GIORNALE DEL MAMMA AIUTO!
癒しの木――トトロのきのこオルゴール


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ショップのある2階の廊下に、3つの小さな窓があるのをご存知でしょうか?そのひとつに飾っているのが、マンマユート便り vol.11でもご紹介している「フレスコ画スカーフ」です。

受付の天井に描かれているフレスコ画をスカーフにしたもので、鮮やかな色は通る人の目を引きます。

何のキャラクターがいて、どんな植物が描かれているのか、ここでじっくりとご覧いただきたいと思います。

そのあとは是非ショップにてスカーフの手触りの良さを感じてみてください。

 
癒しの木――きのこ型オルゴール

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▲「きのこオルゴール」赤/黄 各6,480円

小トトロがちょこんと乗ったきのこ。実はこちら、木製のオルゴールになっていて、かさの部分を回すと、それぞれ「さんぽ」と「となりのトトロ」の音楽が流れます。

小トトロにはミズキの木、キノコにはブナの木が使用されており、とても優しい音色です。今回は、このオルゴールを制作している工房を訪ねました。

穏やかな町、清水で鳴り続ける音色

なだらかな山と静かな海に囲まれた穏やかな町・静岡市清水区。
古くより木工品が盛んなこの町に東洋音響があります。

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東洋音響はもともとオルゴールの音響部分であるムーブメントをつくっている会社で、10年ほど前から、地元の木工技術を活かした装飾やからくりの制作へとシフトしていきました。

同社代表取締役の杉山さん、専務の加福さん、そして製造部長で「からくり担当」という肩書の細江さんにお話を伺いました。

杉山社長曰く「戦後6~7社のオルゴールメーカーがあったのですが、今では2社になってしまいました。」後継者不足や海外生産への移行など、移り行く時代の中で様々な試練があったそうです。

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▲ 左から、加福さん、杉山社長、細江さん

「最初は工程の一部を外に頼んでいたのですが、私たちが望む基準に至らないことも多く、いっそ自分たちでやってしまおうということになりました。」と話す加福さん。

品質にこだわり、技術を学び、自分たちの手で作ることができる体制を整えたことは、東洋音響最大の強みといえるのだと思います。

木工技術のすごい技

トトロオルゴールで目を引くのがちょこんと乗った小トトロ。これは何度も何度もシルエットの改良を重ね今の形となりました。

シンプルな形ですが耳の角度やしっぽの大きさ、ほんの少しのずれでトトロらしく見えなくなってしまいます。木製品を仕上げているのは、からくり担当として腕をふるっている細江さん。

細江さんの手にかかると、小さな木片からあっという間にトトロらしいふくらみが生まれてきます。ひとつひとつを注意深く削りだす繊細な木工の技術だけでなく、そのもの「らしさ」を感じさせる、細江さんの長い経験があってこその技。

細かい調整と旋盤の技術によって、誰もが納得する小トトロの出来上がり。まさに職人技です。

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トトロだけでなく、きのこのカサの部分のコロンとした丸み。
これも細江さんによるものですが、手のひらでちょうど包み込めるような、温かみのあるきのこへと削り出していきます。

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きのこの色は赤と黄色。どちらも木目がうっすらと見える濃度で塗られています。

薄く塗るのは簡単なようで難しく、試行錯誤を続ける中、自分たちで塗装室まで手作りして仕上げるようになったそうです。

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また、こちらのリクエストによって、トトロオルゴールの"きのこ"は、地下1階展示室内「立体ゾートロープ」のきのこにイメージを近づけたものになっています。地下1階の展示室に行ったら、"きのこ"にも是非注目して見比べてみてください。

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▲ 立体ゾートロープ「トトロぴょんぴょん」のきのこ

さいごに

この工房では熟練の職人の手によって、ひとつひとつ丁寧に仕事が行われています。

「手に取る人が癒されてくれるといいなと思います。オルゴールの音が嫌いって人は...きっとあまりいないですよね?」そう言って笑う東洋音響の方々からは、オルゴールへの深い愛情が感じられました。

オルゴールの生の音からはCDなどのデジタルでは味わえない波長を感じることができるのだそうです。
その波長こそ時代や年齢を超え人々を惹きつけるオルゴールの魅力なのではないでしょうか。
そして、トトロの持つ雰囲気と合わさり、より優しいものに感じられるのではないかと思います。

優しい音色、木のぬくもり、そしてトトロが生み出す世界観...この3つのバランスが見事なハーモニーを奏でるトトロオルゴールに癒されてみてはいかがでしょうか。

東洋音響の皆さま、ありがとうございました。
(2018年11月6日、静岡県・清水区にて収録)

今回は、新しいスタートがはじまる4月におすすめしたい、「書くもの」シリーズをご紹介いたします。是非お気に入りの1本を見つけてみてください。

くるくるえんぴつ(2B)「トトロのニセ受付」「クロスケ潜水窓」「上昇海流」

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各300円(税別)

鉛筆を手のひらに挟みくるくると回すと......表と裏に描かれた絵がひとつに見え、ロボット兵の周りには鳥が飛び、トトロは受付の中に、マックロクロスケは窓の中に入っているように見えるのです。回すのは速すぎても、遅すぎてもだめ。子どもはもちろん、大人もついつい手に取ってくるくる、くるくる...。夢中になってしまいます。

フローティングペン

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各800円(税別)

フローティングとは英語で「浮く」という意味。ボールペンを傾けるとふわふわとケーキハウスに入っていくムゼオキャラクターがとても愛らしいです。インクの色は全て黒、使い切りタイプです。

サイン看板ペン

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各3,200円(税別)

手に取ってびっくり!こちらは以前マンマユート便りVo.1でもご紹介した阿随金属工房さんによる、スタンド式のボールペンです。サッと使えて機能的でありながら、飾っているだけでも存在感がありますね。ショップでもサイン用のペンとして、レジ前に置いてあります。また、この看板は三鷹駅/吉祥寺駅から歩いて美術館に来る途中で実際に見ることができます。美術館の行きかえりには、ぜひ探してみてください。