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映画監督“宮崎駿”にとっての運命の作品
宮崎監督が、この作品を見てアニメーションのもつ表現媒体としての可能性を見出し、その後の創作活動の志としたというのは有名なエピソードです。
アニメーターを志望したきっかけの作品が『白蛇伝』(1958・東映)だとしたら、アニメーターとしてやっていく自信と目標を見出した作品がこの『雪の女王』だといえるでしょう。
当時、自分の与えられた仕事に失望感を味わうばかりだった若き日の宮崎監督が、この作品と出会い、アニメーションのもつ無限の可能性と素晴らしさ、全編を貫く志の高さに感銘を受けたのはまさに運命的な出来事でした。『雪の女王』との出会いがなかったら、その後の宮崎駿はなかったかもしれません。
主人公ゲルダの心情を丁寧に描きながらカメラはずっと彼女を追いかけていく。旅先では、不思議で魅力的なキャラクターが次々と登場し彼女に救いの手を差し伸べる。
そしてラストでは、巨大な敵と正面から対峙するが、少女の愛と一途な想いがそれを打ち破る。宮崎駿の出発点がここにあるといっても過言ではないでしょう。