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映画『しわ』作品概要

映画『しわ』作品概要

スペインで公開されるや社会的に大きな反響を呼び、スペインのアカデミー賞と呼ばれる第26回ゴヤ賞で「最優秀アニメーション賞」「最優秀脚本賞」を受賞。また、教育番組の世界的なコンクールである「日本賞」の2012年度グランプリを受賞した話題作「しわ」(原題:Arrugas)。 このたび、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーの提供で、この作品の劇場公開が決定いたしました。

原作は、スペインの漫画家パコ・ロカが描いた『皺』(第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門「優秀賞」受賞)。この原作を、スペイン人の若き実力派アニメーターで、日本のアニメーションから多くを学んだと語る、イグナシオ・フェレーラスが監督した長編アニメーションです。テーマは、高齢化時代を迎え社会問題としてもクローズアップされている「認知症」について。その時、どうやって「老い」や「認知症」と向き合えばよいのか。本当に必要なのは「家族」か「友達」か…。そんな重いテーマを、温かな手描きアニメーションの手法でコミカルにさりげなく描き出しています。

物語

 かつて銀行に勤めていたエミリオは、認知症の症状が見られるようになり、養護老人施設へと預けられる。同室のミゲルは、お金にうるさく抜け目がない。食事の時のテーブルには、面会に来る孫のためにバターや紅茶を貯めている女性アントニアや、アルツハイマーの夫モデストの世話を焼く妻ドローレスらがいる。

 施設には様々な行動をとり、様々な思い出を持つ老人達が、日々の暮らしを送っている。そして重症の老人は2階の部屋へと入れられることがわかる。

 エミリオはある日、モデストと薬を間違えられたことで、自分もアルツハイマーであることに気づいてしまう。ショックで症状が進行したエミリオは2階へ送られる日も遠くない。そんなエミリオのことを思い、ついにミゲルはある行動に出るのだった...
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原作コミック『皺』について

2011年8月に日本語訳で刊行されたスペインのマンガ家、パコ・ロカによる『皺(しわ)』は、発売とともに、マンガファンの間で大反響を呼び、国内のコミックを押さえて、2012年度メディア芸術祭〈優秀賞〉を受賞。さらに、「この海外マンガがすごい2011」でもシビル・ウォーやアンカルなど名だたる話題作を押しのけて一位を獲得している。


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[書名]  『皺(しわ)』
[著者]  パコ・ロカ
[訳者]  小野耕世/高木菜々
[収録作] 『皺』/『灯台』
[定価]  2,940円(税込)
[発売元] 小学館集英社プロダクション