2018年12月
12月
12.1(土)
・今日から12月になり、クリスマスの飾りも華やかに、館内が特別な雰囲気に包まれています。今年は入り口前にちいさな2本のクリスマスツリーが置かれました。ツリーには鏡のようにキラキラ光る飾りが沢山ついています。3歳くらいの女の子が近寄ってきて、キラキラの飾りに自分の姿を映して、さまざまなポーズをしては眺めています。子どもたちの手の届くところにある高さのツリーは、これまでとはまた違う楽しみ方を発見してくれているようで、一段と楽し気で賑やかな入り口になっています。
12.2(日)
・12月の土星座の映画は「たからさがし」です。中川李枝子さんの絵本が原作のこの短編には、人間の男の子"ゆうじ"と、ウサギの男の子"ギック"が登場します。映画を見た3歳くらいの女の子が、「いま映画にでてたの、おにいちゃん??」と、目をクリクリしながら尋ねています。スタッフが不思議そうに隣をみると、おにいちゃんは"ゆうじ"にソックリ。突然映画の中でお兄ちゃんがお相撲をとってたら...、たしかにびっくりしますね。
12.3(月)
・日に日に落ち葉の量の量が増えてきています。今朝は前日から積もった落ち葉で、まるで地面に絨毯を敷いたよう。早朝から総動員で、黙々と掃き清めていきますが、風が吹くとまたハラハラと葉っぱが降ってきて、そのたび見上げる目が切なくなっていきます。毎年のことながら、これだけの量の葉っぱが茂っていたんだなあと、しみじみとしながら頑張る落ち葉隊員でした。
12.4(火)
・田中くんの席に誰かのイタズラで猫の画像が貼ってあります。カフェの裏手で柵に首が挟まってしまい抜けなくなってしまった猫の表情が、田中くんに似ている様子。愛嬌ある困り顔につい噴き出してしまいますが、この子はその後ちゃんと救出されておりますのでご安心ください。
<誠に無念です...>
12.5(水)
・カフェのキッチンの一角から強力にニンニクの香りがすると思ったら、3キロのニンニクの皮むきをもくもくとこなすキッチンスタッフの姿が。半分ほどむき終わり気合いを入れなおしていると「これ見て!」と声が。くっついた2つのにんにくが桃のような形をしているのを発見し「赤ちゃんのおしりみたい!」と盛り上がるスタッフ。ひとしきり笑うと作業のスピードが上がるスタッフ達でした。
12.6(木)
・お母さんと一緒に来館した3歳の女の子が大事そうに絵本を抱えています。見せてもらうと、『となりのトトロ』でした。その絵本は、お母さんが25年以上前に買って受け継がれたものだったそう。トトロが大好きで何度も繰り返し読んだという女の子は、絵本をしっかりと持ちながら館内を回っていました。念願のネコバスにも乗ることができたそうで、「また来るね」とスタッフに手を振ってくれました。大事な絵本と共にネコバスの思い出も大事に抱えて帰っていきました。
12.7(金)
・ショップの阿部さんがお昼ご飯にごはんとみそ汁を持参。そこから『ホーホケキョ となりの山田くん』のお父さん・たかしと息子ののぼるが、「ご飯にみそ汁をかけるか」「みそ汁にご飯をいれるか」で口論になるシーンが話題になりました。ショップスタッフの中でもたかし派とのぼる派に意見が分かれ、様々な持論が展開されましたが、もちろん結論がでることはなくその話は終わり。平和なお昼でした。
12.8(土)
・いつも明るいムードメーカーの玉井くん。でも今日はいつにも増してニコニコしています。何があったのか聞いてみると、「4歳くらいの女の子にもらったんです!」と、折り紙で作ったトトロを見せてくれました。それを大事そうに胸ポケットにしまい、「宝物にして、落ち込んだ時に見ます!」と言っていましたが、玉井くんが落ち込む姿が想像できない周りのスタッフでした。
12.9(日)
・ショップの日下くんが髪を切ってきました。短くなった前髪を見て、「"たからさがし"のゆうじみたい」「"ポニョ"の宗介みたい」と女性スタッフに言われ放題の日下くん。褒めているつもりの女性陣ですが、当の本人は「全員子ども......」と若干不服そう。そんな日下くん、ではなくゆうじがでてくる『たからさがし』は今月27日迄土星座にて上映中です。
<ショップにはサントラ盤もあります>
12.10(月)
・クリスマス装飾が施されたカフェの店内は、日が暮れると暖炉の横にある赤いロウソクに火が灯されます。ツリーのオーナメントがロウソクの灯りでキラキラ光り、まるで絵本の1ページのよう。この時間の店内ではお客さまが温かい飲み物と甘いケーキでゆっくりと流れる時間を楽しんでいる様子で、和やかな雰囲気になんだか特別な気持ちになる夕暮れ時なのでした。
12.11(火)
・来年発売すべく企画展示のパンフレット制作が進む中、今日は宮崎監督がパンフレット掲載のためのインタビューにやってきました。たっぷり午前中いっぱいをかけ映画制作時のことを踏まえ丁寧にセルの解説していきます。でも新しい企画展示だけでなく、美術館ではほかに気になる箇所もたくさんある宮崎さん。インタビューが終わるとおもむろに、「う~ん......、灯台の壁紙はどこでしたっけ。」と男子トイレの壁紙をチェックしに向かい、突然のことにパンフレット制作チーム以外も慌てさせる館主でした。
<水の表現のコツについてを解説しています。パンフレットは1月下旬発売予定です>
12.12(水)
・今回の企画展示では本当のセル画が展示されているため、温度や湿度にはいつもより気を使っています。ひとつひとつの展示パネルには実は裏側に乾燥剤が仕込まれているのですが、展示設営中に乾燥剤をたくさん見比べて、詳しくなった功刀さん。頂きもののお菓子をみても、「あ!これは○○(※メーカーの名前)の乾燥剤に違いない!ほらね、もうパッケージで分かります!」と、謎のスキルアップを果たしていました。
12.13(木)
・開館する前からずっと警備を担当してこられた三上さんが、いよいよ定年退職をされることになりました。誰よりも夜の美術館に詳しいに違いない三上さん。現役スタッフはもちろん、いまは美術館を離れた面々も心から寂しく、三上さんに夜遅くや朝早くに迷惑をかけた様々な思い出がよみがえり、多くの者たちが駆け付けました。そんなわけで今日の朝礼は、ちょっぴり人が多めながら、新しい門出を祝うものとなりました。
三上さんからのごあいさつ「長い間お世話になりましたが、本日で終わりです。今後は趣味の釣りや畑、日曜大工を楽しみたいと思います。社員ではないのに社員のように温かく接してくださって、どうもありがとうございました。」
<在りし日の三上さん>
12.14(金)
・年末調整がやってくるこの時期、住宅ローンについて語らう新米お父さん三人衆と、その横で黙々と書類のチェックをする井上くん。年の瀬にはいろいろなシーンが目撃されています。
12.15(土)
・テイクアウトに来てくれた小学生の男の子とお父さんが美術館に来るのは2回目だと話してくれました。初めて来館した時のお父さんのいちばんの思い出は"風の谷のビール"だったそう。「その時僕は何歳だったの?」と言う男の子に「2歳くらいかな!」と答えるお父さん。男の子は今9歳だそうで、曽我さんは「今日またちがうたくさんの思い出を作って、語りに来てね。」と男の子とお父さんを見送ったのでした。
12.16(日)
・地下1階常設展示室の上昇海流を7歳くらいの男の子が真剣に見つめています。その横にお父さんもやって来て、一緒にしゃがんで見上げてみます。するとお父さんは、「うわぁ、子どもの目線だと世界ってこんなに違うように見えてるんだね。」と驚いています。その後、展示を見る男の子の横で、「すごい~!不思議!」と感動して歓声の声がでているお父さん。お母さんから「どっちが子どもなのかわからないね。」と、思わず笑いが出ていました。
12.17(月)
・カフェの宇田川さんは「日常の特別」を見つけるのがとても上手です。この日は揚げたてのカツを見て「トトロみたいな形ですね!」と一言。確かに言われて見るとトトロに見えます。彼女のピュアな心に感心しながら、「下のパンが隠れちゃうくらいの大きさだから、大トトロだね!」と必死に返す先輩スタッフなのでした。
12.18(火)
・忘年会に向けて、そこかしこで準備が進められているようです。「プロ用のトランプを......」とか「イヤホンをかき集めて......」といった不思議な言葉が飛び交っています。毎年何か一騒動の起きる美術館の忘年会、今年は一体何が起きるのでしょうか...?
12.19(水)
・入り口で何やらお客様と盛り上がっていた梨子木くん。とても楽しそうだったので何の話をしていたのか尋ねてみると、ご自宅が梨子木くんの実家の近所だったとのこと。近所の公園や食べ物屋さんの話など、久しぶりに地元の情報を聞いて、意外と世間は狭いんだなあと実感したそうです。
12.20(木)
・クリスマスの時期だけの特別なおもてなし、今年はカフェデッキに、クリスマスマーケット風のワゴンがサプライズで登場しました。
ショップのワゴンではクリスマスの装いになったパン種くんや、数量限定のクッキーが並びます。
もうひとつのカフェのワゴンでは、温かい淹れたてのコーヒーや、ぽかぽかアップルサイダーがお目見え。
どちらのワゴンもこの期間のみやってきていましたが、少し特別なクリスマス気分を盛り上げてくれ大人気でした。
12.21(金)
・ショップでは色々な食器をお取り扱いしていますが、寒い季節になるとマグカップやティーカップなどが人気です。たくさん柄があるのでどれにするか決められないという方には、スタッフもお手伝い。ああでもない、こうでもないと一緒になって悩んだ末に、「これ!」というものに決まるとこっちまでうれしくなってしまいます。カフェ麦わら帽子で使っている食器なども取り扱っていますので、ほっと一息ついてはいかがでしょうか。
12.22(土)
・年の瀬も迫り、事務所周りの整理がすすみ、三野さんが溜まった書類を仕分けしていきます。一切迷うことなくザクザク断捨離をしていく三野さんとミニマリスト雫石くん、このふたりの活躍で、事務所はスッキリ。これから不用意にものは増やせない...と、恐れる事務所の面々でした。
12.23(日)
・今年入社したカフェの中山さんと丹藤さんが新しくカフェでご案内の仕事を研修中。まじめで行動力のある中山さんは終始緊張した様子で先輩の説明に耳を傾けて全力で応えようとしています。一方、明るくおおらかな丹藤さんはとにかく笑顔で実践あるのみ。この日は丹藤さんが18時のラストオーダーに向けて並ばれているお客様を店内にご案内していると、次から次へと新しくお客さまが並びだしていました。どうやら彼女の声が大きすぎて呼び込みに聞こえたらしく、その声は美術館の出口に立っていたスタッフの元まで響いてしまったそう。店内がいっぱいになってしまい入れないお客様に謝りつつも、笑顔を忘れずしっかり対応する丹藤さんなのでした。
12.24(月)
・カフェの定番人気メニュー「ふぞろいイチゴのショートケーキ」。でもクリスマスイブとクリスマスだけ、あれ、何かがいつもとちがいます。
大きなイチゴの真ん中に、今日と明日だけの特別いちごサンタがのっていました。
12.25(火)
・ショップで飛行石を探していた5歳くらいの女の子に、上野さんが飛行石キーホルダーを教えてあげました。気に入ってくれた様子でお買い物をしてショップを去っていきました。でもしばらくすると女の子が戻ってきて、上野さんに何か渡したそうにモジモジしています。「美術館で一番最初に飛行石を見つけてくれた人にあげるんだって、書いてきたんです。」と、一緒にいたお父さんが後押し。受け取って見てみると「じぶりびじゅつかん の ひと え」と始まる手紙でした。そのあとには、「あなたの なまえわ なんですか?」とあったので上野さんは名前を伝え、手紙をもらいました。女の子のすてきなお手紙で、なんだか胸がいっぱいになった上野さんでした。
12.26(水)
・ショップの店内で迷子になっていた幼い兄妹が、二手に分かれてお母さんを探していました。バラバラになると2人もはぐれてしまうのでは、と心配した大塚さんが兄妹を招集、「(2人で)手をつないで一緒に探そうか?」と提案してみたところ、大塚さんの右手と左手をギュッとにぎってきたそうです。「不意をつかれました〜」とかわいらしいさに満面の笑みの大塚さんでした。
12.27(木)
・今日は年内最終開館日。朝礼では、安西館長から「今年は高畑監督のご逝去と、何かと大きな出来事もありましたが、なんとか今日を迎えました。明日もしっかり掃除をして、新年を迎えましょう。」との話が。
いつも変わらぬ、おもしろくて、心がやわらかくなる美術館であり続けられるよう、来年も一同で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いします。