2019年1月 


1月

1.3(木)

・新年を迎え、受付のカウンターにはお正月らしく鏡餅が置かれました。カフェでは薪ストーブの慣らし運転をする丸山店長。お正月ならではの清爽な空気の中、2019年のジブリ美術館も晴れやかに初日を迎えました。ところが。この機に薪ストーブの正しい使い方を改めて勉強し直した丸山店長は、なんと薪の置き方を開館当初から間違って理解していた事に気づきました。「上昇気流を作るにはこうやって...。」と独り言をつぶやく丸山店長。何年経っても変わらないものと、新しく変えていくものがありますが、とりあえずは「いい火だね~。」と暖かな火の動きに癒されてうっとりしてしまう丸山店長でした。
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1.4(金)

・地下1階の常設展示室にて、「部屋が暗くて怖い。」と、目をギュっと瞑ってしっかりとお父さんを掴んでいる男の子。お母さんに「とても綺麗だよ、見てごらん。」と言われると、恐る恐る、ちょっとずつ目を開いていきます。目を開けていくのと同時に男の子の表情がどんどん笑顔に変わっていき、「あっちも綺麗!」と最後には駆け出していきました。その笑顔を見たご両親もほっと安心された様子です。スタッフは、恐怖心に打ち勝って、そこから瞬く間に変わっていく子どもの一瞬を目の当たりにして、なんだか深く心を動かされていました。


1.5(土)

・1月から短編映画が『毛虫のボロ』になり、ショップのぶるぶるボロマスコットは大人気。紐を引っ張るとブルブルふるえるボロですが、ある日紐が伸びっぱなしで動かなくなってしまったボロがいました。修復を試みますが、どうにも動きません。そこにやってきたのはものの修理が得意なショップの遠藤さん。「うーん...」としばらく触ったあと、拳でドン!とボロをひと突き。するとうんともすんともいわなかったボロがぶるぶると動き蘇りました。力強い見事な蘇生術に「やっぱり遠藤さんだ!」と感嘆する周りのスタッフでした。


1.6(日)

・年明け早々、調子が悪くなった事務所のCDプレイヤーを見ていた郎さんと小川くん。あれこれスイッチや配線をいじってみますが、いっこうに直る気配がありません。そこで、「よし、初心に帰ろう」と、叩いてみることに。残念、こちらは遠藤さんのようにはいかず、CDプレイヤーはシーンと静まったまま。修理隊の力及ばず、こちらはその日のうちに「新しいのを買ってきます!」と渡辺さんが出かけていきました。
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1.7(月)

・あっという間に鏡開き。無病息災を祈ってお餅を開く面々。過去の経験から、まだやわらかい内に...と手をつけていても、かなりの力が必要な様子。今年は秘密兵器?なのか、電動ドリルも持ち出してみたりと、あの手この手を使いましたが今年も無事に伝統を成し遂げ、晴れやかな表情でした。
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1.8(火)

・ショップの新商品を考案中の三野さん。考えるにあたって、まずは周りのスタッフならどんなものを使いそうかイメージすることからはじめています。「伊神さんなら、北欧風の上品な小物を愛用していそう」「田中さんなら、キャラクターの下敷きをさりげなく使ってそうですね。」と、次々と人物像と趣向を見抜いていく鋭い観察眼。ドキリとする面々でした。


1.9(水)

・ショップでお買い物に夢中になるあまり、お母さんお父さんと子どもたちがはぐれてしまいがち。「ママー!どこー!」「ココー!」という声だけのやり取りがあちこちでよく聞こえます。大抵はお店の中ですぐに会えるのですが、時々不安になって泣いてしまう子も。大きな什器にずらりと並ぶ商品たち、そしてたくさんの知らない人、人、人。小さな子たちの目線からは、このショップはどのように見えているのでしょう。どのぐらい不安なのかなあ...と写真を撮ってみる山崎さんでした。
20190109.jpg<このくらいの目線でしょうか>


1.10(木)

・テイクアウトにある英語の看板メニューに興味を持った様子の5歳くらいの男の子。読もうと奮闘しているのですが、どんどん難しい表情になっていきます。その様子を見ていた木村さんが「これはホットドッグだよ。」と教えてあげると、発音もちゃんと真似て、一緒に練習をし始めました。一生懸命覚えようと頑張る男の子の姿勢をお手本に、他のテイクアウトスタッフ達も英語力向上にやる気を燃やすのでした。


1.11(金)

・小学校2年生くらいの男の子がひとりでショップのレジにやってきました。「こんなに買うのは初めてなので......。ゆっくりでもいいですか?」と、丁寧に聞いてくれたことがとてもいじらしく、「もちろんですよ!」と菅野さん。ひと通りのことが終わると、男の子はホ~っと胸を撫でおろしていました。ちょっとだけ冒険譚に立ち会えたような、彼の眩しい成長を見送る菅野さんでした。


1.12(土)

・カフェデッキでカバンからトトロとネコバスとジジのぬいぐるみを覗かせている女性のお客様と楽しそうにしている曽我さん。ぬいぐるみ好き同士、話がはずんでいるようです。「家から持ってきたんです」と話してくれた女性と盛り上がっていると、一緒に来ていた女の子が、「これも見て!」と飛行石のペンダントを差し出します。すると、隣にいた男の子が「僕のも見て!」と持っていたソフトクリームを見せてくれました。急に宝物自慢大会となり、男の子も女の子も顔を見合わせてニコニコした自慢大会でした。


1.13(日)

・朝ネコバスで遊んでいた女の子が、午後になってまた遊びに来てくれました。お昼はカフェで食べてきたというので、何を食べたのか聞いてみると、「アイスクリームと~、リンゴジュースと~、...あと、ハラマキ!!」"ハラマキ"の正体は、カフェのテイクアウトで買える"春巻き"のことでした。"ハラマキ"がどんなに美味しかったかについて、グルメレポートをしてくれた女の子でした。
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1.14(月)

・トライホークスにて、『コクリコ坂から』の書籍を買ってくれた小学5年生の女の子。この映画が大好きで、何度も何度も見返しているそう。好きが高じて「海ちゃんみたいな朝ご飯を作るんだ!」と言って、毎朝ハムエッグを作って、納豆とご飯と一緒に食べているそうです。一緒にいたお母さんによると、2年生から作り始めたハムエッグ、今ではとても上手に作れるそうです。ほんとうに海ちゃんみたいです。


1.15(火)

・先日、お子さんが生まれたばかり新米パパの岡さん。命名の由来を尋ねた天内さんに、岡さんはずっと話を続けていますが、いつまでたっても肝心の質問の答え、"名前の由来"に辿りつきません。話し出すと会話の止まらない2人ですが、延々と続く岡くんトーク、しかし出口のなさに流石の天内さんも「...で、由来は結局?」と何度かツッコミ。そのやりとりをずっと見ていた北嶋さんと伊神さんはおかしくて仕方なかったそうです。


1.16(水)

・朝一番に赤ちゃんを連れて屋上に上がってきてくれたお母さんが、「今年、初お出かけ、初美術館です!」と初めて揃いのご様子。「初富士山もいかがですか?」と、おすすめスポットへご案内すると、おあつらえ向きの雪化粧をまとった富士山がクッキリ。枝葉が落ちた冬の時期ならでは眺めに加え、晴れて澄んだ空気の日にしか見られないこの情景。「この子にとって、人生初・富士山です」と笑みがこぼれるお母さん。ロボット兵と、青空と、それから富士山に囲まれて、今年一年赤ちゃんが元気いっぱいに育ちますように。なんだか祝福に満ちたすがすがしい朝でした。
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1.17(木)

・ジブリ美術館の紋章に使われているあるマーク。カタカナの"イ"と描かれていますが、「猪(い)の頭」と、美術館のある「"井の頭"公園」を掛けている、宮崎駿監督のあそび心溢れたデザインの旗ですが、ショップにも飾られています。今月に入り、「ほら、今年の干支のイノシシ!」「毎年変わるのかな?」と、別の意味で12年に1度の大注目を浴びているイノシシくんでした。20190117.jpg


1.18(金)

・カフェ喫茶室へ急遽ヘルプとして駆り出された田中くん。3ヶ月ぶりのホール業務に最初は緊張しているようでしたが、いざオープンしてみるとなんの問題もなく卒なくこなしています。「馴染みすぎて久しぶりな気がしない、ピンチヒッター感がない...」とぼやく田中くんですがスマートな仕事ぶりは相変わらずでした。その数日後はベテランの田倉さんが6年ぶりにホールに登場し「昔と色々変わっているから不安だ...」と言いつつもブランクを全く感じさせない仕事ぶりに周りのスタッフは大絶賛。しかし一日が終わってみると「疲れたっ!!」と言って集中力を使い果たした様子の田倉さんが背中に疲労感をにじませてスゥ~と消えていきました。


1.19(土)

・パティオにあるたくさんの植栽の中に、苗が傾いて浮き上がってしまっているものを発見した千葉さんと齋藤さん。大きい鉢に入れ替えるために苗をそっと持ち上げてみると、下のほうに綺麗な空洞部分を発見。不思議に思った2人がのぞくと、なんとそこにはセミの幼虫が!昆虫博士の千葉さんも、自然にできたものを実際に見るのは初めてだそうで、感激したそう。長い年月をこの鉢の中で過ごしていたのか...と考えると、とても感慨深く、無事にセミになってくれることを切に願う2人でした。
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1.20(日)

・カフェの木村さんがキッチンに移動しカツサンドの調理に一生懸命です。緊張しながらオーダーをこなしていると、「あっ!」と木村さんの声が。見るとマヨネーズのかかったトンカツに、さらにもう1回マヨネーズをかけそうになっていました。「あぶなかった!俺マヨネーズ好きだから!!」と夢中になるあまり、木村スペシャルカツサンドを作りそうになっていたとのことでした。
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1.21(月)

・お掃除からはじまる美術館の朝。「ねぇねぇ、見てコレ!」と2Fテラスから上澤さんの弾んだ声が聞こえてきます。岸田さんが声のする水飲場へ行ってみると...。
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よくよく網のむこうを覗き込むと、なんと中に可愛らしい木の芽がひょっこり!どうやら少し離れたみかんの木から飛んできたものが芽をだしたようです。20190221b.JPG小さな発見に朝からときめいて、冷たい空気の中どこかウキウキホクホクと温かな気持ちで掃除をする2人でした。


1.22(火)

・ちまたで大人気のタピオカ。その原料や作り方について「芋でできてるってどういうこと?」「形や大きさはどうやって作るの?」とさまざまな疑問を口にしていた草屋2階チーム。詳しい安西さんに質問したり手ほどきを受けてるうちに、ならば我々も作ってみよう、ということになり、内野さんや橋本さんがチャレンジ。20190122b.jpgできあがりは...。なんだか非常に新しいタピオカが出来上がった、とのことでした。ともかく、味は美味しかったそうです。


1.23(水)

・カフェのカウンターに座った女の子が「ハチミツ入りホットミルク」を注文しました。使用しているトトロの12ヶ月カップを女の子がとても気に入っていた様子で、「自分の誕生月のカップを買いたい!」とお母さんにお願いしています。本田くんが「このカップ気に入ってくれたの?ありがとう!」と声を掛けると、女の子はちょっと恥ずかしかったのか俯いておとなしくなってしまいました。しまった、と本田くんがそっと気配を消すと、いつの間にかお母さんと楽しそうにおしゃべりを再開している女の子。ほっと胸をなでおろして反省する本田くんなのでした。


1.24(木)

・トライホークスにて、「これください」とカウンターの下から声が。覗いてみると4歳くらいの小さな女の子が、アリソン・ジェイさんの絵本『きのうをみつけたい!』をぎゅっと抱きしめて立っています。お母さんいわく、女の子のおじいちゃんと絵本の中のおじいちゃんはソックリなのだとか。北海道に住んでいてなかなか会えないおじいちゃんを絵本で見つけて大喜びの女の子。にっこり笑顔を見せてくれて、思わずおじいちゃんに会ったような気がして、こちらも笑みがこぼれるスタッフなのでした。


1.25(金)

・ショップでは商品を陳列している棚やレジの備品など木でできているものが多く、そこはかとなくぬくもりが感じられます。10年以上経った木材からは、いたるところに深い味わいが出ており、レジのカウンターの「節(ふし)」もその一つ。ある日レジの上で小銭をばらまいてしまった男子高校生。あわてて小銭を集めようとしたところ、節と10円玉を見間違えて、必死で掴もうとしていました。「あれっ?(スカッ)」となっていたところを「何やってんだよ〜!」と友達と大笑いしていました。20190125.jpg<さて10円玉は何枚あるでしょう>


1.26(土)

・カフェの柳葉さんが何やら新作のデザートを試作している様子。「これは刻んだ方が香りが出るかな...それとも練り込んだ方がいいかな...。」と初めての試作にずっと苦悩しているようですが、ちょっぴり楽しんでいるようにも見えます。初めての柳葉さんの挑戦、一体どんなデザートに結実するのかワクワクしながら見守っています。


1.27(日)

・閉館間際、ショップの窓をお店の外から拭き掃除していた菅野さん。下の方を拭こうとしゃがみこむと、店内の窓の向こう側にいた3歳くらいの子と目が合いました。すると、持っていた小トトロを見せてくれたり、お掃除のマネをしたりして、お店の端から端までずっと2人はいっしょ。窓を隔てているので声は聞こえませんが、言葉はなくてもとても通じ合っている様子。お母さんが気付いて「お仕事の邪魔をしないのよ」と言われるまで、二人だけの秘密の遊びを楽しむ菅野さんでした。


1.28(月)

・お昼に、鏡開きにやっとの思いでひらいたお餅が、カフェであられになって休憩室に置かれていました。今年の調理を担当したのは、宇田川さんと柳葉さんの2人。塩、カレー、きなこ、シナモン の4種類の味付けで、シナモンは今年初登場。柳葉さんに、「今年は女子らしくてかわいい味のチョイスだね」と声を掛けると、「シナモンを選んだのは丸山店長です」とのこと。丸山さんの乙女心が込もったあられ、今年も大好評でした。
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1.29(火)

・連日寒い日が続きカフェでは薪ストーブが大活躍中。20190129a.jpgこの日は朝から根津くんが準備をしていますが何やらブツブツと聞こえてきます。どうやら「今日はカルシファーのご機嫌ななめだなぁ...。」と話しかけているようです。薪ストーブへの愛情からの行為でしょうけど、一人会話を続ける不気味な根津くん。そっとその場を離れていく女性スタッフ達でした。20190129b.jpg


1.30(水)

・「映画を塗る仕事」展の展示室では、セル絵具で実際にセル画を塗る作業をしているところを、短い映像にして上映しています。あっという間にキャラクターに色が塗られていく手早さに、思わずジッと見入ってしまいます。今回、その映像にナレーションがつきました。ナレーションは、『かぐや姫の物語』の姫、朝倉あきさんです。


1.31(木)

・小さい頃からよく美術館に遊びに来てくれている男の子。少し前まではとても小さかったのに、今年の春から5年生になるそう。あれよあれよという間に身長がグングン伸び、あっという間にスタッフを追い抜いていきそうな勢いです。小さい頃を知っている堀田くんは、改めて時間の流れの早さを感じたそう。2019年も年が明けたと思っていたら、あっという間に1月が終わり明日からは2月。日々いろんなことを見逃さないように、大切に過ごしていきたいと感じている堀田くんでした。