ロボット兵 カードスタンド 実際の製造行程


    1. ゴム型の制作

    2. まず原型を円盤状のゴムではさみ、熱と圧力を加えてゴム型を作ります。
      この円盤状のゴム型を回転させながら、融かした金属を中央の湯口から流し込み、遠心力によって成型します。
      湯口から部品の隙間へと融かした金属が行き渡るように、金属が流れる溝<湯道>を彫ります。また同時に空気を逃がすための<ベント>と呼ばれる筋も彫ります。 

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      ▲9インチ(約23センチ)の鋳造用ゴムが使用される。


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      ▲完成したゴム型(写真は[ロボット兵 カードスタンド]の台座部分)。中央の湯口から、各部品へと<湯道>が彫られている。




    3. 鋳造


    4. 遠心鋳造機にゴム型をセットし回転を開始、融かしたピューターメタルを小さな柄杓ですくって中央から注ぎます。
      このとき、部品によってゴム型の温度(※暖めることで金属が流れやすくなる)、回転速度、注ぐ金属の量などが変化します。
      阿随さんは何度か鋳造を繰り返して最適な数値を求め、それに沿って作業が進みます。
      また、その数値や型の配置、湯道の付け方などは、常により効率のよいものに更新されます。

      「ゴム型は、常に進化といいますか、同じ製品でも効率のよい鋳造ができるように改善を重ねて変えています。 忙しい時に活躍できる型でないと、リズムがずれて支障が出ますから」


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      ▲遠心鋳造機にセットする前に、固まった部品がはずれやすいようにゴム型の内側に離型剤(タルクパウダー)をまぶしておく。


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      ▲遠心鋳造機(※写真奥)にゴム型をセット、手前の金属を溶かす釜ではピューターメタルが融かされている。


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      ▲遠心鋳造機のフタを閉め、ゴム型を回転、中央から溶けたピューターメタルを注ぐ。


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      ▲成形された部品(ロボットの頭部)。


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      ▲湯道がつけられているので、部品は軽く触るだけでぽろぽろとはずせる。


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      ▲ゴム型の表面には、使用開始の月日、金属の温度と分量、プレス圧、回転方向、回転速度などが記入されている。




    5. 研磨


    6. 成形された部品は一度、希硝酸につけて黒く染めます。それを振動バレルという装置に入れて研磨し、バリ取りおよび立体感と光沢を出します。 その後、水洗いして乾燥させます。

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      ▲振動バレルの中には研磨石が入っており、部品の大きさによって石の大きさも変える。




    7. 塗装と仕上げ


    8. クリアー塗料を吹き付け乾燥後、目の部分を磨いて光沢を出します。

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      ▲組み立てが済んだもの。この状態でクリアー塗装を施す。


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      ▲最後の仕上げ。目の部分を一つ一つ電動ツールで研磨する。



    9. 箱詰め
    10.  

      仕上がった品物を箱詰めして出荷となります。小箱にラベルを貼るのも阿随さんが手がけます。ラベルを貼る位置を決める治具も自作するという凝りよう。
      まず、ラベルを箱に貼り、そのダンボールを組み立てて品物を詰めます。


      それにしても、阿随さんの作業の手順はすべて数値化され、また作業場も無駄なく動けるよう配置されているのに驚かされます。

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      ▲「見ちゃうんですか...これ(苦笑)」 スチール棚を利用した作業台に磁石で箱の台紙を固定、L字形の透明アクリルに沿ってラベルを貼る。