2019年8月
8月
8.1(木)
・運営スタッフの、元アニメーターの斉藤昌哉さん。8/5まで常設展示室の作画机で「作画」という仕事を実演してくれることになりました。鉛筆で線を書き込んではパラパラと紙を動かし動きを確認する昌哉さん。静かに見ていた子どもたちからコソコソッと小声で質問がとんだりすると、穏やかに、でもちょっと嬉しそうにお話ししていました。
8.2(金)
・お好きなマスコットを3つ選んで、オリジナルのキーホルダーを作ることができるこちらの商品、ショップでは額などに入れて実用例をディスプレイしています。
ありがたいことに、「うちでもこうやって飾ろう!」「この額は売っていないの?」などとお客様からの声をいただくことも。飾った当人たちは嬉しそうです。特に12ヶ月トトロを時計のように飾ってみたディスプレイは、「まるごとください!」なんて言われたりすると「ごめんなさい、これは見本でして...」とお答えしつつも、担当した高嶋さんと阿部さんはちょっぴり誇らしそうでディスプレイ冥利につきる、とのことでした。
8.3(土)
・制服を着た中学生のグループと風見さんが受付で何やら話が弾んでいる様です。 偶然にも風見さんの母校の方々だったとのこと。本人も驚いた様子で、「どこかで見たことある制服だと思ったんです!」と、自分も毎日袖を通していたなじみのある光景に少し昔をなつかしく思い出した風見さんでした。
8.4(日)
・カフェの喫茶室で開館当初から使っている麦のストロー。今年初めてカフェのスタッフも収穫された麦の脱穀作業を手伝わせてもらいに行きました。脱穀とは刈り取った麦の穂先の籾(もみ)を取る作業です。今年の麦は育ちが良く、自分達の身長ほどまで伸びた麦もありました。茎を折らないよう慎重に作業しつつ「素早く丁寧に!」と皆で汗を流すカフェスタッフでした。
8.5(月)
・高田くんがカフェデッキで仕事をしていたところ、顔を蚊に刺されてしまったよう。頬っぺたを赤く腫らせてラムネを売っていましたが、帰る頃には腫れも引き、いつも通りの顔に戻っていました。次の日、カフェデッキで仕事をしていた高田くんの顔を見ると、なぜか全く同じところを蚊に刺されていました。「なぜここなんだろう...。2日連続で同じ蚊なんじゃないか...」と赤い頬で怪訝な表情の高田くん。「なんとか3日連続は阻止したい」との意気込みでその次の日もデッキに向かっていきました。
8.6(火)
・閉館後に誰もいなくなった展示室は、翌日までカバーをかけられて展示物が守られています。そんなカバーがこのたび素敵なものに生まれ変わっていました。古くなってしまった制服を柴田さんがリメイクし、どこに場所に使うべきカバーかがわかるように目印のワッペンもつけてくれたそう。
8.7(水)
・今朝はトライホークスで石光さんが取材を受けています。足を踏み入れると、たくさんの本の表紙が目に飛び込んできますが、「ここは子どもたちが本と出会う場所で、本の表紙は本の顔ですしできるだけたくさん表紙を並べたい、という宮崎監督の意向なんですよ」と説明する石光さん。取材の方も一望できる本棚に「快適なお部屋ですよね」と深くうなずいていました。「壁の上にある額装された絵も素敵ですね」というご質問に、「ありがとうございます、あれも実は元は絵本なんです」というと、さらにびっくりされていました。トライホークスのすみずみまで、ぜひごらんください。
8.8(木)
・フランスからやってきたお客さまと田頭さんがお話をしていて、とても盛り上がっています。お客様は「崖の上のポニョ」が大好きらしく、フィルムきっぷでポニョが当たったことに大喜びしてくれていました。さらにフランスではコーラス隊に所属しているそうで、ポニョの歌を歌ったこともあるとのこと。大好きなポニョで、テンションが上がったお客様は、ポニョの歌を少しだけ披露してくれました。さすがコーラス隊、と思うきれいな歌声に思わず聞き入ってしまった田頭さんなのでした。
8.9(金)
・この日、運営の西川さんが初めてショップスタッフのヘルプを担当することになりました。佐藤さんから一通りのことを教えてもらい、いざ店内へ。そんな西川さんがこの日一番イキイキとしていたのが、お会計の列のご案内。普段から美術館入り口の列のご案内は心得たもの。スムーズにお客様をご案内しています。他のスタッフからは「わかりやすい!」「さすが!」との声。さらに、「阿波踊りをやっているだけあって、手つきが綺麗。」なんてことも言われ、さらに張り切る西川さんなのでした。
8.10(土)
・カフェデッキにあるイスの上にカマキリを発見した小学生の男の子2人。とても楽しそうに話していたので虫は苦手だけど曽我さんも「かわいいね、戦うポーズしてるね!」と混ぜてもらいました。「小さいからまだ子どもだよ!」と大盛り上がり。いろいろ話した末に「踏まれてはいけないから、あのあたりの木に連れて行ってあげよう!」と小さな命を守る3人組になったのでした。
8.11(日)
・天井のステンドグラスに見とれているちいさな1歳くらいの女の子。上を見上げていたら、正面の柱にぶつかってしまいました。驚いて泣いてしまっている女の子と、その姿を見て心配しつつも笑ってしまっている親御さん。「びっくりしたね」と話しながらそのまま歩いていきました。数時間後、ゴーン!と音がするのでびっくりして見てみると、「また柱にぶつかった!」という親御さんと、おでこを押さえる女の子が笑いあっています。数時間前とまったく同じご家族ですが、おでこを抑えながらも、まだ上を指差しています。女の子が指さす方を見ると、差し込んだ光でキラキラ光るステンドグラスと、ぐるぐる回る天井扇が輝いていました。息をつめて夢中で世界をみつめている彼女、こんなに無我夢中なことがうらやましく思えます。
8.12(月)
・8月も後半にさしかかり日中に雨が降ったり止んだりの日が続いていたある日、カフェデッキで小学生の姉妹がカタツムリを見つけました。「生きてるの初めて見た!」「お母さんに教えなきゃ!!」と駆け出しそうな勢いです。釘付けになっている姉妹の姿に、夏休みの思い出にカタツムリも登場するかなぁと思う曽我さんなのでした。
8.13(火)
・カフェの喫茶室に飾られている「パンパスグラス」。すらりと伸びた茎にふわふわとした穂先がついているのを見てみんな色々な物を思い浮かべるよう。スタッフの間ではお掃除道具やキツネの尻尾に見えると話題でしたが、来店した小さな男の子いわく「魔女のホウキをかざってる!」、だそうです。
8.14(水)
・子どもがとってきてくれた「セミの抜け殻」が飾ってあるネコバスの窓辺。並べて飾ると色んな子どもたちが、「あ!!セミの抜け殻だ!」と大喜びです。その日は2歳くらいの男の子が、じっと不思議そうな顔でセミの抜け殻を見つめていました。「これなんだか知ってる?」と聞くとブンブンと首を横に振ります。スタッフが手にとって見せてあげると、おそるおそる触っては引っ込め、触っては引っ込めの繰り返し。「この子、セミの抜け殻を見るのは初めてかもしれません」とお母さん。男の子の初体験と、かわいい仕草に触れられて、嬉しくなるスタッフなのでした。
8.15(木)
・カフェデッキのブドウの木から今年もブドウが収穫されました。
朝からラムネのワゴンの準備をしていた田中さんが「あれ?ここにブドウが!」と不思議そうにワゴンにラムネと一緒においてあったブドウを並べていると、丹藤さんが「ぶた看板の横のアイビーの上にも、いつのまにかブドウが飾られています!」と駆け寄ってきました。いったい誰が置いていったの...?、と、ブドウの怪に首をかしげる2人でした。
8.16(金)
・広報から展示チームに電話をかけると、長い呼び出し音。あれ、誰もいない?と思いきや、その後になぜか笑いながら「...はい...(周りの笑い声)...誰にかわりましょうか...」と押し殺した声の橋本さんが電話をとってくれました。ふしぎに思いつつ安西さんと話すと、「いや、きっとこの広報からの電話は、新展示のデータの催促だと思って。"私はいません!!"って逃げまわってたの...。」とのこと。新展示開始まで、3か月をきりました。切羽詰まってきたのを感じる今日この頃です。
8.17(土)
・毎年恒例の三鷹阿波踊りが開催され、今年も美術館メンバーが参加しました。なかでも女性の踊り手は準備に余念がなく、早めに集まって踊り手同士で髪をセットするなど大忙し。そんななか、田頭さんがある踊り手の髪をセットしてあげたところ、大好評。瞬く間にうわさが広がり、次から次へと依頼が殺到!どんどん髪をセットしていく手際はまるで美容室のよう。いつのまにやら田頭さんの名前を使って「サロン・ド・サエ」と名付けられていました。そんな田頭さんの活躍もあり、万全の準備で本番が迎え、今年も熱い踊りを披露できたそうです。
8.18(日)
・三鷹市役所連で参加させてもらった阿波踊り。今日は美術館は踊りには参加しませんが、表彰式では「三鷹の森ジブリ美術館賞」なるものがあるので、式典に渡辺さんと西川さんが参加しました。このジブリ美術館賞には副賞でふしぎな生き物がついてきますので、周りの連の子どもたちから、「あの賞がよかった!」という声をもらってちょっと嬉しそうなトトロと渡辺さんでした。
8.19(月)
・カフェの入口にあるブタ看板に本日のおすすめメニューを書いていた中山さん。夏らしくカブトムシの絵も描いています。しかしカブトムシの絵になにか違和感を覚えた根津くん。よく見て見ると、足が8本描かれていました。「中山さん、カブトムシの足って何本か知ってる?」と聞くと「え!?間違っていましたか?」と急いで2本足を消す中山さん。看板をよく見るとカブトムシにうっすらと消された跡が残っているのでした。
8.20(火)
・道に落ちているセミが突然動きだすことに驚かされる季節。これが苦手な人も多いですが、ある時そんな状況が展示チームで発生。セミに近寄るのをなんとなく皆が躊躇していると、内野さんがおもむろに「えい。あ、大丈夫だ。」と唐突に手づかみでセミを動かしてくれました。大胆な内野さんに驚かされる面々ですが、本人は「意外といけた、久しぶりだったけど。」と、豪胆な一面をみせてくれました。
8.21(水)
・カフェの喫茶室の中庭ではセミの抜け殻がたくさん見られます。中庭の窓際の席に座られたご婦人が「まあ!ニイニイゼミの抜け殻があるわ!」と嬉しそうにされています。ニイニイゼミは初夏に地中から出てきて、その抜け殻は小さめで泥が付いているそう。「私、昔からセミが大好きでセミの抜け殻を見るだけでオスとメスの見分けができるのよ~。」と昔を思い出しご機嫌なご様子のセミ博士でした。
8.22(木)
・アトリエから美術館への歩いて5分くらいのルート。どの角を曲がるかで、交通量の少ない道や日陰の多い道など、それぞれ人知れず好みのルートを選んでいる様子。かつて深谷さんが好んでつかっていた道は"深谷ロード"と名付けられ、車で途中まで向かうときなど、「今日は深谷ロードの途中で降ろしてください」などと共通語として使われていたりします。あるとき、深谷ロードより少し細めの道を"鵜木ロード"という呼んでいる人を発見。いつも自転車で来る鵜木さんが好んで使っている道だそうで、深谷ロードより交通量は少ないけど、大汗をかく道、だそうです。
8.23(金)
・今年もカフェデッキのぶどうが収穫されました。夏の太陽を浴びて成熟したぶどうは、じゅわっと広がる濃い甘さ。その中にもほんのり酸味とほろ苦さを感じます。お店で売っているぶどうでは味わえないような、どこか野性味を感じるオリジナルな味もスタッフから高評価。お酒好きのスタッフの間では、「ワインにしてみたい...」なんてつぶやき声も聞こえてきて、今から来年の収穫も楽しみなのでした。
8.24(土)
・外エリアで研修中の大畠さんは、セミがちょっぴり苦手。近くに飛んで来ないかいつもヒヤヒヤしているそうです。この日は大畠さんの肩にセミがとまり、近くで見ていた男の子に取ってもらうということがありました。そんな彼女の夏の目標は"セミとも仲良くなる!"ことらしく、私的研修目標にも意気込んでいます。果たしてこの目標は今年の夏が終わるまでに達成されるのでしょうか。
8.25(日)
・カフェの林さんは今年入社のフレッシュなスタッフです。彼女は母国語の台湾語、中国語、英語、日本語を話すマルチリンガルで、海外のお客様と話している姿は1年目とはいえ頼もしさがただよいます。そんな林さんは目下韓国語の勉強中。「もっといろいろな国のお客様を笑顔にできるように頑張ります!」とさらにグローバルに頼もしいのでした。
8.26(月)
・帰り際に、ごあんないじょに挨拶をしに来てくれた女の子。「今日、私の6歳の誕生日なの。」と教えてくれました。おめでとう!とお話しすると、「夏休みが明けたら、私、お友達より1歳お姉さんになっているから、しっかりしないといけないの。」と言います。1歳上のお姉さんになるという覚悟(?)で「今日の夕ご飯は大好きなハンバーグだ。」と淡々と語る表情は、クールなお姉さん風でした。
8.27(火)
・小トトロのキーホルダーを整理するショップの高嶋さん、ふと違和感を感じ他の物と比べてみると...なせかひとりの小トトロが持っている葉っぱだけ、うんと長いことがわかりました。「いつのまにか成長したのかなぁ?」と不思議に思いつつも、いったいなぜ...と可笑しさがこみあげる高嶋さんでした。
8.28(水)
・『千と千尋の神隠し』の主人公・千尋の格好をした中国の女の子。クリーム地に緑の横ラインが入ったTシャツの完成度が見事で、思わずお母さんに「手作りされたのですか?」と質問するスタッフ。お母さんは少し照れ臭そうに「この日のためにアイロンプリントで作って...」と教えてくれました。大の千尋ファンだという10歳のお嬢さんは、帰り際に「ココデ ハタラカ セテ クダサイ」と日本語で上手にお話ししてくれました。
8.29(木)
・本日の閉館後は、全スタッフでの暑気払いが行われました。毎日灼けつく日差しのもとで噴き出す汗と格闘するスタッフにとって、カツオのタタキに冷えた飲み物やおにぎりの塩味は、格別のご馳走。安西館長の乾杯でいっせいに晩餐にありつきます。
気仙沼から送られてきたカツオは、カフェの川村さんに指導を受けながら、みんなで食べるためにひたむきに宇田川さんがおろしました。
滝口さんは喜ぶ一同の姿をカツオのお礼に送るため真心をこめた撮影に懸命ですが、一同は「おいしい!おいしい!」と言いながらカツオをパクパクと口に放り込んでどんどん英気を養うのでした。
8.30(金)
・カフェの喫茶室に来店された小さな男の子。普段見慣れないものが多いためか店内をキョロキョロし「だいちゃん、お席はコッチよ!」とお母さんに何度も呼ばれています。なかなかその声に気付かない男の子に「僕もだいちゃんって言うんだよ!」と声をかけた、もと幼稚園の先生の大坂(だいさか)くん。"だいちゃん"同士で通じるものを感じたのか、席に着くと遠目からずっと大坂くんの働く姿をじっと見つめていた男の子でした。
8.31(土)
・テイクアウトの吉松さんが何だか嬉しそうにしているので理由を聞いてみると、カフェデッキで自分と同じ名前の女の子と出会ったそう。「今まで同じ名前の人と会った事がなかったので感激してしまって!」とのこと。多くのみなさんが訪れる場所ならではの偶然の出会いに、その醍醐味をかみしめたという吉松さんでした。