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作品解説

お金も時間もなかったけれど燃えていた。
若き日の大塚康生、高畑勲、宮崎駿が作った
「ルパン三世」1st.TVシリーズ。

 今から38年前の1971年10月24日、日曜日の夜7時半、「ルパン三世」1st.TVシリーズの放映が開始された。初の「大人向けTVアニメーション」として制作された当初のルパンは、青いジャケットを羽織り、ニヒルに笑い、アンニュイな雰囲気を漂わせたダークでカッコイイ、まさに「大人の男」であった。

 しかし、視聴率は低迷し、シリーズ途中で演出家が交代するという事態が起こる。そこで、1st.TVシリーズのメインスタッフであった大塚康生の強い希望により、高畑勲・宮崎駿がピンチヒッターとして演出に登用された。クレジットには「演出:Aプロダクション演出グループ」と表記されたのみで、高畑・宮崎が関わっていた事実を知るのは一部のファンに限られている。