2013年1月
1.3(木)
・本日は、新年、美術館の初日です。スタジオでは、高畑勲監督『かぐや姫の物語』と宮崎駿監督『風立ちぬ』と、2本の新作公開の準備がすすんでいます。新しい風が吹きはじめた、2013年。「いざ、生きめやも」。
1.4(金)
・最近は毎日「この冬で一番の冷え込み」という言葉を耳にしますが、西園でも立派な霜柱を発見。
まだまだ寒さは序の口、と思うとゲンナリするところですが、サンクンテラスでは美味しそうなフキノトウがぴょこぴょこ飛び出しているのを見つけることができました。
1.5(土)
・ショップの高級商品がディスプレイされているガラス張りのケース、通称"寿司ケース"。(お寿司屋さんでみたことのある、アレです)。少し高い位置にあるので小さな子からは中が見えにくく、大人に「抱っこ~!」コールが起きます。兄弟がたくさんいると抱っこしきれず、「子どもは見なくていい物しかないよ~。」など、お父さんお母さんにかわされていることも多いです。でも、「誰か抱っこして~!!」と、言う声を聴きつけては、ほくほくしたスタッフが抱っこをしに現われています。
1.6(日)
・冬だ、寒い、と言いあいながら、2階事務所では安西さんからのお土産で、一瞬だけ春が届きました。この時期のみ販売されるという新春を彩る祝菓だそうです。ほのかなピンク色に春の風を感じたそう。
<でもあっという間に胃の中へ>
1.7(月)
・アトリエでは、本日が仕事初め。川上くんが新調したペン立てがあまりにもみんなの心をくすぐるものだったらしく、正月そうそう何やらあれこれと集められました。
<四国で買ってきたという背負子型ペン立て>
これを背負って、室外に出たスコッペロとメーキンソー。
<湯のみはリップクリームの蓋、テーブルは版画に使うバレンだそうです>
どうもカブではないものを収穫しているようですが、『星をかった日』の次回上映が楽しみになる戯れでした。
1.8(火)
・現在二児の母である比留間さん。美術館開館の10年前の写真と見比べてもあまり変わっていないことが話題になり、喜ぶのかと思いきや、「私が、と言うより、みんなが年齢不詳。ここは竜宮城みたい。」と真顔で意味深なセリフを口にしていました。それを聞いた女性陣は、「玉手箱空けちゃったかな...」など、新年早々、それぞれ神妙な面持ちでつぶやいていました。
1.9(水)
・カフェのテイクアウトに来てくださった海外からのお客様。重厚なヒゲをたくわえた、渋い雰囲気の男性。英語でホットドックなどを注文していたのですが、暖かい麦茶の注文を、「ティー??あ~?ア・ツ・カ・ン。」とおっしゃっていました。熱燗メニューがなくて残念ですが、召し上がっているところを想像して和むスタッフでした。
1.10(木)
・新商品"オリジナルミニエッチングモデル「タイガーモス」"。このサンプルを佐藤さんが一週間夜なべし作っていました。しかし完成間近で問題が発覚し、再度貴子さんが、一心不乱に作り直しています。ちなみに2時間くらいで作った郎店長の、「こういうのは、プラモデル作ったことない人には難しいのかもね~。」という余裕の発言を聞いて、さらに闘志を燃やす貴子さんでした。
<こちらが完成品>
1.11(金)
・フランスから来ていた7歳の男の子。長いクリスマス休暇で来ているのか尋ねてみると「お父さんの仕事。でも仕事の内容は、重要過ぎて教えられないけどね!」と誇らしげに教えてくれました。
・19時から、三鷹ネットワーク大学にて「アニメーション文化講座」が開かれました。第一回目の講師はおかだえみこ先生。定員を心配していた関係者は良い意味で裏切られ、早い段階で席は満員に。今回の講義では、アニメーションの創世記ともいえる数々の貴重な映像が解説され、魅力的な学びの時間となりました。
1.12(土)
・カフェに大きな赤いボケの花が活けられました。ボケの花はバラ科の植物で、瓜に似た実をつけることから「木瓜」と書いたり、冬から春にかけて咲くことから「春放花(春を放つ花)」と書くこともあるそうです。真っ赤で愛らしい花が、あでやかな新春を運んできてくれました。
1.13(日)
・ステンドグラスの制作者八田さんがくるみをカゴいっぱい持ってきてくれました。2個のくるみをあわせ持って怪力で割る者、はさみやドライバーを使って器用に割る者など、みんなそれぞれに美味しくいただきました。ありがとうございました。
1.14(月)
・今日は成人の日、そして大雪。美術館も雪が積もり幻想的な風景になりました。今回の雪は少し湿り気のある雪で周辺の木々がその重みに悲鳴をあげていました。枝についた雪を見上げると、まるで花が咲いたかのよう。大雪の中の楽しみでした。
<まだまだ積もり続ける15時頃の様子>
<雪の花>
1.15(火)
・前日の大雪で美術館周辺も真っ白。日陰はツルツルに凍っています。でも本日は休館日。スタッフの人数は限られていますが、出勤している人出で総力をあげ、朝から雪かきです。
<氷を割って道を作る>
<熱くなって脱いだものがどんどん門に重なっています>
ショップの井上さんは、一日のほとんどを雪かきに費やしたそうで、「ここ何年かで一番働いたな!」と、周りから愛情のこもった?言葉を投げ掛けられていました。でも、怒る事もなく微笑む井上さんの笑顔に、クタクタのスタッフたちは癒されるのでした。
1.16(水)
・運営の新井さん。お昼に肉まんと餃子をほおばり、休憩時間にもまた肉まんを手に持っている様子を周りのスタッフが発見。「アレ?また肉まん食べるの?」「うん、ニ"コ"まん」「あっ、二個まん...ね...」。新井さんの肉まん愛は、人一倍。すごいです。
1.17(木)
・雪の重みに悲鳴をあげ、バックヤードで折れそうになっている大きな枝の撤去作業が、早朝から行われました。スルスルスルっと木をよじ登り、いくつもの縄を渡しながら作業する敏捷な職人さんに、ウットリする女子一同。夕方には無事作業も完了し、バックヤードの行き来も安心してできるようになりました。
1.18(金)
・スペインからのお客様を迎える西岡さん。「スペイン語で"こんにちは"は、なんていうの?」と内藤さんにたずねると「オ・ラ、って発音するようですよ」と回答が。すかさず西岡さん、「オッス、オラ、にしおか!」と言いだしたので、内藤さんは、じろりと冷たい視線を向けていました。
1.19(土)
・一層寒さは増してきているものの、子ども達はみんなとても元気。「手を洗うのが大好き」といい、服が濡れる程手を洗って嬉しそうな女の子や、コートも着ず半ズボン姿の男の子も。小さい子の大きなパワーに負けていられないと、寒さで体が縮こまっていた大人達も力をもらっていました。
1.20(日)
・トライホークスにて、『コクリコ坂から』の書籍を購入されたお母さん。小学1年生のお子さんが、"水沼が体育館の壇上で歌うシーン"を何度も真似してい歌いだすほど、大好きとのこと。「女の子なのに、なんででしょうね?」とお母さんは微笑んでいましたが、水沼くんへの恋心...?、と想像してみるスタッフでした。
1.21(月)
・今日が5歳の誕生日、という女の子。結婚指輪をしている中山さんを見て、「小さい子がいて、仕事をしていると何かと大変でしょ。早く帰ってご主人の支度をしないとね」と大人顔負けの話しぶり。でもその後は、ちゃんとネコバスで楽しそうに遊んでいきました。
1.22(火)
・カフェデッキにある赤松の高木剪定をしました。すると見事なカラスの巣を発見。よく見ると、赤松の枝と枝の隙間を埋めるようにハンガーを幾重にも重ねて土台をしっかりと作り、その上に巣をこしらえていました。その技術には剪定に関わっていた皆も感嘆しきりだったそうです。
・常設展示室では、本棚の念入りな清掃を行なっています。分厚い本や写真集の並ぶ本棚のそのまた上に、ぎっしり積めこまれた古そうなあやしげなもの...。何か潜んでいそうな不思議な闇を作っていますが、そのひとつひとつを背の高いスタッフが取り出し、背の低いスタッフがせっせと細かく拭いては戻しています。「のっぽのチームは"棒族"、と呼ばれてます。」とのことでした。
1.23(水)
・「"トトロ"の妹の、"ミーちゃん"はどこですか?」と、尋ねられたショップスタッフ。"サツキ"の妹、"メイちゃん"のグッズをご案内すると、「そうそう、これこれ。孫に頼まれたんだけど、私じゃわからなくって。」と、胸をなでおろしていらっしゃいました。ショップのスタッフも無事に答えられて嬉しかったようです。
1.24(木)
・風邪が流行りだし、めずらしく高熱をだした西岡事務局長。病院に行ってきたというので、インフルエンザを心配した周りが「どうでしたか?」と尋ねると、「なんでもない。普通の、感冒だった。」とのこと。「え?カンボウって?」と聞く机さんに、内藤さんは「昔の人の風邪ですよ。」と教えてあげてました。「昔のひと...」と弱々しくつぶやく、泣き面にハチ、な西岡さんでした。
1.25(金)
・経理の厚樹さんと鵜木さんと打合せを始めた西川さん。すると、なぜかみるみるうちに右目が腫上がり、イケメンの称号は見る影もなく、すさまじい形相に。すぐ眼科に行き診察を受けて帰ってきたものの、原因は不明。その後腫れは徐々にひきましたが、イケメンの様変わりが嬉しそうな人たちによって、「経理チームの呪いか妖術」など、どんどん話が作られ言いふらされるのでした。
1.26(土)
・〈愛らしいお野菜シリーズ〉と、カフェからのニュース。北海道から届いたニンジンに、足と尾っぽが生えたような形で、まるでおしらさまのニンジン版のよう。松田さんがそっと麦わらぼうしを被せていました。
1.27(日)
・メジロがかわいい声で鳴きながら、カフェデッキのトレリスの薔薇の実をついばんでいました。青空に黄緑色がよく映えていて、夢のように美しい光景に惚れ惚れする山川さんでした。
1.28(月)
・出口付近では、マンサクの花が満開に。名前の由来は、早春に「まず咲く」がなまって、「マンサク」となったそうです。雪が降ったり、まだまだ寒い日が続いていますが、そんな中、鮮やかに華やぐ様子に、少しずつ春に近付いているのだと感じるスタッフでした。
1.29(火)
・本日はスタッフの健康診断受診日。今年も「血が出ない」「尿がでない」「時間に来ない」と、なんだかんだとすったもんだがありながら、皆が受診することができ一安心。スッキリ垢を落とした気になっていますが、健康診断結果が送られてくるのは数日後。ひとまず"忘れる"というのも、精神衛生上の健康の秘訣なのでしょうか。
1.30(水)
・カフェでは早くも新メニューの開発の動きが。キッチンの川村さんが鍋と向かい合い何かソースのような物を作り、木下さんと高丸さんは焼き台に向かい合い丸くておいしそうな物をつくっています。次はどんなメニューが仕上がるのか、スタッフも楽しみです。
<何か混ぜている川村さん>
1.31(木)
・「そうすけー!」と中央ホールでお子さんを呼んでいるお母さん。どんどん自由に進んで行ってしまう「そうすけくん」に、「ここで名前を呼ぶとお母さんはちょっと恥ずかしいんだから」とホールの中を追いかけ続けていました。
・同じ日、カフェのスタッフは来店された男の子から自己紹介をしてもらったそう。「ぼく、そうすけっていうの!」「でも、ママはリサじゃないよ!!!」としっかりオチまでつけて話してくれました。そうすけくんは料理に立ててあるポニョの旗をしっかり手に握り、喜んで帰っていかれたそうです。