「三鷹の森アニメフェスタ2025」第一部上映作品
『こねこのらくがき』(1957年/日本/薮下泰次/13分)
© 東映東映動画(現・東映アニメーション)が制作したアニメーションの記念すべき第一作目。こねこが壁に描いたらくがきが動き出す、というアニメーションならではの楽しさにあふれた作品で、伝説的アニメーター森康二氏が描いた動物たちの愛らしさと、はつらつとした動きも見どころ。日本アニメーション史に残る重要な作品の一つ。
『The Pink Phink』(1964年/アメリカ/Friz Freleng・Hawley Pratt/7分)
©1964 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.ピンクパンサーが主役として登場するアニメーションの第一作目。青いペンキを塗る男と、それをピンクに塗り替えようとするピンクパンサー。その攻防を描くシンプルなストーリーながらも、誰もが耳にしたことのある音楽にのせた軽快な展開に、思わずくすりと笑ってしまうこと間違いなし。1964年アカデミー短編アニメーション賞受賞作品。
『悪夢』(1979年/アメリカ/John Lasseter/5分)
© 2025 Disney/Pixar主人公は暗闇を怖がる男の子。部屋の明かりが消えると、さまざまなものがまるでお化けのように動き出す......。『トイ・ストーリー』を生んだジョン・ラセターが学生時代に制作した手描きアニメーションで、作画の生の線が活かされているのが特徴。ストーリーやキャラクターには、彼の後の作品に通ずる独創性や豊かな物語性も見て取れる。Student Academy Award受賞作品。
『Adam』(1991年/イギリス/Peter Lord/6分)
© Aardman Animations Limited 1991アードマン・アニメーションズの創業者の一人、ピーター・ロードが手がけた作品。とある星の上で創造されたアダムが、創造主である神の手に振り回されながら、世界の仕組みを学んでいくドタバタコメディ。クレイアニメーションで作られたアダムの細やかな表情や仕草などは、アードマン・アニメーションズの真骨頂とも言える出来栄えで、そのユニークさと職人技は必見。
『Quest』(1996年/ドイツ/Thomas Stellmach・Tyron Montgomery/11分)
© 1996 THOMAS STELLMACH ANIMATION水を求めて、砂の世界を旅立った砂の人形。水滴の音を頼りに、紙や石、鉄でできた世界を渡り歩いてゆく。そしてついに水辺にたどり着くが......。抑制された映像表現や音の使い方が画面に張り詰めた緊張感をもたらし、独特な世界観と物語性を際立たせている。1996年アカデミー短編アニメーション賞受賞作品。
『Das Rad』(2001年/ドイツ/ Chris Stenner・Heidi Wittlinger・Arvid Uibel /8分)
©Filmakademie Baden-Württembergドイツのアニメーション学校で制作されたストップモーションアニメーション作品。長い時を生きる"石"のふたりの視点を通して、地球の姿が移り変わるさまが描かれている。本物の木も一部利用したという自然の美しい描写はもちろんのこと、独創的な時間の描き方にも注目。2002年アカデミー短編アニメーション賞ノミネート作品。
『Rabbit and Deer』 (2013年/ハンガリー/ Péter Vácz/16分)
©2013 Péter Vácz幸せに暮らしていたウサギとシカのふたり。しかし、シカが不思議なキューブに心を奪われてしまったせいで、ふたりの間に深い溝が生まれてしまう。果たしてふたりは友情を取り戻せるのか。アニメーションの手法さえも物語の一部として取り込んだ独創的な作品は世界中で評価され、2013年アヌシー国際アニメーション映画祭の子ども審査員賞にも選ばれた。
『(OO)』 (2017年/韓国/OH Seo-ro/6分)
©OH Seoro鼻炎に悩む主人公のさまざまな辛い症状をコミカルに描いた作品。アニメーションならではの大胆な誇張をもってユーモラスに表現されたくしゃみや鼻水は、同じ苦しみを味わったことがある人であれば、誰もが共感せずにはいられないはず。観ているだけで鼻がむずがゆくなってくるような、不思議な鼻の中の世界をお楽しみあれ。
『Candy.zip』 (2017年/日本/見里朝希/4分)
©2017 Tomoki MISATO / Tokyo University of the Arts「PUI PUI モルカー」の見里朝希監督の学生時代の作品。会社の資料を自信を持って仕上げても、社内で一向に評価されないアオコ。ある時、彼女が完成させた書類が同僚にすり替えてられている現場を目撃する。口封じに姿をキャンディーに変えられてしまったアオコは......。プラバンやレジンを使用したポップでキュートな半立体ストップモーションアニメーション。
『目玉』 (2021年/日本/山本アンナ/9分)
©2021山本アンナある日、木から生まれた目玉は人生の冒険へと歩きだす。ふりかかる困難を乗り越えながら歩いていく先にはいつも美しい風景が広がっていた。そしてまた、目玉も食べられることにより土に還り新しい生命へと繋がっていく。南国のゆったり流れる風景のなかで、不思議な生き物たちが紡ぎ出す環る生命の物語。2023年三鷹の森インディーズアニメフェスタ上映作品。