2018年1月
1月
1.3(水)
・2018年、はじめての開館日の本日。入口にお年玉の袋をしっかりと握りしめてやってきてくれた女の子。おじいちゃんとおばあちゃんに貰ったというそのお年玉で、「これからトトロのお人形さん買いに行くの!」と教えてくれました。しばらくして出口で再びそのご家族と会うと、女の子の腕の中にはトトロのぬいぐるみがしっかりと抱えられていました。とても満足げな笑顔に、こちらもうれしくなるのでした。
1.4(木)
・天気予報では、明日は雪予報。寒い夜が続くと屋上の池が半分ほど凍ることがあったのですが、年明けからさらに冷え込みが厳しくなり、今朝は池の全面が凍っていました。朝、屋上へ上がってみると、池の中に氷を見つけられるかもしれません。
1.5(金)
・日中に突然の地震速報があり、緊急警報があちこちで鳴り響きドキッとしました。実は今日は宮崎監督のお誕生日。スタジオに向かう道すがら警報をきいた人たちは、「なんだ、なんだ」「集まれってこと?」「いや、騙されてはいけない。避難訓練の招集かもしれない。」「こんな時にお祝いなんて言ったら怒られるのでは」などなど、のんきなことを言いあっていましたが、各所でどんな時でも気持ちを切り替えて行動に移せるように、と気を引き締めるのでした。
1.6(土)
・冬休み期間中ということもありカフェ店内にも、遠方からいらしているご家族をよく見かけました。この日は、小学生の兄弟がショーケースのケーキを何度も見に来てはいろいろとスタッフとお話し。「"シベリア"は六花亭にはないなー。」と話してくれたので、スタッフが「北海道から来たの?」と尋ねると、帯広から特急2本と新幹線を乗り継いで来たことを教えてくれました。「遠いところから大変だったね」と聞くと、「でも、来た甲斐がありましたよ。」とうれしいことを言ってくれるのでした。
1.7(日)
・ショップのショーケースを眺めていたお父さん。「おっ、Baccarat(バカラ)の飛行石がある!」との発言に、小学生の娘さんが「バカ」という言葉に憤然としており、お父さんが"バカラ"という名称の説明をして、納得していたようでした。でも去り際に自分が首に下げている飛行石を指さし、「だけどね。ほんとはこれが本物なんだよ...!」と、一部始終を見ていた宮本さんにだけそっと教えてくれました。
1.8(月)
・海外からいらした兄妹に、どちらから来てくれたのか会話を楽しんでいた香取さん。すると突然、香取さんとご兄妹の間に大きな木の枝がパサッ!、と落ちてきてびっくり。突然のことに驚いて固まっていると兄妹のお父さんがやってきて、「Where are you from? (どこから来たの?)」と木の枝に向かってたずねていました。みんな思わず吹き出してしまったそうです。
1.9(火)
・総務の小池さんは、"池ちゃん"と呼ばれています。休憩室でお花を花瓶に活けていた小池さんに、「池ちゃんだけに、いけてますね...」と話しかけるショップの阿部さん。このようなレベルを見過ごしてよいものか...と心配になった小池さんでした。
〈池ちゃんのいけばな〉
1.10(水)
・お母さんがトライホークスで買い物中の男の子。お母さんのお会計が終わるのを待っていられず、「迷子になってくるね!」部屋を飛び出していきました。でもすぐに戻ってきて、「お母さんもいっしょに迷子になろう。」とのお誘い。お母さんは、「迷子は一人でなるもんじゃないの?」と苦笑しながらも2人で館内へくりだして行かれたのでした。
1.11(木)
・雨が降ってきそうな空模様に浮かない顔をするスタッフに、「天気は気の持ちようだから大丈夫!」と根拠のないポジティブ発言をする晴れ男の成田さん。そんな成田さんがいうと本当にそうなる気がしてしまいます。アドバイス(?)のおかげなのか、閉館間際にパラパラと雨が降るだけにとどまったのでした。
1.12(金)
・今年も三鷹ネットワーク大学でアニメーション文化講座が開講されています。本日の講師は、元ジブリにも勤めていた稲村さん。上手なアニメーションを描くにはどんな秘密があるのでしょうか?稲村さんが実例とともに解説をしてくれました。
〈キャラクターの性格を描き分ける解説中です〉
この講座の前説を話した渡辺事務局長は、「いいなあ...絵が描けるって...」と受講者のみなさんの目の色が変わっていく様子を感じて、うらやましそうでした。今年度は応募が定員に達してしまいましたが、あと3回開講予定です。
1.13(土)
・ショップで販売している、コレクションボックス時計という置き時計を購入された、お若いご夫婦。もうすぐ完成する新居に置かれるそうで、「いよいよだね...!」「楽しみだね!」と心弾ませる様子にこちらもわくわくしてしまいます。お二人の新しい生活の横で、素敵な時を刻むよう、時計に命じる山崎さんでした。
1.14(日)
・事務所にきた半田くん。「お疲れ様です!」と大きな声でキレの良い挨拶をしたのに、「どうしたの?いつもより元気だね」「いつもここだけでは声大きいよね。」と周りからツッコまれていました。「いや、いつもこんな感じですが...?」と、本人は否定していましたが、なぜかいじられる愛されキャラの半田くんでした。
1.15(月)
・カフェ店内には、花餅(餅花)が飾られました。小正月のお飾りとして五穀豊穣や家内安全を祈るもので、地域によって使う木の種類やお餅の形が異なるそう。お餅を繭玉の形に模して作ったり、本物の繭玉を飾ることもあるそうです。花の少ない季節ですが、カフェの中が一気に華やかな雰囲気になりました。
1.16(火)
・スタジオジブリの新人アニメーターさんたちは、ここ最近、美術館のオリジナル短編を観る勉強会が行われているそう。大ベテランの片山さんが、どこでどのような処理が使われたかを解説するというとても幸せな学びの場が開催されているそうです。
1.17(水)
・毎年恒例の鏡開き。例年、総務で鏡開きをしておりました。が、実は、この作業がとっても大変!そこで、休憩室に鏡餅とゴムハンマーとノミを常備して、みんなで少しずつ鏡開くことになりました。全体的にちょっと大きめの粒になりましたが、只今乾燥中。そろそろ、揚げ餅になるスタンバイが整いました。今年は、どんな味付けに仕上がるのでしょうか。参加者も、そうでない人も、今か今かと楽しみにしています。
〈砕かれた餅〉
1.18(木)
・ショップで販売しているはりこーシカ(張り子でできたマトリョーシカ)で遊んでいる小さな男の子。「これがお父さん、これがお母さん...」と言いながら順番にトトロを出しています。「これがお兄ちゃん、これが僕...」と、残すはマックロクロスケのみ。「(弟か妹...もしくはペットかな?)」と予想したところ、「これは孫。」との意外な答えが。意表をつかれた永野くんでした。
1.19(金)
・秩父に出かけたという、豊村さん清水さん荒井さんの3人。休憩室には3人からお土産のお菓子が置かれています。その中のピーナッツには、豊村さんのニックネームである"とよぴー"にひっかけて、"とよピーナッツ"、と袋に書き足されていました。それを見たスタッフが、「あ、とよピーナッツ。お菓子ありがとう!」と言われ、その日会う人会う人に"とよピーナッツ"と呼ばれつづけた豊村さんでした。
1.20(土)
・トライホークスで書籍を保護する"ブッカーをかける"というお仕事の練習をしている清水さん。なかなかうまくいかない様子。「最初はみんな上手くできなかったよ」先輩スタッフたちに励まされつつ、ひとつひとつ作業工程をメモして一生懸命に練習しています。そして連日の練習が実を結び、とても綺麗に仕上げられるようになりました。しかし「まだまだです...!」と、本人談。でもどこかほっとした表情の清水さんでした。
1.21(日)
・寒い朝、ショップの森田くんの席の上にある天窓から、ポタポタとなぜか雨漏りが。どうやら外気が寒すぎて、結露が水滴になって落ちてきたようです。「なぜ僕のデスクだけ...」と悲しそうな森田くんでした。
<天井を見ながら仕事してます>
1.22(月)
・この日は朝から雪がちらつき、午後にはあっという間に雪景色になりました。
<降り始め>
<数時間後>
外では雪かきをしたり、テントに積もった雪を下ろしたりせっせと作業が続きます。
カフェでは今季初めて薪ストーブを焚いてお客様をお迎えました。ストーブの優しい暖かさとゆらめく火に、冷え込んだ雪景色のなか並んでくださったお客様の表情がほっと緩み、身も心もほどけていくようでした。
1.23(火)
・昨日の雪から一転、快晴の一日。この日は休館日でしたが、出勤していたスタッフは雪かきに総出で挑みます。でもそうはお目にかかれない銀世界の美術館に、ちゃんと撮影隊も出動。この日は板谷副館長がカメラマンでした。汗をかきながら雪かきに撮影に、と、なんだか気合十分なのでした。
1.24(水)
・カフェの新しいメニューの撮影が行われました。外は偶然「麦わらぼうしのシベリア」撮影には絶好の雪景色。西岡さんは、「シベリア風のシベリアを撮る!」という謎の気合いを入れましたが、丸山店長に「冬以外もおすすめしたいメニューなので...」とやんわりとお断りされるのでした。
<おいしそうに撮れてますか?>
1.25(木)
・パティオの山小屋の窓際におかれた雪だるま。翌日見てみると、その雪だるまがいつの間にか下に落ちていていました。何故かなあと不思議に思い、落ちた形跡をたどってみると、近くにはニワトリ型のランタンが。「ニワトリのしわざ...?雪だるま移動ミステリー、起きる」とスタッフの間で盛り上がってました。
1.26(金)
・トライホークスの研修が始まって、「毎日ワクワクしている」と楽しそうな本好きの蝦名さん。そんな彼女が、絵本の読み聞かせをする"お話の会"にデビューしました。もちろん緊張もしていたそうですが、持ち前のよく通る声で堂々と話せていて、みんなに褒められますます嬉しそうな蝦名さんでした。
1.27(土)
・大雪が降ってから数日。2階からふとカフェ倉庫の屋根を見てみると、何者かの足跡が。人間にしては小さく(きっと寒くて登らないであろう)、野良猫にしては大きく(きっと寒くて登らないであろう)、鳥にしてはおかしな足跡で、どうにもおかしい。何者の仕業かわからないまま、雪と共に跡形もなく溶けていったのでした。
1.28(日)
・この日の朝、濡れてしまい外に干していたマットをスタッフが取り込もうとすると「バリバリッ!」と聞きなれない大きな音が。どうやら、ここ数日の寒さで凍って張り付いてしまったようです。普段からずっと外で働いていて寒さには慣れっこのスタッフも、思わぬところで真冬の力を実感しました。
1.29(月)
・出口付近で、なぜか子どもたちが集まっている姿が。どうしたのかとふと目を下ろすと、地面には雪解けの水がふしぎな模様を作っていました。マックロクロスケに見えたりカルシファーのようにも見えたり。人によって違ったものに見えてくるようで、美術館をあとにしながら、どんな模様に見えるかをみなさんがそれぞれに口にされていました。
1.30(火)
・スラッと背の高い山川さん。どちらかというと暑がりには見えないのですが、なぜかいつも薄着で、かなり冷え込む毎日でも薄いカットソーにカーディガン、という軽装で出勤しています。しかし大雪が降る日、ついにダウンコートを着ていた彼女。「今年に入って買ったんだけど、なんだか暑いかも。」とのこと。ダウンを脱ぐと中はやはり薄いカットソー1枚で、まわりの冷え性寒がり女子たちから、驚嘆の声が上がっていました。
1.31(水)
・2人の姪っ子がいるショップの菅野さんは、ショップで販売している「トトロの名台詞かるた」をおうちでやってみたそうです。菅野さんがキャラクターになりきってセリフを読むと、2人は大喜び。「もう一度やって!」と、何度もせがまれたとのこと。ところでこのかるた、海外のお客様から説明を求められることが多く、日々ショップスタッフを悩ませている商品でもあります。この日も英語での説明に四苦八苦していた山本さんですが、かるたとりのジェスチャーで全てを伝え、なんとかのり切ったようで、文化伝達の大仕事を終えたような表情でした。