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ペトロフ監督の技法

ユーリー・ノルシュテインのコメント

technique_04.jpg アレクサンドル・ペトロフ監督は、モスクワの映画大学を卒業しました。その後、“アニメーションの監督とシナリオライターのための特別コース”を受け、私と出会ったわけですが、私の生徒の中でも、特に才能のある人です。ガラスに油絵の具を使って、主に指で一枚一枚絵を書いていくという手法において彼と肩を並べる人物は、世界中探してもおそらくいないでしょう。

 ロシアは文学大国ですが、彼は卒業制作として、アンドレ・プラトーノフの『雌牛』を取り上げました。その後、ドストエフスキーの『おかしな男の夢』、ヘミングウェイの『老人と海』など、本来アニメーションの原作になるとは、誰も思わないような作品を取り上げています。彼は、そのような世界でもまれな作家なのです。

 そして、彼のような個性をもった作家が登場したとき、アニメーションという世界が拡大してゆくのです。

アニメーション作家
ユーリー・ノルシュテイン

ユーリー・ノルシュテイン

1941年、ロシア、ペンザ州アンドレーフカ(疎開先)生まれ。1943年からモスクワ在住。1961年サユーズムリトフィルム(連邦動画スタジオ)に付属するアニメーター・コースを卒業し、同スタジオに就職。もともと絵画志望だったが、エイゼンシュテイン全集に触発され、アニメーション監督の道を選ぶ。代表作「話の話」「霧の中のハリネズミ」他。現在はゴーゴリ原作「外套」を20年以上の歳月をかけて制作中。