「三鷹の森アニメフェスタ2017」第一部上映作品(予定)


①「くもとちゅうりっぷ デジタル修復版」 (政岡憲三/1943年/16分/日本)
kumochu.jpg"日本のアニメーションの父"と呼ばれる政岡憲三によって制作されたミュージカルアニメーション。巣を張って獲物をおびき寄せようとするクモと、かわいらしいテントウ虫の女の子のお話です。戦時下とは思えない叙情的な作品で、その後の日本のアニメーション発展の礎となった傑作です。デジタルリマスター化によりクリアになった映像でお送りします。
© 1943/2012 松竹株式会社

②「避雷針泥棒」 (ポール・グリモー/1944年/9分/フランス)
hiraishindorobo.jpgフランスのアニメーション作家ポール・グリモーが制作した短編作品。夜な夜な避雷針を次々と盗んでいく泥棒が、ふたりの警官の追跡をかわしながら、屋根から屋根へと縦横無尽に逃げ回ります。屋根の上で繰り広げられる追跡劇は光と影のコントラストを駆使して描かれています。
© 1944 STUDIOCANAL

③「ねずみのよめいり」 (白川大作・月岡貞夫/1961年/14分/日本)
nezuminoyomeiri.jpg日本の十大昔話の1つをベースに、東映動画で活躍した白川大作と月岡貞夫が共同演出。太陽や雲、風が独特の擬人化によって表現され、原作のエピソードをより一層楽しむことができます。高畑勲、宮崎駿の師匠として知られる森康二による愛らしいキャラクターも見どころです。
©東映

④「霧の中のハリネズミ」 (ユーリー・ノルシュテイン/1975年/10分/ソ連(ロシア))
kirinonakanoharinezumi.jpg切り絵アニメーションで知られるソ連(ロシア)の巨匠ユーリー・ノルシュテイン監督作品。夕暮れの野原をハリネズミのヨージックが急ぎ足で歩いています。友だちの子グマの家でお茶を飲みながら星を数えるために。しかし、いつしか周囲には霧が立ちのぼり、ヨージックはその中をさまよいます。デジタルリマスターによって高画質で蘇った映像でお送りします。
©2016 F.S.U.E. C&P SMF

⑤「悲しみの白クマ」 (コ・ホードマン/1992年/8分/カナダ)
kanashiminoshirokuma.jpgカナダ国立映画制作庁(NFB)を代表する作家コ・ホードマンによる、切り紙を使った立体アニメーション作品。様々な技法、内容で作品を作り続けるホードマン監督が、極北の地を舞台に、自ら作った素材の異なる紙を使って、白クマをはじめ様々な動物を描き分け、繊細な動きを表現しています。
©1992 National Film Board of Canada

⑥「父と娘」 (旧題:「岸辺のふたり」)(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット/2000年/9分/イギリス・オランダ)
fatheranddaughter.jpgわずか9分間という短編にもかかわらず、父娘の愛おしい絆を描き、世界中を静かな感動で包み込んだ傑作です。幼い頃に別れた父の面影を求めて、少女は雨の日も風の日も水面の先を見つめ続けます。移ろいゆく風景と女性の一生がシンプルな線で詩情豊かに描かれます。
©2000-Cloudrunner Ltd and CinéTé Filmproduktie bv

⑦「piece」 (百瀬ヨシユキ/2009年/6分/日本)
Piece.jpg女優で歌手の新垣結衣のミュージック・ビデオとして発表された作品。新しい映像表現の可能性を模索してつづけているスタジオジブリの百瀬ヨシユキが監督しました。街に出かけた孤独なヒロインが、何気ない出来事をきっかけに笑顔を取り戻していくストーリー。
©2009 Studio Ghibli