより神々しく見えました。
10.26(水)
・ショップのガラスケースの中を覗き込んで、「あの石欲しい!」という男の子が。その視線の先には"飛行石"。お父さんが、「コイツ、石に目がないんですよ...。値段も見ないで欲しいなんて言うから、お姉さんびっくりしてるぞ。」と、困り顔。「これは石じゃなくてガラスなんだよ。井の頭公園に石を探しに行ったらみつかるかも?」と促すと、「うん!」と、元気よくバイバイしてくれました。お気に入りの石が見つかりますように。
10.27(木)
・滝口さんに気仙沼の熊谷さんから100匹近くのサンマが届く。今日の夕ご飯への期待がこっそり高まる。できるだけ全員が持って帰れるよう準備する総務スタッフは、「いつのまに水産業をはじめたのですが?」と聞かれるほど、氷やビニール袋を手馴れた様子で用意。あっという間にサンマはそれぞれのおうちに分かれていき、その美味しさに秋を堪能させてもらいました。
<ありがとうございました!>
10.28(金)
・深谷さんのお知らせに、どっと笑いが起きる。「井の頭自然文化園の44匹のサルたちが苦戦しながらも「パン種展」の小麦を食べているそうです。」との話題。企画展で実物の小麦を展示していましたが、展示終了後、井の頭公園の猿たちにプレゼントされました。その後、<押し麦とちがって、殻付き麦を一粒一粒食べるのが大変ですが、とてもおいしくいただいています。ありがとうございました。>と、猿からお礼がきました、との愉快なニュースでした。
10.29(土)
・天内さんが屋外で捕獲された珍しい虫の話をする。「本当に黄金色にピカピカに輝いていて、むちゃくちゃキレイなんですよ。身体の周りは透明にくるまれているし...。そんな虫がいるわけない、と思うでしょ?いるんです!」と力説。半信半疑でいると、カフェの田倉さんが画像を送ってくれました。
調べによると、どうも"ジンガサハムシ"というカメムシの一種らしい。カフェスタッフは「お財布に入れたらご利益がありそう」と言っている。
10.30(日)
・カフェで食事をしていた6歳くらいの女の子。食事中、急に席を立ち薪ストーブをしげしげと観察し始めた。何を見ているのかと近づいてみると、「かまど...」と言い残し立ち去ってしまった。親御さんとお話ししてみると「『かまど』なんて言葉どこで覚えたのかしら?」と首をかしげていた。新しいものに出会いいつのまにか世界を広げている子どもたちに、大人が意表をつかれる出来事だったそう。
10.31(月)
・今日はハロウィン。楽しい仮装姿の方もちらほらお見かけする。ショップの渡辺さんは、「今、かわいいタヌキを見ましたよ。」といっている。きょろきょろして見ると、3歳くらいのフランスの男の子がオレンジ色の着ぐるみを着ているのを発見。「それは何の仮装ですか?」と尋ねると、「タイガーです。」と、お父さん。その後「タイガーだった」という情報訂正がなされ、渡辺さんの純日本人的発想に笑いが起きていました。
<毎年恒例、三鷹のいずみ子ども会もやってきました>