2019年12月
12月
12.1(日)
・「わたし魔女なの。」とそっと教えてくれた4歳くらいの女の子。スタッフがホウキを渡して、「飛んで見せてほしいな」とお願いしようとしましたが、「人前では飛べないの。」と断られてしまいました。人前で飛べない理由を聞いてみると、「パンツが見えちゃうでしょ!」と切り返されたのでした。
12.2(月)
・12ヶ月カップを4つご購入なさるというお客様と、どの月のカップにするかを一緒に選んでいるショップの須田さん。様々な組み合わせを長い時間をかけて迷っていたせいか、2人ともだんだんとよくわからなくなってしまったよう...。「あぁだめだ!4、2、1、9月...これだと"しにいく"になっちゃってなんだか不吉!」「では4、6、4、9月で"よろしく"はいかがでしょう!?」などと大笑いしながら、何やら最後まで楽しそうにえらぶ2人でした。
12.3(火)
・今日は新展示を宮崎館主も見に来ました。ずいぶん前に描いたものもあるので、「こんなのよくとっておいたね」「こんないいかげんなもの発表したっけ」と言いつつ、「これは今でもやれないのかと思い続けている」など、ちょっと噴き出すようなコメントをしていました。
12.4(水)
・急激に気温の下がった本日。ダウンコートを着たお客さまが増える中、半袖で元気にネコバスで遊ぶ子たち。何度も遊んでくれていた小学一年生の男の子は、「これ脱ぎたいよ〜」と最後の一枚になったTシャツをはためかせていました。「それを脱いだら夏みたいになっちゃうよ」とスタッフが言うと、「でも、ネコバスだって何も着てないよ!お揃いだよ!」と言うので「たしかに...」とつい納得して返答につまるスタッフ。すると人目を憚りながら、「俺さー、サンタにネコバスのお洋服お願いしようか?」と囁くので、今度は思わず吹き出してしまったスタッフなのでした。
12.5(木)
・ショップスタッフが「冬になったなぁ」と実感すること。それは昼過ぎ〜夕方にかけて西日がレジに差し込んで、とても眩しいこと。そしてそのあと階段上の窓から見える夕暮れはとてもとても綺麗なことです。空気が澄んだこの時期の空の色に、影絵の様にくっきりと映える木々の美しさは、ジブリ美術館ライブラリーでもおなじみのミッシェル・オスロ監督の作品の光と影の映像美を彷彿とさせます。思わずお客様と一緒に見とれてしまうスタッフでした。
12.6(金)
・フランスからのお客様に「ぽんぽこのグッズはありますか?」と尋ねられたショップの佐藤さん。「お好きなんですか?」と聞いてみると、おうちで飼っている猫に"tanuki(タヌキ)"と名付けるほど『平成狸合戦ぽんぽこ』のファンなんだそう。ニャーと鳴くタヌキを想像して思わず笑みがこぼれる佐藤さんでした。
12.7(土)
・階段や廊下の鉄柵に包まれるように配されたキラキラの"ふしぎ玉"。晴れの日も雨の日も光を取り込み、綺麗な色でお客さまや、スタッフまでをも癒してくれます。そんな"ふしぎ玉"に気がついた2歳くらいの男の子。「ここにキレイなのあった!」とお父さんに教えています。いくつもある"ふしぎ玉"を、お父さんが「いくつあるか数えてみようか」と誘います。男の子は数え始めるのですが、「いーち...、いーち...、いーち...。いち!」と、どこまで数えても「いち」。どうや最近ようやく数を覚え始めたところらしいです。お父さんに数字の数え方を教えてもらいながら、もう一度数えなおしていました。ふしぎ玉はいくつになったのでしょうか?
12.8(日)
・美術館の土日は家族連れのお客様が増えます。カフェの喫茶室ではあっちのテーブルで泣いてしまっている子、こっちのテーブルでは元気に歌を歌いだす子、ぐずっていたり、おしゃべりがとまらなかったり、とにぎやかな店内になります。そんな中テーブルの間を踊るようにすり抜けながら、子どもと目が合うと変顔をしたり話しかけたり、すぐに子どもと仲良くなる根津くん。子どもたちとの距離を縮めるのが苦手な田中さんは、「すごいなぁ...」と尊敬。でも「根津くんは中身が同じだから子どもとすぐ仲良くなれるのよ」との声も多いようです。
12.9(月)
・カフェの「麦わらぼうしのオムライス」は毎日100食以上注文がはいるほどの人気ぶり。盛り付けの最後にケチャップでハートを描くのですが、これには国内外のお客様皆様「かわいい~!」「オーマイガー!ソーキュート!」ととても喜んでくださいます。厨房では今日も次から次へとくるオーダーを華麗にこなすキッチンスタッフ達ですが、数日前にオムライスのあおりに気合を入れ過ぎた川村さんに悲劇が。火力が強く前髪が燃えてしまい、現在前髪がとても短くなっております。
12.10(火)
・10月から運営の2階エリアに研修に行っているショップの永野くん。ショップスタッフたちは「永野ロス」になっているとかいないとか...。そんな永野くんが図書閲覧室トライホークスで行われる"お話の会"で本を読むというウワサを聞いたショップスタッフ。「声のボリュームは大丈夫?」「怖がらせないようにね!」とあれこれ心配され、なんだかんだと皆に愛されている永野くんでした。
12.11(水)
・クリスマス装飾の期間が始まり、クリスマスにちなんだ様々なものが設えられています。入口のケーキハウスでは、大きなくるみ割り人形がお客様をお出迎え。この日、この大きなくるみ割り人形をじっとみていた男の子から、「これは何をするお人形なの?」と質問がありました。「くるみを割るためのお人形なんだよ。」と教えてあげると、「くるみよりも、お菓子を食べたそうな顔してる」との意見が。食べたいものは何か聞いてみたいところです。
12.12(木)
・トライホークスにて、「くるみわりとネズミの王様」を3冊購入された女性。「お子さんにプレゼントですか?」とお尋ねすると「大人の友達にプレゼントです!」と何やら嬉しそうなご様子。宮崎監督がオススメしているこの一冊、紹介文に書いてある『この本のおもしろさがわかる人は少女の心を持ちつづけている人です 挑戦してみて下さい』という言葉を見て、読んでみたくなったそう。「せっかくなので友人にも読んでもらって、どんな感想になるか聞こうと思って...!」とのこと。いたずらっ子のような愛らしい少女の顔を覗かせている女性をみて、何やらウキウキするスタッフなのでした。
<現在トライホークスではオリジナルのブックカバーをプレゼントしています>
12.13(金)
・カフェのソフトクリームがぶどうからチョコレートになりました。冬といえばチョコレート、という気もして、さっそく旬の味を食べたいという声が多く聞こえてきます。
12.14(土)
・ジーッとクリスマスツリーを見つめている女の子。どうやらツリーについている青いサンタさんに心を奪われている様子。そっと内緒話をするように口に手を当てて「お星さまください!」と囁いているのを見てしまったスタッフ。そのあまりの可愛らしさに、「今日すっごいかわいいのを見たんだよ〜」と他のスタッフにも話してまわっていました。クリスマスシーズン、子どもたちと同じようにスタッフも楽しみな毎日です。
12.15(日)
・今年は気候のためか落葉が遅いようで、落ち葉隊の仕事のペースがいまひとつ掴めないそう。一気に降り積もり片が付く日が来るのでしょうか。ちょっとずつ落ちてくる葉をやきもきして眺めています。
12.16(月)
・ショップの店内のポロのクリスマス装飾が一部で評判です。「あかまき」と呼ばれているボロを楽しく笑っていたところ、「しろまきもいるんです...」と高嶋さん。かわいらしく、紅白で何かおめでたい気もして注目されています。
12.17(火)
・アトリエの庭には大量のオナモミが発生。庭に出る人の体にひっついてしまいなかなか取れず、アトリエの面々は閉口しています。来年こそ植物の思うままにはさせまい、草刈りは早めにやろう...と今年は大敗を喫したのでした。
12.18(水)
・本日から12/25(水)までクリスマスワゴン販売デッキでワゴン販売が始まります。
カフェからはホットコーヒーと麦こがしのラテ、そしてラスクを売ることになりました。朝早くから準備を始めている木村さんは一人で作業をしているので大忙し。オープンの時間が刻々と迫る中、麦こがしのラテを移し替えながら「あ~こぼれちゃう~!」となんだか楽しそうなベテランの木村さんでした。
12.19(木)
・企画展示「手描き、ひらめき、思いつき」展にいるくまの一家。閉館後、スタッフが企画展示室の後片付けをしていると、「あっ!」と何かを発見。子ぐまのミシュートカのポケットに真っ赤なモミジが入っていました。「誰かからの贈り物なのかな?」「ちょうど赤ちゃんの手くらいの大きさだね。」とかわいらしい冬のお知らせに、くまの一家も喜んでいるように見えました。
12.20(金)
・おにぎりをお弁当に持ってきていたスタッフ。おにぎりにつける海苔について、"しなしな派"なのか、"パリパリ派"なのか、それぞれのこだわりで熱く主張しあっています。しばらくすると、"パリパリ派"も"しなしな派"も互いの魅力に改めて気づかされたようで、「どちらも美味しそうである」との結論に。「今度はパリパリで食べてみようかな!」「私は、しなしなに」と、海苔バトルの互いの健闘を称えあっていました。
12.21(土)
・本日よりクリスマスワゴンのいは絵本のワゴンも登場しました。クリスマスにちなんだ本が並んでいます。
12.22(日)
・美術館に来ることを楽しみにしてくれていたという、3歳くらいの女の子。「今日、これ私が渡すー!って朝からチケットを持ち張り切っていたんです。」とお母さんが教えてくれました。お父さんも「初めて来たから、ジブリデビューだね!」と嬉しそうにお話しています。ご家族に見守られながら、女の子は元気にチケットを受付のスタッフへ渡してくれて、フィルムきっぷと交換しました。無事、ジブリ美術館デビューを果たした女の子、何度でもデビューしに来てほしいです。
12.23(月)
・海外から来てくれた男の子が映像展示室「土星座」の場所を探しています。岸田さんが行き方を教えてあげました。すると男の子が手を差し出してきたので、握手かな?と岸田さんも手を差し出してみると、手の甲にチュッ!と軽いキス!!まるでマンガの王子様のような男の子に、ドキドキが止まらない岸田さんでした。
12.24(火)
・中央ホールに入ってきて物見塔を見上げ、「あれ上がると、どこに行くの?」とスタッフに聞きにきた男の子。「ぐるぐるぐるっと上がると、また別の階段につくよ」と答えると、「その上は?」と重ねての質問。男の子の疑問は、どんどん上へ上へと上がって行きます。ついには、「屋上の上は?」と、先のないところへ行き着いてしまいました。「屋上の上はお空だよ」と笑いながら答えるお母さんの手を握り、「お空か!高いね!見に行こう」と物見塔を上っていった男の子。数時間後、またスタッフのところに戻ってきて来てくれた男の子。「お空は高かった?」と聞くと、「すごく高くて青かった!」と、満足そうな表情で答えてくれました。
12.25(水)
・このたび新たに我々全体の上司として、美術館に着任された高橋望さん。もともと1989年からスタジオジブリで鈴木プロデューサーの片腕を務めて来られ、「のぞむさん」と親しみをもっている者も多数います。定評のあるその包容力、来年ネズミ年の年男、期待が寄せられます。
12.26(木)
・本日は年内最終開館日。明日最後の大掃除や門松の設置を済ませたら、来年に向けてお休みに入ります。2020年も、時代にちゃんと向き合って、お客さんに支持してもらえる美術館を目指して頑張っていきます。一年間日誌を読んでくださった皆さん、ありがとうございました。どうぞ、よい新年をお迎えください。